大道芸を見る!~上野公園~
寒桜が咲く上野公園へいってきた。
幸い自宅から上野は近く行きやすい。それに以前、何度か公園内で芸を披露しているところをみたことがあったので、そこならいるだろうということで行ってきた。 京成上野駅横の階段を上がると、陽気な音楽が聞こえてきた。「イジャイ」というグループが、歌と楽器演奏をしていた。その前で南米系の男性や日本人の若い女性、オジサンが輪になり踊っていた。
それを見ている観客も意外とノッていて、日本人も意外と乗れるんだな……と感心。
少し鑑賞した後、中央の広場へつながる道を歩いていくとまた人だかりが見えた。
近寄ってみていくと、全身タイツに身を包み不思議な格好をした人がパフォーマンスをしていた。
このパフォーマーは、ジュラルミンケースの上やパイプ椅子の上で逆立ちをするという大技を見せていた。お金を入れるボックスの横に、その人と同じ格好をした人形(きっとデッサン用の木の人形だと思う)がジュラルミンケースの上で片足をあげ、もう一方を膝から後ろに曲げている体勢の物が置いてあり、逆立ちをするたびに人形と同じ格好をするので、それが決めポーズなのだと把握した。
残念ながら雑伎団と少林寺を見ているので、感動はできなかった。
広場へ向かうと、また集まりができていた。近寄って見ていくと非常に大きな仕掛けがあり、その中央で金髪のお兄ちゃんが運動をしていた。
一体なにをはじめるのだろうかと見ていると、「これから綱渡りをします」と言うではないか。そしてかけた音楽はなぜか、のど自慢で歌自慢の出場者が歌う頻度が多い『天城越え』(石川さゆり)。そこでどっと笑いが起きた。中には、「なんで天城越え!」という突っ込みをしている観客もいた。しかし、私の中では「綱渡りってサーカスじゃね?」という突っ込みをしたのは秘密。 普段は『天城越え』が聞こえた時点で、「寒ッ!」と言って見ずに去るが、大がかりな大道芸をあまり見たことがなかったので興味が沸き見ることにした。
最初は普通の綱渡り、次がジャグリング(大きなナイフを使って)をしながら、最後がなんと後ろ向き。雑伎団のアクロバットや、少林寺の切れのある演舞は見たことはあるもののサーカスの演目は見たことがない。なので新鮮な感じがした。
最後の演目は、ジャグリングをしながらリンゴの皮を剥くというものだった。これはなかなか面白かったので、実際に見てもらいたいから詳細は書かない事にする。
演目終了後、あわただしく片付けをしている彼に話を聞いてみた。
芸名はHIX。肩書きは浪速騒動屋。綱渡り、ジャグリング、火吹きを行っているそうだ。HIXさん大道芸人の道に入って10年になるそうで、最初は日本で勉強をしていたが、本格的な勉強をするためにアメリカへ渡ったそうだ。そこで修行をし、今のような芸を習得したそう。 関西で活動しているそうだが、関西と関東の違いを聞いてみると、「関東の、特に東京は登録制になっていて、承認してもらうのも難しいので、こちらの芸人さんたちのがうまいと思いますね」とのことだった。
どうやら大道芸人は何百人もいるらしい。あんまり出会ったことがないが、そんなにいればどこかでまた巡り会えるはずだ。
正直、大道芸やストリートミュージシャンといった人々があまり好きではなかった。どちらかといえば興味がない。しかし、大がかりなパフォーマンスや、大道芸人としてのプライドを見せられると、一生懸命やっている彼らに対して食わず嫌いをしていた自分が恥ずかしかった。
これからは積極的に他の芸人たちの芸をみていくことにする。てなわけでまた次回。(奥津)
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