「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンって、どうなの!?
知人にフェティシズムなどの性的倒錯者から話を聞くのが好きな人がいる。彼女の話でもっとも印象に残っているのが、かみ砕かれた食べ物が入った口の中を見るのが好きな男性の話だった。食事をしながら話を聞くと、彼は恥ずかしそうに口を開けるよう彼女にお願いし、口の中をウットリと眺めていたという。
かみ砕かれた食物などゴミにしか見えない私にとって、食事中の口の中などできれば見たくない代物だが、一部の人にとっては性的な興奮をもたらす。この人間の欲望の幅に、なんだか圧倒されてしまったのである。ただおそらく当人は大変だろう。快感を感じるポイントが大きく人と違えば、恋人に頼むこともなかなか難しい。意を決してお願いするか、同好の士で集まるか、妄想で我慢するぐらいしかない。
じつは性癖が変わっているという点ではロリコンも口の中の食べ物を見る人も同じだ。ただ口の中を見せる写真の保持を禁止する運動は起きなくても、少女の映像となるとそうはいかない。3月11日に日本ユニセフなどの呼びかけで始まった「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンでは児童ポルノの単純所持や、児童を性的に描いたアニメやマンガ、ゲームなども違法化を目指すという。
たしかに児童ポルノの単純所持にかんしては法律で規制する意味があると思う。自分の意思に関係なく「商品化」される児童の保護になるから。しかしアニメやマンガ、ゲームの法制化に意味があるのだろうか? 性癖を変えるのが難しいという事情を考えれば、妄想の世界であるアニメやマンガなどが、実際の行動を抑制している可能性はないのだろうか?
中学生未満への強姦被害者数は1962年で1236件だった。一方で2005年には209件にまで減っている。この数字を0~14歳までの1000人当たりの人口で割ると、62年が0.045、05年が0.011となる。つまり62年には1000人のうち0.045人が被害にあったことになり、05年には被害が4分の1に減ったことになる。ただしこれが強制猥褻となると、62年が0.44、05年が0.113という結果となる。
ほれみたことか、幼児性愛を盛り込んだマンガやゲーム市場の拡大が、こうした性犯罪を招いているといわれそうだが、ロリコンマンガが創刊された81年から数年間の「ロリコンブーム期」は数字に大きな変動などみられない。強姦だったら0.045の62年の方が85年の0.013より多いし、強制猥褻でも65年の0.060の方が85年の0.057より高い。
ただし気になる数字もあるにはある。強制猥褻罪の被害者が増加する2000年から2003年まではネット調べる限り、ロリータゲームが流行った時期とある程度は重なるらしいのだ。
幸いなことに私は幼い女性にまったく興味がない。むしろ幼児期にイタズラされた人から話を聞いたこともあって、その手の話は拒絶反応が強い。だからといって、とりあえず規制しておけばいいとも思えないのだ。表現の自由といった問題よりも、そんな趣味を持ってしまった人が犯罪にはしらない程度に生きられる仕組みが必要だと感じるから。
たまたま性癖がノーマルだっただけ。それはたんに幸運だったのかもしれない。そう考えると、幼さを演じる女性のAVまで規制しようとするキャンペーンなど、とても賛成する気にはならない。(大畑)
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コメント
>自分の意思に関係なく「商品化」される児童の保護
児童ポルノ=、無理やり撮影というのはおかしいと思います
勿論、そういった人もいるでしょうがそれは成人物も同じですよね。。。
投稿: | 2008年8月19日 (火) 03時34分
コメントありがとうございます。
フランスの売春婦のように性労働の権利はあるとは思っているのですが、子どもにまで拡大できるのかというと、やっぱり不安になっちゃいます。子どもだと強制したり、騙したりするのが簡単ですから。特に性的な問題は精神への影響も大きいので、僕とすると慎重にせざるを得ないかという感じです。
投稿: 大畑 | 2008年8月19日 (火) 11時45分