ドリームボックス 第4回 ピアノからは逃げられない(後編)
最近は、人生でその他のことが意外とうまく行き、視野を広げたことで、いろいろな分野の人に会うようになりました。そんな中で、いろんな生き方があることを知りました。そしてその中で自分は、なぜピアノと運命的な出会いをしてしまったのか、この道を選んでしまったのか残念な思いがあって。もっと賢ければ、視野が広ければ自分はすばらしい何者かになっていたのかもしれないと思い、何よりも今、自分の人生からピアノ=苦しみを消せるなら消したいという思いがずっと心の中にありました。
しかし、よく考えてみると私の身に起きた良いことはすべて、会ったすばらしい人の多くもすべてピアノが運んでくれたプレゼントでした。だから、こんな人生に誰がしたの!!!(怒)なんてピアノを恨むのはやめて、ピアノとともにゆっくりやっていこうと思っています。本当に辛かったときは、自分の部屋でピアノを見るのが嫌でした。いつもそこにあるから。ちなみに、私は、どこに住んでも大きなピアノと共に暮らしていますのでピアノから逃げることはできないのです。
ピアノが嫌になる最大の理由は、練習でも人間関係でもなく、コンサート。舞台に出ることのプレッシャーとどう向き合ってよいかわからない自分に嫌気がさしてきます。そして失敗してしまえばそれがもっと強まるわけで、しかももうこれ以上の痛みは受け止めきれない、だけど私が一番やりたいこと、一番大切なことそれは、ピアノ。だからいっそ死んでしまおう。こう思うことがよくあったのです。死ななかったのは偶然かな?
ちなみに日本人で初めて海外留学したピアニスト久野久は、ウィーンで留学中に投身自殺をして死んでしまうのです。しかし、私は、お酒が大好きでよくお友達と飲みに行くし、私生活のほうでは、言いたいことを言って、やりたいことをやって、かなり奔放に生きてきたので、まぁ楽しすぎる人生だなと思います。だからやっぱり死ねなかったのかな(笑)
そう、それで、今回のコンサートは、なんだか前日からうまく行く気もしていたし、緊張したけど、うまくいきました。思ったとおり。ベートーベンのソナタを弾きました。
ピアニストは、一人で舞台に出て行かなければいけないし、ソロの場合は、楽譜も見られないので、とにかく孤独で不安と戦わなければいけないのです。とにかくどうにか乗り切ろうと思って、いろいろな願掛けをしてしまいます。
まず、近しい友達で応援していてくれる人には、「祈っていてね、明日弾くから。お願いだからパワーを送ってね」と頼んでみたり。ちなみに、バカみたいと笑われるかもしれないけれど、私の場合、一人で海外にいるので、アメリカとか日本とかイギリスとか韓国とか、とにかくどこでも海外からパワーが飛んでくると思うと、意外となんか、こう、ワーーーって自分の中に魂が入ってくるような気がするのです。特に遠いところの友達に言うとなんだかスッキリするような、まぁ真意は、自分でも良くわからないんだけど。
そして、その次に重要な儀式があって、ファンの人からいただいたアクセサリー、応援してくださる先輩音楽家からいただいたハンカチ、すごく仲いい友達がくれた品、ハンカチとかipodとかペンとか、両親が送ってくれた物などでも。そういうものを身に着けて行くこと。それで、楽屋では、ipodで何か聞きながら「自分はそう一人じゃないんだ!!!みんながついていてくれるじゃないかぁ。!!!!」という想いを抱き勇気を奮い立たせる。なんか書いてて頭おかしい人みたいって思ってきたけど。そう、これが本当のBrendaなのです。
ちなみに写真は、実際に今回私が持っていったものです。(福冨ブレンダ)
福冨ブレンダさんのブログが始まりました。
日本と世界の事情を痛快に、そして日常とピアノのことを情熱的に書いてくれています!
是非ご覧あれ。
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