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2008年1月 9日 (水)

川淵三郎+岡田武史=早稲田

何でそうなるのか。どうして岡ちゃんなのか。古くからサッカー日本代表を見ているファンは「日本人監督登場」でガッカリしているはずだ。
まだJリーグが始まる前、代表監督は決まって日本人だった。W杯に行けないのは日本チーム。相手はいうまでもなく外国。したがって外国に負けている。なのに監督は負けている日本で生まれ育った人。これでは勝てるわけがないと多くのファンがわかっていたのに日本人が相変わらず指揮を執り、案の定負け続けた。
オフト監督を連れてきてW杯予選突破まで後一歩まで迫った時にはようやくこの負の連鎖が止んだかに思えた。次のフランス大会では選手としては優秀ながらW杯代表監督の経験はないファルカンをすえたもののアジア杯の成績不振を理由にアッサリ更迭。後任は加茂周氏。悪夢の日本人監督復活である。加茂ジャパンはW杯予選で苦しみ解任、後を襲った岡ちゃんが予選突破を果たした。だが順位をつけるとしたらこの時は3位。前回までのレギュレーションではアジア枠から出られない成績だった。
次の日韓共催大会ではトルシエ氏となる。曲がりなりにも代表監督経験があったという点で過去最高の監督だった。ホームの利もあり本戦決勝トーナメントに進出した。この時点でもう日本人監督はないだろうと安心する。
次のドイツ大会はジーコ氏に委ねられる。彼は代表はおろかクラブチームの監督経験もない。本戦予選リーグは案の定の結果となった。

その後任にオシム氏が就いたのはいくつかの偶然と何人かの献身的な努力の結果としてほぼ奇跡のような人選だった。ユーゴ代表監督としてW杯ベスト8に残りアルゼンチンと互角の勝負をした人物である。ただし彼は戦略的に招かれたのではない。ジェフ千葉フロントの熱意を上澄みでさらっての就任だった。
したがってオシム監督が病気で倒れると何の戦略もない日本サッカー協会に手はなくまたもや「悪夢の日本人監督」になった。心配なのは監督就任時のあいさつで「オシム路線を継承する」旨を発言した点。そういえばオシム監督指名時も川淵会長は「ジーコの考えを受け継」げるからといった発言をしている。
多弁でありながら慎重なオシム氏は鮮明にジーコイズム?の継承を口にしていない。なぜならば違うからだ。違わなければならない。何で前任者路線の継承が必要なのか。岡ちゃんも自分の描くプレースタイルがオシム氏と相当違うと自覚していよう。そのことはファンならば誰だってわかる。なのに継承をにおわせた。すでに「お上」に言わされている感があり不安である。

それにしても何で岡ちゃんしか選択肢がなかったのか。チェルシーを解任されたモウリーニョへ電話の1本でもかけたのか。組織上は監督決定に直接かかわらないはずの川淵会長がオシム氏の病気は病気として悲しみ、生還を願ったのは本心であろう。ただし待ってましたとばかりに岡ちゃんが出てきたのは以前よりの念願としか思えない。
川淵会長と岡田監督は大阪出身→早稲田大学卒業→古河電工と歩みが同じである。日本サッカー協会で4人いる副会長のうち2人が早稲田で1人が古河電工出身。田嶋幸三専務理事も古河出身。川淵体制とはほぼイコール「早稲田・古河」なのだ。
ということは。今のサッカー界に大学サッカーのプレゼンスはほとんどなく、古河などアマチュアチームはプロ化されているので日本のサッカーは「トップだけアマチュア」なのである。
なかでも早稲田の結びつきは注目したい。私事だが新聞社に入社した時の支局の面々は次の通りであった

支局長 東大
デスク 早稲田
県政キャップ 早稲田
県警キャップ 横浜国立
3年生 早稲田
2年生 早稲田 東大
1年生 青学(私) 上智

まさに早稲田に取り囲まれた状況で、ここで初めて早稲田が他を圧する愛校心を持っていると知った。大学名兼所在地名を7回連呼する校歌を機会あるごとに歌う。早稲田出身の記者の結婚式で最後にそれを肩組んで歌われるさまをぼう然として見た。カラオケでも熱唱するらしい。「これは校歌でなく国歌である」と言い放つ関係者もいるという。この状況は出版に転じても変わらない。とにかく早稲田が死ぬほどいるのだ。
もちろんだから一気にどうこうではない。数が多いから当然の帰結であろうが、社会に出てから親しくなったり助けてもらったりした人に早稲田出身者はいっぱいいる。愛校心を振り回さない人も確かにある。でも大いに振り回す人がいるのも事実だ。「君は何で早稲田を出ていないんだ」とまで言われた経験も。何でと問われても困る。
早稲田と早稲田が集まって紡ぎ出す雰囲気は少なくとも青学出身の私には理解できない。付き合いが長いので雰囲気そのものはわかるようになった。でも理解は不能。早稲田出身同士はよく自校の悪口もいう。でもそうでない出身から聞いていると、実は愛校心の裏返しと響く。

本題に戻ろう。どうも川淵会長も岡田監督も愛校心・愛社精神側におられるようだ。そうでなければ間髪入れず「岡田監督」指名と受諾が納得できない。それが国内で止まる限りは構わない。早稲田大学が日本の一翼を担う教育機関であるのは異議ないから。でも外国人と戦う司令官の選定にまで及ぶというのはどうであろうか。少なくともオマーンの名将マチャラ監督には「そんなの関係ねえ」だ。(編集長)

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コメント

宮崎氏のこの事件を追いかけては、もう終わっちゃったの?

投稿: ゲバゲバ | 2008年1月10日 (木) 09時30分

危惧するところが表面化・・・

投稿: kkenji1 | 2010年6月 6日 (日) 11時50分

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