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2008年1月30日 (水)

ハッカビーの「スイート・ホーム・アラバマ」はすごいぞ

サウスカロライナで大統領になろうとする白人が「スイート・ホーム・アラバマ」を演奏する……などということが、いくら共和党候補でもあっていいのだろうか。

「サウスカロライナでは私が勝利するつもりだ。私は南部の知事としてうまく州を治めた経験がある」。州西部のクレムソン大学の体育館でハッカビー氏が訴えると会場を埋め尽くした学生らから大きな拍手がわいた。演説前には、得意のベースを抱えサザン・ロックの名曲「スイート・ホーム・アラバマ」を演奏し、ムードを盛り上げた」(毎日新聞電子版 08年1月18日 10時50分)

驚くではないですか。本当に演奏してしまったのだ。

レーナード・スキナードの「スイート・ホーム・アラバマ」を純粋に楽曲として聞けば名曲なのは間違いない。でもそれが政治家が奏でるとなるとメッセージの意味合いが変質してくる。

まずあの歌詞。著作権の絡みがあるので紹介できないのが残念である。確かにあれならハッカビー候補が頼みとしているエヴァンゲリオンには好感されるだろうし票にもつながるでしょう。
……なんて下手なだじゃれでした。さすがのアメリカでもエヴァンゲリオンは1票も持っていない。エヴァンジェリカルです。何をしても黒人票は民主党のオバマ候補へ最終的に流れる。だったらいっそというわけで戦略上わからなくない。歌詞だけならばね。

問題はレーナード・スキナードのスタイルにもある。ステージの背景いっぱいに張り出す巨大な南軍旗。これもまたポップカルチャーの範囲内では一種のギミックとして楽しめる。でも政治家が、しかもアメリカ大統領になろうとする者がレーナード・スキナードといえば誰でも連想する南軍旗のイメージ(スイート・ホーム・アラバマとは不可分といっていい)を票ほしさに利用するのは一線を越えている気がする。

そして「南軍旗といえばサウスカロライナ」のサウスカロライナでよりにもよって「ムードを盛り上げた」となるとビックリを通り越して「すごい」の領域にさえ思えてくる。州の議事堂にひらひらと翻っていた南軍旗に抗議する大規模デモが起きて屋上から取り去ったのは2000年のこと。つい最近だ。
確かに「南軍旗=奴隷解放反対=南部の保守的白人」という連想はステレオタイプだ。「あんた(日本人)もオレたち(南部白人)もヤンキーと戦った同士だぜ」などというユーモアの範囲で収まっていればいい。でも再三にわたって恐縮だが、そのステレオタイプをむしろかき立てる方向を大統領候補が取るとなるとやっぱり話は違うと思うのだけれどいかがなのか。

どうせオレは泡沫。だからやりたいようにやっても構うまいという開き直りがハッカビー候補にあるのかもしれない。でも敗北したとはいえ勝利したマケイン候補と小差の2位となるとハッカビー候補自身が影響力の大きさを認識してくるのではないか。というかしなければならない時期が来ている。
ニューヨーク・タイムズは民主党でヒラリー・クリントン候補、共和党はマケイン候補の支持を明らかにした。ヒラリー支持はお約束としてもマケイン支持の方は意外。マケイン候補もたぶん驚いていよう。いきなりリベラルに支持するといわれても、これではかえってほめ殺しだとね。ジュリアーニだろう普通と当のマケイン候補さえ、多分ジュリアーニ候補自身も信じていたろうから。

優勝候補といわれながら低い高さで試技をパスし続けている間に泡沫がビックリするような跳躍を続けている棒高跳び競技のような展開。優勝候補たる私が飛ぶ高さはスーパーチューズディからと高みの見物を決め込んでいたジュリアーニ候補。そしてそうでもあろうと自覚していただろうハッカビー候補は横綱が出てくるまでせいぜい暴れてやろうぐらいのつもりだった。ところがそれゆえの妙なテンションのジャンプ姿が意外と観客に受け始める。ただし棒高跳びならば優勝候補が自力で他が飛べない高さをクリアすればいいが、選挙は候補者の実力だけでなく観客(有権者)の声援も記録に加味されてくる。
となると「すごいぞハッカビー」を演出したのはジュリアーニ候補の両手ぶらり戦法失敗のなせる技か。ニューヨーク・タイムズだって性質から考えればジュリアーニ支持で行きたかったに決まっているけど緒戦の逃げを回復できないと判断し、万が一にもハッカビー共和党候補になって変なブームが巻き起こったら大変だと不安になってのマケイン支持なのかも。ほめ殺しするならばいっそハッカビー支持が最適だが、リベラルな高級紙にはさすがにできない選択だ。

大統領予備選は民主党の「女性か黒人か」で当初から盛り上がり、共和党はジュリアーニ候補以外ドングリの背比べで「いかにジュリアーニがリベラル色を消すか」が最大の争点と事前ではつまらない選挙とみられていたけど「過激な牧師か穏健な軍人か」というなかなかユニークな構図が生じてきた。やけくそでも何でもいいから敗色濃厚ならばムチャクチャやってみるものだと「すごいぞハッカビー」は教える。面白くもおかしくもない日本の民主党も見習ったらどうでしょう。ジュリアーニを、じゃないですよ。ハッカビーを、です。念のため(編集長)

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コメント

ブログ内容とは関係ないけど、レイナード・スキナード大好きでした。レコード持っているのにCD買ったくらいですから。南部臭さのギタープレイたまらないよな~

投稿: | 2008年1月31日 (木) 20時06分

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