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2007年12月24日 (月)

エガちゃんと福田首相が同列に!?

 私はインターネットエクスプローラーの「ホーム」を「IGoole」にしている。そのためネットを立ち上げるとまずグーグルの検索用の窓が現れ、その下に最新ニュースやYou Tubeで話題のビデオ一覧やB級のニュース一覧が並ぶ。もちろん、その一覧から気に入ったものをクリックすれば、即座に記事や動画に飛べる。

 ちなみに現在ホームに並んでいる項目は、「薬害肝炎、一律救済へ 首相が方針を転換」、「【12月21日の必読記事】田原総一朗:薬害肝炎、年金問題を放棄 国民から見放された福田内閣」、「タイ下院選、タクシン派が勝利・国軍も容認」、「『M-1グランプリ2007』 サンドウィッチマンが敗者復活組から初優勝」、「江頭2:50『チ○コ、マ○コ、○○コ!』『お前にチ○コをズームイン!』 女性リポーターを襲う」、「猫丼の作り方」などである。

 つまり私のネットの入り口は、薬害肝炎に対する首相の決断も猫丼も江頭2:50の暴走も、同列で扱われている。本来なら同じカテゴリーに入れられるはずもない福田首相の決断と江頭2:50の暴走が、時間を浪費する「娯楽」情報として同一線上に並んでいるのだ。

 かつてホリエモンが「ニュースバリューはアクセス数で判断されすべきで、編集者の恣意的な選択などいらない」というような発言をした。当時は少なからず反感を抱いたものだが、現在の私も同じようなことをしているわけだ。少なくとも雑多な情報を同一線上に並べて選択するという思考法という意味では。
 ものスゴイ勢いで現れ、一瞬で消えていく大量の情報を追うとき、この思考法は都合がよい。何より面倒くさくない。

 以前批判したレストランの『ミシュランガイド東京』も膨大にあるレストランを一列に並べ、シチュエーションやTPOに関係なく、一気に評価する手法が一緒だ。おかげでデートに使うべき店と、接待で使うべき店の差が星付きの店では消滅した。「星付きなんですよ」と言えば、クライアントも恋人も満足するからである。

 このように書くと、「ランキングもの」に代表されるこうした思考法が、取り立てて目新しいものではない感じるかもしれない。しかし、それは半分当たりで、半分は外れている。
 例えば大手取次が発表する年間ベストセラーなどは、新聞検索で1985年には検索に引っかかるのに、恒例行事として新聞で大きく報道されるようになるのは92年以降である。

 また深夜の音楽番組としてしっかりと定着した感のあるTBSの「COUNT DOWN TV」も、93年から始まっている。この番組の最大の特徴は、歌を聞く番組ではないこと。音楽はサビの部分しか流れず、50位からどんどんカウントダウンしていく。もちろん音楽ジャンルの差など構わない。演歌もアニメの主題歌もJポップも一律に並べられる。歌手を見、歌を聴く番組だったTBSの「ザ・ベストテン」と比べると、その違いがハッキリする。89年に番組終了した「ザ・ベストテン」からわずか3年、ランキングは歌を聞く以上のエンターテインメントになったわけだ。

 ちなみに売り上げランキングなどを基に、上位の商品だけを取り扱う雑貨店「ランキンランキン(ranKing ranQueen)」も、91年に1号店が渋谷駅にオープン。この店の出現によって、書籍からお菓子、CDまでのあらゆるものが、売り上げという名の下に等価値を持つようになったといえる。

 つまり90年代に入り商品そのもの以上にランキングが重要となり、そうした価値観を95年以降に普及していったインターネットが一気に広めたのである。その結果、いまやニュースサイトよりブログの方がPV(ページビュー)を稼ぐようになったとも報じられた。
 正しい情報かどうかよりも、多くの人に支持された情報であるかどうかが重要になっているのかもしれない。しかもランキングの決定における不公平さは、あまり問題とされない。こうした流れが大きく変わることはもうないだろう。

 小社のような弱小出版社は地味だが重要(だと思える)情報を、どう加工していくのかを考えなくちゃいけないのだろう。(大畑)

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