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2007年12月20日 (木)

本当に安全な農作物にJAS表示がない!?

 現在、「有機栽培」や「無農薬栽培」と表示をするには、国が定めた検査に合格しなければならない。2001年4月のJAS法が改正によって定められたものだ。
 「有機」や「無農薬」といっても基準がバラバラ、本当にマジメに取り組んでいる農家かさえ分からない。安全に対する国民の意識が高まっているから、今まで通りの農法で表示さえ変えれば高く売れると考えている農家もあるだろう。そんな消費者の不安に応えた法改正のはずだった。

 ところが一部の良心的な有機栽培の農家が、JAS法に基づく有機無農薬の検査・認証を申請していないという。その理由の1つが検査員の旅費や手数料だ。もともと有機無農薬の農法は従来のものより手間もコストもかかる。しかも農薬や化学肥料を使わないとなれば、当然のことながら生産が不安定になる。ときに虫が大量発生し、農作物に壊滅的な打撃を与えることさえあるという。そうした有機無農薬の農家にとって、10万円以上にもなる検査費用は安くはない。
 
 またJAS改正法成立そのものについても、不信感を持っている人は少なくないという。この法律の推進に大手商社の影がちらついたため、海外から格安の「有機無農薬野菜」を輸入するのが目的だと疑われているのだ。実際、法律改正後から中国の有機農産物が大量に輸入されている。

 もともと有機無農薬を目指した農家の多くは、従来の農法に疑問を感じた人たちだった。安全を確保するのはもちろんのこと、その土地で採れた野菜をその土地で消費することで、人も生態系の大きな循環の中に生きていくことができる。そうした理想に向けて、ムリを承知で頑張ってきた人たちが大勢いる。そうした人たちにとって、野菜を大量に輸入するために作られたマークなど意味がないと感じるのは当然だろう。

 そのうえJAS改正法の定めた基準をごまかすことなど、さして難しくないのだという。実際、農薬を使った農作物から殺虫剤が検出されたとして、有機JASマーク表示業者としての認定を取り消す事件も起こっている。
 頻発する国内の食品偽装、さらに中国などで起こった食品汚染などの現状を考えれば、有機JASマークだけを信じろと言われても無理な話だ。
 
 結局、味もよく安全で、長年にわたってお客さんの信頼を築いてきた農家はJAS表示を申請しないで、大手流通に商品を流すことなく消費者に直接農作物を送っている。もちろんマジメに有機無農薬に取り組み、JAS表示を受けた人も多いだろう。
 しかし商品に自信があり、長年の顧客を抱える農家がJAS表示を申請せず、法改正に合わせて出荷できるよう商社の指導の基で3年間だけ農薬を使わなかった海外の農家がJAS表示を得た。

 どこかおかしくないだろうか!?

 今回話を聞いた、ある有機無農薬栽培の農家は「20年間、農薬を使わないで土地の微生物を整えて、やっと本当に美味しい野菜が採れるんです。一朝一夕にはできませんよ」と教えてくれた。
 彼の野菜はJAS表示をしていないが、その安全性と旨さに着目した料理人からも注目され、個人宅だけではなく高級料理店からも引き合いがきている。(大畑)

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