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2007年9月21日 (金)

安倍はヒトラーに似ている!?

 安倍首相辞任に関する新聞や週刊誌などの記事を、いろいろと読んでみた。本当のところ彼が何者だったのか知りたかったからだ。
 一般的な評価は「意気地なしの坊ちゃん」といったところだが、いや、けっこういろんな見方があった。

『週刊朝日』(9月28日号)で田原総一朗氏は「世にもまれな不運な首相だったととらえている」と書いている。年金も大臣のカネの問題も昔からあったものだが、いきなり彼の首相時代で爆発した。そこにマスコミが噛みつき支持率が落ち込んでいった。そのネガティブキャンペーンで生まれた「誤解」を解くために、参院選大敗後も居座ったと書く。
 猪瀬直樹氏はネットの連載で「安倍首相の辞任には、官僚機構が一枚噛んでいる」と書く。特に辞任した遠藤武彦農林水産相の疑惑について官僚は知っていたのに官邸に情報を上げなかった。つまり「遠藤農水相は安倍政権を崩壊させるトロイの木馬だった」のだと。

 なるほど。

 たしかにマスコミが安倍首相降ろしを狙ったことは間違いないだろう。05年にNHKの番組改正問題で激しく安倍首相とやりあい、自民党の取材拒否にまで問題が大きくなった朝日新聞がキャンペーンの先頭を走っていたことも間違いない。こうしたバックグラウンドで、官僚から爆弾が投げ込まれれば一気に炎上してしまう。
 ただ、これらは破綻した政権運営の原因の1つでしかない。それは、安倍首相自身に官僚やマスコミから後押しされなかった理由があると思うからだ。一言で言えば「気弱さ」である。
 チキンだから攻撃にも過剰に反応してしまう。一国の首相がチキンだと思われたくないため、できもしない政策を掲げ勇ましく拳を振り上げてしまう。

 昨年10月、講談社の代表取締役の自宅に安倍首相は「通告書」と書かれた手紙を送っている。ようは『危険な総理の"媚朝外交"』と題した特集が気に入らないから書くのを止めろ。ついでに取材も受けたくないから答えないぞ。そんな内容である。一国の首相が週刊誌報道に目くじらを立てて怒り、恫喝までするか、普通?
 知り合いのライターは首相の疑惑追及を進めているなかで公安に見張られたとも漏らした。しかも公安が露骨に尾行をアピールして脅してくると。政治絡みの取材でも、そんな経験は初めてらしくたいそう不気味がっていた。
 首相はとにかく攻撃に弱い。「はははは~、また書いてるな」と笑うことも、記者を丸め込んで味方に引き込むこともできなかった。その一方で自著の『美しい国へ』では「自分の命は大切なものである。しかし、ときにはそれをなげうっても守るべき価値が存在するのだ」と書いてしまう。少なくとも「首相」の座は命を「なげうっても守るべき」ものではなかったらしい。

 しかも彼は「はかりごと」が不得意だった。『週刊現代』(9月28日号)に上杉隆氏は次のように書いている。
「安倍晋三は、驚くべき純粋さでもって、権力闘争の舞台に立っていた。内閣総理大臣という職務についてもなお、彼は友人を大事にする好人物であり続けた。おそらく歴代の官邸の主で、彼以上に純粋な首相はいないだろう」

 気が弱く、純粋なのに、攻撃的。こんな人物が一国のトップに向くわけがない。同じような性格の政治家として、頭をかすめたのはヒトラーだ。気弱で礼儀正しく、他民族から攻撃されることにも怯えていたといわれる人物。
 大きな違いはヒトラーには人を魅了する演説の能力があり、安倍首相には容姿や年齢以外に人を魅了する力がなかったことだ。その意味で、政治家の素養がまったくなかったがゆえに、日本が国として負ったダメージは少なかったわけである。

 首相辞任の報が流れたときに、彼の実績をたたえたのは安倍首相の宿敵であるはずの中国だった。「中日関係の改善と発展のため、安倍首相は積極的かつ建設的な役割を果たした」との高評価は、ボロクソに言われ続けている首相にとって唯一の慰めとなっていることだろう。
 ついでに辞任したことで、彼が非常に嫌っていた福田康夫氏に首相のお鉢が回ったことも皮肉ではある。

 首相に向いてなくても陶芸などの才があれば、それなりに楽しく暮らせることを細川さんが身をもって示しているが、さて、どうなることだろう。せっかく自分で立ち上げた企画なのだから、政治家以外に「再チャレンジ」してもらいたい。まさかヒッキーのまま政治家を続ける気じゃないよな……(大畑)

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コメント

ヒトラーねぇ・・・。
単にナイーブで総理としての素質がなかった・・・で止めりゃいいのに。
無理にヒトラーになぞらえなくても。どこぞの安倍嫌いの新聞じゃあるまいし。

投稿:   | 2007年9月27日 (木) 00時47分

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