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2007年9月 3日 (月)

ベトナム・ホーチミンを歩く(下)/証券会社の中で見たもの

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 ベトナムの証券会社に口座を作るためにしばらく彷徨い、ようやく見つけた。
 その証券会社の1階のガレージのようなところに座っていたくたびれた制服を着たおじさんが言う。「○○証券はここだ、この上にある」。たしかにその会社のロゴのプレートが壁に貼り付けてある。9階にあるらしい。業界上位の会社が独立した社屋を持たずにひとつのフロアだけで業務を進めているということになるのか? どうやらそうらしかった。
 2基あるエレベーターのうちひとつは故障していた。9階までゆっくり上昇していくエレベーターの中では焼きそばとオレンジジュースの出前を届けに来た少年と一緒である。焼きそばのいいにおいが狭いエレベーターの中に充満した。
 9階で降り、ドアを開けるとそこが証券会社であることが一目で分かった。入って左の壁に設置された証券ボードに、人だかりの目線が張り付いていた。たくさんのイスが用意されていたが、それがほとんど埋まっている。刻々変わっていくボードの数字を、固唾を呑んで見守る、というよりはワクワクしつつ緊張しながら見つめている、という感じである。これと似たような光景をどこかで見たことあったよなぁ、どこだっけな、と思い出してみると、それが後楽園ホール近くの場外馬券売り場「WINS」に群がるおじさんたちの表情だったことに気づく。
 ここホーチミンの証券ボードの前でも、あるときはおじさん2人が肩を抱いてはっはっはと笑い、その辺の屋台を切り盛りしていそうなおばさんが「もう、どうなってるの!」的な面持ちになっていたりする。ボードの前はけっこうな熱気である。引けの時間帯に近づいていたからか帰り始める者もいたが、ピーク時にはさらに温度が高かったことが推察される。ましてやさらに上位の会社のボードの前ではもっとすごいことになっていたことだろう。ベトナム人の株熱はとりあえずウソではないと言えるのではないか。

「日本人はこっちだよ」と社員らしき人に声をかけられる。その会社には日本人専門と思われる受付窓口があった。ベトナムにおける外国人投資家の割合は、現在圧倒的に日本人が多い。株関連のサイトに行けば、ベトナム株口座開設ツアーなるものが組まれているのを簡単に見つけることができるだろう。

 すでに日本人の先客がいた。この面々がまた面白い。
1組目。私、お父さんについて来てもらってベトナム株の口座作るの、といった感じのハタチくらいの女の子とその父親、どちらもツーリストの服装ながら身なりがよくてちょっと恐縮して説明など聞いている。「ちょっと背伸びしてベトナム株」系。
2組目。株はよく分からんけどな、最近キテるっていうやんか、だからインフラ株長期保有、鉄則っていうやろ、それでイコと思てな、という感じの日に焼けたガタイのいい40代くらいの男2人、「あわよくばフヘヘヘ」系。
3組目。シニアツーリスト、といった感じの白髪の男女2人づつ。夫婦2組か。「わたしはね、ネットでやり取りはたまにしてるんですよ、ちょっと前も○○の株を……」みたいなあけっぴろげな会話をしている。
 お金はそれなりに持っていそうな感じではある。手続きのメンドくささを知り、また明日来ようかな、などと言っている。「どうせなら美味しい資産運用」系。
 そんな先客がいた。

 たしかに手続きはメンドくさかった。
 必要なものはとりあえずパスポートと手数料200ドル程度でいい。ただ、ベトナムのルールとして売買のときには本人の署名が必要で、そのために「BUY」と「SELL」の用紙に40枚くらい延々とパスポート番号とサインを書きためなければならない(日本から注文し、それを担当者が使う、ということだ)。
 その後、日本領事館へ行って「署名証明」を手に入れる手続きをする。これを受け取ることができるまでに1日待つ。
 対応してくれた「日本語OK」のAさんは営業スマイルを浮かべるわけでもなく淡々と開設にあたっての説明を進める。完璧な日本語を話す、というわけではないがコミュニケーションのためには申し分ない程度の日本語だ。そして、どちらかというと「早く終わりたいなもぅ」的なオーラを発しているような気がした。
 それが待っててもどんどん新規顧客が入ってくる現状に対しての余裕なのか、社会主義的なノンスマイル・サービスとしての姿勢だったのかはよく分からない。とにかく口座開設ラッシュであるということも本当みたいで、どこでもそうなのかは分からないが、この会社では外国人取引コードが手に入るまで2ヵ月かかるというのが現状だった。だいじょうぶなのかその会社は、と思う読者もいるかもしれないが、その会社にも国の資本が降りており、日本の大手証券会社とも提携している。滅多なことは起こらないだろうと思っている。手にしたベトナム株の本では、著者が保有していた株を担当者に勝手に売られていた、という爆笑モノのエピソードなどが記されていたが、それも数年前の話である。そういった「カントリーリスク」までは自分の力ではカバーの仕様がないが、それもベトナムなのだ、ということになるのではないか。

 ベトナムについてもっといろいろなことを書こうと思っていたが、膨大な量になってしまいそうなので、このへんにしておく。機会があったら書くかもしれないです。(宮崎)

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