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2007年9月23日 (日)

ブログ内のアクセストップ10記事に関するコメント

http://gekkankiroku.cocolog-nifty.com/edit/2007/09/07_5d9b.html
 今回は、上の記事で紹介したこの4月から9月現在までの半年間でアクセスが多かった記事/ページのランキングにおけるトップ10記事についてのコメントを書いた。

■第10位 なぜか「ビバヒル」。その後、彼らはどうなった?

 言わずと知れた、実に10年も続いたアメリカのテレビドラマである。のっけからなんなんだが、この記事に関しては読者に対して申し訳ない気がしている。
 誰に対して申し訳ないかというと、他でもないビバヒル・ファンに対して申し訳ない。というのも、記事を読んでいただければ感じるだろうが、ビバヒルに対する愛情のようなものに欠けた文章になっている。何を隠そうわたしは別にビバヒルが好きでも何でもないのだ。
 これだけならば別に自責など感じる必要はない。問題はグーグルで「ビバヒル」と入れたとき、同記事が100000件のうちの3番目にきてしまうことにある。どういうワケでこんなに上位に入ってきてしまうのか分からないが、あえて言えば「ページのランク付けロボットでは愛情を感じ取ることができない」ということだろうか(おお、決まった!!)。もっとビバヒルに対して愛情を持った人のページが上位にくればいいのに。そういうワケで少し申し訳ない。(宮崎)

■第9位 練馬一家5人殺人事件の現場を歩く

『あの事件を追いかけて』シリーズでは最も上位にランクインした。理由はよくわからない。
 24年も前の事件だが、犯人に対する死刑が執行されたのはわずか6年前である。
 この類の取材をしていて気付くのは、印象の強い事件であれば、どれくらい時間が経ってもその地域に暮らす人々の頭には事件のことが残っている、という単純な事実。ただ、人の入れ替わりが激しい市街地になるとそうではなくなる。
『あの事件を追いかけて』を書き始めたときは思っていなかったが、最近では、どのようにして人々の記憶から事件は薄れていくのか、ということを考えるようになった。それは、土地が事件を忘れていくということでもある。(宮崎)

■第7位 指定暴力団の内訳
 
 この記事が上位に来たか、とちょっと驚いた。暴力団の内訳を知りたいと思う人が多いとは思えないが、検索などのでたどり着いているのだから調べている人が少なくないということだろう。
 やくざ映画が隆盛を極めた時期があることを指摘するまでもなく、けっこうやくざものは人気だ。フレンチコネクションやゴッドファーザーなども人気が高いから、世界中にワル好きがいるということだろう。(大畑)

■第6位 池内ひろ美氏の「期間工」差別を嗤う

 出版などで意見を発表できることで、特権意識が芽生えるのかもしれない。池内氏の問題のブログを読んで、そう思った。それは会社の大小ではないかもしれない。自分自身、ホームレスを取材したとき相手をバカにしなかったといえば、とても否定はできないからだ。
 ただ、彼らもこちらの気持ちを瞬時に見抜く。結果として取材を断れたり、ときには試すように拾ってきた食事を差し出されたりする。「まさか食えないとは言わないだろうな」という目つきで、こちらを見る。相手も真剣だったから絶対に断れなかった。でも、ヘタレだからいつも数時間後に腹を下していた。
 差別という話題を考えるとき、結局、僕は一度してホームレスの食事を消化できなかったという事実を思い出す。大きなことは言えない。自分だって差別している。ただ、それが恥ずべきことだとは感じている。(大畑)

■第5位 モリサワからの挑戦状

 6月頃、たしかに株式会社モリサワから書体見本がドンと送られてきた。見本を見ながら、「うーむ」「すごいな」「コレいいね」と楽しく品評会をさせていただいた記憶がある(モリサワさま、その節はお世話になりました)。
 フォントひとつで出版物の印象は恐ろしく変わる。できれば適フォント適所でカッコよく物作りをしたいが、あまり知られていないことだが質を伴ったフォントは高価である。
 編集者養成の学校でも書体についてはサワリ程度学習するようだが、それでもDTP全盛の時代において若い編集者の書体に対する嗅覚は明らかに鈍ってきている気配がする。考えるまでもないが、DTPでは書体を選ぶ際、インデザインなりクオークなりの画面でプルダウンからちゃちゃっと書体を選ぶだけでコトが済む。ひと昔前はわざわざ書体を指定するために書き込みをしていた。DTPではフォントの名前を覚える必要すらあまりない。わたしも若い。よってこの項にについてあまり多くを書くことができない。それでも、タイポグラフ的な開発の現場がどのようなものであるかは興味がある。もしよろしければ取材させてください!(宮崎)

■第4位 写研書体が使いたい!

 5位と話題が少しカブる。写研は写真植字機(写植)や電算写植の生みの親である会社だが、どうやら経営者の絶対的な支配力が揺るぎないなど謎に包まれた会社でもあるらしい。
 現在のDTPではフォントの大きさにP(ポイント)が使われることが多いが、もちろん従来の「級 (Q)」や「歯 (H)」もソフト上で使うこともできる。「級 (Q)」や「歯 (H)」といった組版における単位は何を隠そう写研の組版機が採用した単位であり、それが普及した過程がある。このことからもこの業界における写研の影響力が伺える。
 私のような若輩には分からない領域なのだが、長く出版に携わってきた編集者には、写研の方針でDTP上で現在扱うことのできない同社フォントの「復活」を待ち望む人がいる。そういう話はたまに聞く。そういう人たちはまさに「写研書体が使いたい!」状態なのだろうが、それならばと早速写研に取材を申し込んでしまうのがこの編集部である。その顛末は以下の記事に記されている。(宮崎)
http://gekkankiroku.cocolog-nifty.com/edit/2006/04/post_fd8b.html

■第3位 プロフィールページ

 この記事を書くのに、久しぶりにプロフィールページを読んでみた。まあ、状況は変わってませんな……。
 このプロフィールにも記したが、前職の内装デザインは本当に大変だった。どうも絵に対する能力が徹底的にかけているらしく家具の立体完成図とか描くと、なんだか平面ぽい仕上がりになってしまうのだ。
 先輩や同僚は皆くびをかしげた。デバイダー(直角・直線が引ける製図用の机ですね)を使って描いて、どうして平面の絵が仕上がるのか分からなかったらしい。で、僕にはどうやれば立体ぽくなるのか分からなかった。あまりにピント外れだったから怒られることもなかったが……。
 まあ、あまりにも合わない仕事を体験したおかげで、労働環境が気にならなくなり、この会社にいたりするわけですね、はい。(大畑)

■第2位 宇野正美氏の反論

 この記事は『記録』95年8月号に掲載した「日本ユダヤ教団理事長に聞いた」(http://gekkankiroku.cocolog-nifty.com/edit/2005/09/post_08df.html)への反論である。元々は特集「オウム問題の裏をよむ」の中の記事であり、オウム真理教が唱えたユダヤ人陰謀説について日本ユダヤ協会にインタビューしたら宇野氏の名前があがった。それじゃあと宇野氏に反論してもらったしだいだ。
 この特集の取材で記憶しているのは、じつはユダヤ教団理事長の話ではない。日本フリーメイスンの広報委員会委員長への取材だった。自宅までお伺いしてお話を聞いたが、「秘密結社」の幹部とは思えない柔和な方で、フリーメイスンが世界を支配しているという話には、ホトホト困った様子だった。
 儀式などは完全に秘密にされていると言われるが、一部の儀式は公開されていると知った。芝にある協会本部も美しいので、儀式を見学に行くのもお勧めである。ただし、まだ公開されていればだが。(大畑)

■第1位 和合秀典氏の逮捕とフリーウェイクラブの正当性および「大丈夫」

 和合さんには月刊『記録』8月号の特集「“参議院・異色候補吠える”」でも取材させていただいた。自身含めフリーウェイクラブの面々がいきなり逮捕され、選挙でも苦戦中だったのにもかかわらず驚くほど元気だった。「国が逮捕してまで運動を潰そうとするなら、大人のケンカをせざるを得ないでしょ」と言い、豪快に笑った姿が印象的だった。
 首都高の料金がいきなり値上げされたことに怒り、20年近くを戦い続けてきた人である。それで有名になりたいとか、金儲けをしたいとかでもない。もちろん暇だから噛みついたというような人でもない。それどころか会社の社長として、走り回っていた。ようは納得できないできなかったから立ち上がっただけなのである。
 主張もこじつけや屁理屈ではない。民間の会社がこれだけ苦労して製品単価を下げているのだから、いきなり高速料金を20%も値上げするな。無料にすると約束したなら無料にしろ。ひどく当たり前のことだ。だから当人としても、ここまで長い闘いになると思っていなかったらしい。
「みんなが500円通行を始めたら、すぐに高速料金なんか変わるよ。だって当たり前のことだろ」
 もう10年以上前になるが、和合さんはそう言ってニコニコと笑ったのだから。
 頭は切れて、押し出しも強いが、にこやかで気持ちの良い人である。細かなことを気にするタイプでもない。むしろ、「まあ、いいじゃないか。気にすんな」と豪快に笑い飛ばす人だ。だからこそ運動に人が集まってきたのだから。
 そんな和合をここまで怒らせ続けているのだから、旧道路公団の面々もある意味スゴイ。日本を支配する官僚制度の嫌らしさと怖さを、和合さんの運動を通して知った気がする。(大畑)

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