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2007年8月23日 (木)

新人理学療法士、走る! 第1回/PTの仕事と自己紹介

■今回から月に2回のペースで現役の理学療法士さんにご登場いただく。早い話が私の友人だ。

 この国の人口ピラミッドを見れば一目瞭然だが、医療・福祉は政策や生活をはじめ様々な面で重要な議題になってゆくだろう。医療制度や介護保険については情報があるけれど、医療・福祉の仕事の担い手とその仕事についてはまだあまり知られていないような気がする。当ブログでもこのジャンルはほとんど話題にしていない。知らないことは書けない。
 報道や、仕事の内容を説明するウェブサイトでは内容がどうしても構造論に陥ってしまいがちだ。人口ピラミッド云々言ってる時点で既に構造論である。
 特定の業界の仕事を構造論で捉える「鳥の目」は重要だが、ふだん実際に患者に接する者の「虫の目」には現場感、温度感の面で到底かなわない。
 また、実際に医療の仕事にあたっている者から見た業界の構造は、報道で語られているそれとは違う視点を持つかもしれない。(宮崎)

     *    *    *

 大学時代の友人である宮崎氏から、唐突に「文章を書きませんか?」と誘いを受けた。 まあ、電話とは概して唐突なものだが、彼の唐突さには今回に限らず度々驚かされてきたものだ。前回貰った数年ぶりの電話にしても、

宮崎氏「今、爆発してますか?」
私  「……? はい。たぶん」
宮崎氏「どうやったら爆発できるんでしょうか?」
私  「……? さあ。爆発ってなに?」
宮崎氏「ガー!!! ウォー!!! って感じですよ。まあ、いいです。」

 終了、という私にとっては懐かしい、不可思議感にあふれた内容であった。今考えてみれば、今回の誘いを誰に持ちかけるかについて模索中だったのだろう。
 文章を書くことに苦痛を感じるわけではないが、こと理学療法士についてとなれば話は別だ。やっと業界の入口に立てたところである私に、果たして語れることがあるのか!? しかし、業務に追われる日々のなか、頭の中を整理する機会には飢えている。そこへ「全く理学療法士を知らない人に仕事を紹介する感じ」「日々思うところを書いてくれればいい」という甘い誘惑の言葉……。かくして28歳にして新社会人4ヶ月、なりたてホヤホヤの理学療法士である私が、『理学療法士とはなんぞや!? 』ということについて語るという、肝を冷やす状況に陥ったのである。

 語り手について多少情報をいれてくれということなので、簡単に自己紹介させてもらう。
 28歳女性、独身。めんどうくさがり。よく人に言われるのは『無駄に男前』『和服が似合う』。
 就職氷河期といわれた数年前に、ごく平凡な大学を出、やっとこ就職はしてみたものの長続きはせず、25歳で一念発起、専門学校へ。なんとか卒業、国家試験をパスして、現在、一般病院へ勤務している。前職や、専門学校の様子については追々書いていきたいと思う。

 さて、本題に入るが、まず理学療法士(Physical Therapist:以下PT)とは、一言でいえば『リハビリをする人』である。リハビリテーションを実施する職業には、PTの他に作業療法士(Occupational Therapist:以下OT)・言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist:以下ST)などがあり、いずれも国家資格である。

 STは「読む・書く・聞く」という言語を扱う能力と、嚥下能力に対するリハビリを実施するもので、イメージがつきやすいし説明も簡単だ。
 一方、PTとOTについては、いずれも「体の動き」に対してリハビリを実施するもので、違いをよく聞かれるのだが毎回少し困る。
 基本的な違いとしては、PTが「立ち上がる・歩く」などの基本的な動作能力に対するリハビリを主に受け持つのに対し、OTは「トイレに行く・入浴する・趣味活動・職業復帰」など応用的な動作や、生活の潤いを持つのに必要な能力を受け持つ。また、PTが主に運動や超音波、牽引などを行うのに対し、OTは手芸や工作などを通して治療を行う。
 つまり、PTはいわゆる“運動”的なことを、OTは“生活の中のこと”“楽しいこと”をする。そんなわけで、PTにはスポーツで怪我をして競技生活を断念した人が多く、OTには細かい作業の好きな人が多い。
 実際の現場においてはそれほど厳密なテリトリーが存在するわけでもなく、同じ患者さんを担当しながら、やや視点の違いがあるという程度ではないだろうか。
 病院によっても様々で、基本動作はPT、応用動作はOTが主体としている病院もあれば、足はPT、手はOTと分担を決めている病院もある。
 しかし結局それらはオーバーラップして、どちらに多く時間を割くかという程度だろうか。
傾向としては、PTが歩行のパターンを正常化させようと躍起になるのに対し、OTはいかに早く動作をひとりでできるようにさせるかということに力を入れているという気がする。

 私の職場は比較的、趣味的活動を多く取り入れている病院である。それでもOTがやってPTがやらないことと言えば、調理実習と農作業、ゲーム(最近、Wiiが導入された),回想法(昔を語り合い精神活動を活発化させる)くらいだろうか。逆に、排痰や呼吸方法の訓練についてはPTのみが行っている。

 先ほども書いたが、PTにはスポーツマンが多い。できるスポーツといえば小学生時代に習った水泳と、中学で部活をサボれると思って選んだ卓球くらいで、完全なるイン・ドア派の私が、何故PTを選んだかについては、また次回に書ければと思う。(染谷)

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