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2007年8月 4日 (土)

『吉原 泡の園』 第28回/「おあがりなさいませ」

 女の子と一緒に風呂に入った後は、最後のラウンドに入るも良し、疲れたのでマッサージをしてもらうもいいだろう。
 もちろん途中フロントに内線コールすれば、ドリンクは何度でも飲み放題なのだが、大体お客さんは、そんな大金を払っているにもかかわらず、相手がヤクザだと思っているのか遠慮しているのだ。大体2回くらいが平均で、3回ドリンクを頼む人はほとんどいない。
(いーんだよ、そんな大金払ってるんだから、全部飲むくらいの勢いでも)と言ってあげたいくらいなのである。
 90分という別世界、別次元のひとときを堪能したら、帰るのも寂しく、女の子はまるで自分のものとでもいうくらいの感覚に陥る。が、それこそが女の子の技であり、店としてはそれを望んでいる。
 大体、上がってくる客の顔はテカテカに赤く輝いている。満足した証である。
 上がる際、内線コールをフロントに入れる。
「あの、お客様がおあがりになりたいそうです」
 するとマネジャーが次に予約がないかなどを調べ、ないようならば、
「お疲れさん」
 といって僕達ボーイの出番になる。
「おい、関口、客あがるからおまえ受けろ」
 そう言われると、慌てて階段下にかけより、客の顔を見ないように下に頭を下げ、客の足が見えた頃、
「おあがりなさいませ」
 と僕が言うと、ほかのボーイが、それもたとえ外で客引きをしていようとも、もしもそれが聞こえたならば、皆して、
「おあがりなさいませ」
 とオウム返ししなければならばならないのだ。
 上がった客に、冷を出し、ついでに冷たいおしぼりもだす。帰りの客に出す冷は、麦茶と決まっている。
 ちなみに、待合室の客と接する際、ボーイは片ひざをつき、丁寧に対応しなければならないのだ。
「おあがりなさいませ」
 ひざをつきながら、そういって冷をだす。
「いかがでございましたか」
 などと聞くと
「ああ、よかったよ」
 といってくれる人もいるが、中にはボーイの口車に乗せられて騙された客などは
「おい、全然よくねえよ」
 と真剣に訴えてくる。それがまたおかしく、真に迫った表情で
「写真と全然ちがうよ」
 といったりされると、思わず吹き出しそうになり、それをこらえるのが辛かったりもする。すると、
「ねえ、自分だってさっきの子いいと思わないでしょう」
 などと駄目だしを言われると、ますますおかしくなり、体を振るわせながら接客したこともある。
 6万5千円も払わしておきながら、実にふざけた対応である。ただ、そうしてサービスを受けられただけでも、悪名店ではまだありがたいことなのである。
 マネジャーはいつも
「客は懸命に働いて、6万5千円を握り締めて来るんや、それを考えなぁあかんでぇ」
 といっているのだが、いちばん客を騙しているのもまた、そのマネジャーなのだ。
 ざっとだが、サービスの流れとしは、このような流れになっている。遠い地方から遊びにくるならば、それだけでカモにされるので、優良店を見つけて遊んでいただきたい。
 さて、何故このように事こまかくサービスの説明をしたのか、それは第一にソープランドを知らない人、チェリーボーイ(童貞君)が、ソープランドに行きたいけど、怖くて、と思っている人などに、インターネットや雑誌では知れない本当の情報をお知らせしたかったこともあるが、こうした一連のサービスが、ボーイにとっては時と場合によっては、苦痛以外のなにものでもないということもあるのだ。ということをリアルにしたかったためでもある。
 ちなみに、チェリー君は、きちんと本当の事をソープの女の子に伝えれば、きっときちんと色々、あんなことも、そんなことも、ええーそうなの、ということまで、きっと丁寧に教えてくれると思う。
 下手に格好つけて、馴れてますから、みたいな態度をとると、逆に何のサービスもない、みたいな事態に陥ることがある。だから、変に格好つけるのはいらない。それをまず踏まえて行ってみてはどうだろうか。6万5千円というのは、あくまでも高級店であり、もちろんそれ以上高い店もあるが、大衆店と言って、下は総額2、3万くらいの店などもある。
 女性を知らないと、確かに世の中いろいろなことが怖いし、そんなこときにせんでもいいんだよ、というようなことまで何か気にしてしまうものだ。それが男だと思う。現に、僕も素人女性に対して、あまり積極的ではない。いろいろ考えてしまうのだ。だから、こうもいえるのではないだろうか。
 まじめで、誠実なやつは、ソープに行かなければ駄目だ。別に僕がまじめだとかそういうのではなく、ボーイとして様々な客を見てみて、改めてそう思うのである。(イッセイ遊児)

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