朝霞市の米軍基地「キャンプ・ドレイク」跡が公務員宿舎になる(下)
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はじめ国の公務員宿舎移設案では米軍跡地のうち15ヘクタールを用地にあてるという話もあった。しかし朝霞市の反発もあり、現時点では約3ヘクタールを使うことになっている。
今回の計画以前の国の方針としては跡地を民間に売り渡すという案もあったが、結果的には公務員宿舎に落ち着いたということになる。
住民の反応はどうか。かつて基地として使われていた土地で、米軍撤退後には公園として使われることになった青葉台公園でベビーカーを押した主婦2人連れに聞いた。1人は宿舎の計画を知っており、1人は知らなかった。
「あ、それ知ってますよ。なんか、公務員の宿舎ができるっていう。まあそんなに関心があるっていうわけじゃないけど、どうせ使うんならこの辺の住民が使えるようなものにしてほしいっていうのはあるかな」
「せっかく緑があるんだからもったいないっていうのはありますよ。できるならば残してほしい」
美しい緑、というよりは鬱蒼と生い茂っていて中にあるものが見えないアヤしい雰囲気なのだが、それでも住民にとってはそれも慣れきっていて当たり前のものであるという。
公園にほど近い商店の主人。
「今は国の土地だからね。僕らがどうこう言ってもしょうがない。ただ、できるのは公務員宿舎でしょ。建設が予定されているのは駅からかなり近い場所で立地がものすごくいい。そして新しい建物。公務員宿舎だから僕には入ることができないものであるわけ。だから、地元の人にしてみれば、あんないい場所にっていうやっかみみたいなのはあるかも知れないよね」
なるほど、地元民ならではの意見である。さらに主人は続けた。
「グーグルアースで首都圏や朝霞の辺りを見れば分かると思いますけど、こんなに緑が残されている場所っていうのは東京近郊ではそんなに多くないんですよ。環境がどうこう言うわけじゃないけど、せっかく残っているんだから、これを切り崩すのはもったいないと思うよね」 改めてキャンプ・ドレイク跡のまわりを歩く。やはり広大な敷地で1周するのに30分近くはかかる。跡地に隣接する朝霞第一中学校の学生が部活のランニングで「ファイトー、ファイトー」と周りを延々と走り回っている。どうやら生徒たちは跡地の周りを走るのが日課になっているようだ。
青葉台公園のテニスコート近くに来たとき、鉄柵の中に何か錆び付いたような金属の建物の一部と思われるもの(本日の1枚目の写真)が見えた。あれは何だったのだろう。このまま公務員宿舎の計画が進めば、あの謎の建物も消えていくことになる。25階と26階立ての高層官舎が朝霞に出現するのは遠くない。(宮崎)
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コメント
まさか1年以上の記事にコメントするとは思いもしませんでした。
初めてコメントさせていただきます。
私が現役高校生だった18年前、学園祭の研究発表で敷地内に入りました。
前年には、現朝霞1中の敷地でTHE ALFEEのコンサートがあったこともあり
すでに廃墟ではありましたが、まぁまぁ整備されていました。
当時、ブログなんてしゃれたものがあれば記録もあるのでしょうが、
今、生徒会室に資料が残っているかどうか・・・?
駐留当時の様子は
「この世の外へ クラブ進駐軍」(松竹DVD)
の中で映像化されていたり
「帝都大戦」の中では指令本部として使われたりしていました。
今は、関西で暮らしているので
非常に懐かしかったです。ありがとうございます。
投稿: 西高OB | 2008年7月 4日 (金) 18時50分
コメントありがとうございます。
廃墟であるがゆえの神秘さといいますか、まあ単純な興味もあり、カメラを持って早朝に敷地内に入ろうかとも思いました。実行してませんが。
坂本監督の『この世の外へ クラブ進駐軍』は記事を書く前に観ました。楽しい作品でしたよね。
研究発表で中に入られたんですね。そのようなことがあるとは。
あと、敷地の草を刈る作業員の方はちょくちょく入られてるようです。
投稿: 宮崎 | 2008年7月 8日 (火) 22時15分