« スパム?「seesaa」と「さくらのブログ」について教えて下さい | トップページ | 『あの頃』発売記念・ケータイ小説麻雀 ブラフなんかに負けない »

2007年7月19日 (木)

小林高子さんの妹・りなさんから/「私の見てきたお姉」

■小林高子さんの『あの頃』発売が近づいている。今回は高子さんの妹であるりなさんに登場いただいて、失意から抜け出した姉について書いてもらった。妹さんも高子さんに似て明るい人柄、心底楽しそうに笑う。
冒頭から出てくる「のぶくん」は病気で亡くなった小林さんの恋人である。(編集部)

     *     *     *

 のぶくんがいなくなってからのおねぇは、脱け殻のように生きていました。
 のぶくんが病気に打ち勝つことを信じてできる限りのすべてをかけた後、大切なものが失われてしまったショックの大きさは言葉では言い表せないものでしょう。
 なにをしても誰といても満たされないその思いをかかえながら、ただ亡くなった人の分まで生きなければいけないという思いと、心配してくれる周りの人がいることだけで生かされるように、生きてるように見えました。
 のぶくんが亡くなってからはその苦しみを、一番心を許せる私によくあたる日々が一時ありました。
 ある日おねえは私に怒鳴った後に少し無言になり「りな……ゴメンネ……」といきなり一言言って涙を流しました。
「いんだよ、おねえ。あたしでよかったらいくらでもあたって」と、おねぇの苦しみも悲しみも分かってははあげられない私は精一杯の思いでそう言いました。
 大切な人を大切にできない自分を責めてるおねえを見て「あたられる人より、あたる人のほうがどれだけ辛いんだろう?」と思い、胸が痛みました。
 もがいて、あがき、10年以上がたって、本という形のおねえの魂を込められるものをやっと見つけてからは、まるで愛する人に接するのと同じように本気で向き合ってきたと思います。

 興味があった歌手を目指したり、モデル事務所にも入って芸能界を目指すこともありました。
 夢を見つけようともがくことが唯一普通に生きるための手段だったのでしょう。
 でも立ち直っていない中では本気になれるものなど見つからず、すべて中途半端でした。
 しかし本だけは、違いました。
 歌手も芸能界も確かに本気でかけた夢ではなかったけれど、何か自分が生きる意味をあきらめず探し続けた結果、本という本気になれるものに出会えたんだと思います。
 ビデオの予約録画すら覚える気がないほどの機械が苦手なおねえが、本だけのためにパソコンを覚えて打つ姿は、私の中では今でも信じられないくらいの違和感があります。
「何をやっても中途半端に見える人でも、これだと思う本気になるものに出会えたときは変われるんだ」ということを、私は目のあたりにしました。
 同情される、する事が嫌いだったおねえは、無理して笑い続けてきたときも多く、いつか本当に心底から笑いたいと思っていたんだと思います。
 相手にどう見られるかより、いつも本心でぶつかってきたのは、いつも「自分と同じように苦しんでる人はいる。自分だけじゃない。そういう人の力になって動きたい」と正直に思うからだと思います。

 普段は、ポーっとしてて、「人の話を聞いてるの?」と誤解されることが多々あるけれど、どんなときでも大事なポイントだけは聞き逃さないそのアンテナは、心で人をわかろうとしてるからでしょう。
 ありのままの感情で動くおねえを見て、私はいつも「それだと、周りに心配かけすぎじゃん?」と思っていたけれど、傷ついた人をのためになるにはいつも素直でいること、正直でいることが、人を本当に大切にすることだと信じていたんだと最近私は気付かされました。
 今、生き生きとしているおねえを見てると、今まで辛さも悲しみもあったけれど「本当に生きててよかった」と私を癒してくれます。
「人は一人だけで何ができるんだろう?」ということを、おねぇの今までの経験が無駄じゃなかったと証明するためにも、今挑戦しています。
 私が周りの人に誉められたり大切にしてもらえるのは、そんことをおねえがいっぱい教えてくれたからです。

 笑いたいときは笑う、泣きたいときは泣く、怒りたいときは怒る、そんなおねえだからこそ、この本で多くの人の力になれると私は信じています。(■了)

|

« スパム?「seesaa」と「さくらのブログ」について教えて下さい | トップページ | 『あの頃』発売記念・ケータイ小説麻雀 ブラフなんかに負けない »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

まずこの本を読ませていただき本当に感謝しています。

生きることの辛さ、喜び、そして感謝を考えさせられました。

「自分と同じように苦しんでる人はいる。自分だけじゃない。そういう人の力になって動きたい」
これはすごい事と同時にとても大変な事だと思いますが、ぜひ頑張っていただきたいです。
本当にいろんな人が読んでくれるといいですね。
ありがとう。

投稿: nobu | 2007年7月23日 (月) 01時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122338/15803392

この記事へのトラックバック一覧です: 小林高子さんの妹・りなさんから/「私の見てきたお姉」:

« スパム?「seesaa」と「さくらのブログ」について教えて下さい | トップページ | 『あの頃』発売記念・ケータイ小説麻雀 ブラフなんかに負けない »