やはりゲームの歴史は任天堂が変えるのか!?
ニンテンドーDSが売れている。それも並の売れ方ではない。7月19日付の毎日新聞まんたんウェブによると累計1800万台を売り上げているらしい。
ゲーム機というと一家に一台というイメージがあるが、ゲームボーイ発売以来、一人一台持つというのも珍しくなくなってきた。任天堂のゲームハードといえば1983年発売の8ビット機ファミリーコンピューター(通称ファミコン)や1990年発売の16ビット機のスーパーファミコンといったものを思い出す方が多いかもしれないが、他者の追随をものともせず任天堂の一人勝ち、さらにゲームボーイ(1989年発売)と黄金時代を築いた。
しかし、1994年にSCE(ソニー・コンピュータ・エンターテインメント)が出してきた次世代ハードのプレイステーションを発売(その少し前にセガからセガサターンも出ている)し大ヒット。その要因には、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのモンスターソフトと、3Dの特性を生かしたソフトの発売が功を奏したのは言うまでもない。
さて、その頃の任天堂はというと、バーチャルボーイという機械のついたゴーグルをはめてプレイをするという文字通りのハードを出す。売り上げは……。その後、ニンテンドー64やゲームキューブなどを出すが、プレイステーションシリーズの前には一世代を築いた老舗も歯が立たなかった。
バーチャルボーイのあたりから任天堂の栄光にかげりが見え始めてきたもののそれは据え置きタイプのハードの話だ。携帯型ゲーム機に関しては、徐々に進化を遂げ、弁当箱ぐらいの大きさの初代から、徐々に小型軽量化され、さらにはカラーに。携帯機とはいえ初代は大きいし、その割に画面が小さい。ゲームボーイポケットという名の通り小さく持ち運びも便利になった。だが、しょせんは8ビット。しょぼい。
しかし、2001年に発売されたゲームボーイアドバンスは、携帯ゲーム機なのにCPUが32ビット(プレイステーションと同じ)。さらに従来のゲームボーイソフトとの互換性もあり、通信ケーブルを使えば最大4人まで対戦することもできるというものすごい進化を遂げた。しかし、ライトが内蔵されていないという欠点があった(上からランプを照らせるすごつい装置を買った記憶がある)。アドバンス用のソフトも据え置きとは違い充実していたため一人勝ち。
そしてその2年後、ゲームボーイアドバンスSPというさらにコンパクトになったものが発売された。折りたたみ式で、ライトも内蔵。従来の携帯ゲーム機を一言でいうとコントローラーを少し大きくして画面をつけたデザイン、というのが私の印象だが、SPは折りたたむと長方形の小さな箱になる。いまでも覚えているが、このSPもDSlite同様、なかなか買えない状況が続いた。ゲーム機が売っていなくて買えなかったという経験はこれが初めてだった。
そして、その翌年2004年ニンテンドーDS(初代)が発売される。まだこの時点では持っている人の方が少なかった。しかし、ダブルスクリーンでタッチペンを使って遊ぶというのは画期的で、CMキャラクターに宇多田ヒカルが採用されていた。その頃はお金がなかったので買えなかったが、ゲームの体験コーナーへ行くと子どもたちが必死になって遊んでいた。ソフトもまだ充実していないことと、この頃はまだゲーム機は一部のゲーム好きな大人と大半の子どもたちが売り上げに貢献していたため、印象としてはあまり売れていない感じ。初代は結構ごつくて、なんとなくセガサターンを思い出させるデザインだった。
タッチペンで遊ぶというのは画期的だったが、同じ頃に発売されたPSP(プレイステーションポータブル)のほうが注目されていたような……気がしただけ?
2005年になり任天堂はなんと、DSのリニューアル機ではなく、ゲームボーイミクロという手のひらに収まるくらいの大きさのゲーム機を出す。縦5センチ、横10センチ、厚さ17センチなのに高画質。たしか妻夫木聡がCMをやっていた。非常に欲しかったのだが、手元にアドバンスSPがあるので購入は控えたが、圧倒的にミクロの方が画質がよいと思う。
そして、2006年3月。ニンテンドーDS liteが発売。初代がどういったデザインかを忘れさせるようなかわいい作り。色も白、水色、ピンク、紺、黒で、同じ折りたたみ形式のアドバンスSPのようなハードさはない。値段は16800円と少々高いが、一時は完売状態が続きどこへ行っても売っていないほどの社会現象を起こした。
DSソフトで思い出すのは、いわゆる脳トレゲームやレシピ集といったゲーム性のないどちらかというと実用ソフトだが、調べてみると『しゃべる!DSお料理ナビ』(2006年7月発売)以前はそういったソフトは少なかった。少ないだけであって皆無ではない。今では、実用ソフトとゲームソフトは同じくらいの比率で発売されていて、ガイドブックがソフトになったもの(制作はスクエア・エニクス)や、女力アップをするというソフト、クラシックを聴くソフトなど、ゲーム機という枠組みからはずれるソフトがたくさん発売されている。
その背景には、中年層や、「ゲームぅ?」と半ば軽蔑していた感のあった20代以降の女性など本来ならばゲームはあまりやらないであろう層もDSユーザーになっているに他ならないが、ゲーム好きとしては「なんだかな」というのが本音だ。
ゲームは楽しむものだから文句を言ってもしょうがないが、このDSの大ヒットがマンネリ気味だったゲームの世界に、新しい風を吹き込んだということは紛れもない事実だ。Wiiの遊び方や販売台数を考えると、なんだかんだいって任天堂がゲームの歴史を変えていくことに変わりはないのだろうか。今後のゲーム市場がどうなっていくのかは非常に興味深い。ついでに、ヒットタイトルの続編だけじゃなくて、新しくておもしろいゲームもでないものか(いくらなんでも手を抜きすぎな気もする……)。
そういえば、先日、アキバのヨドバシへ行ったところ、スーツ姿の中年オヤジがDSlite用のケースとともにソフトを買っていた。ケースはシステム手帳の表紙のような形状で、そこそこ値段が高いものなので彼のDSにつけるのだろう。しかし、しかし、彼の買ったソフトを見て驚愕した。『いまさら人には聞けない 大人の常識力トレーニングDS』を買っていた。おっさん、あんた平日の真っ昼間から何買ってんだ。常識力の前に、仕事はどうした?(昼間にゲームコーナーにいる私に言われたくない?でもゲームは休日にしかやってないよ!てへっ///)←いいわけ。
そのおじさんの姿をみて、少々センチメンタルな気分になったのは言うまでもない。(奥津)
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