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2007年6月27日 (水)

「ハンカチ王子」斎藤佑樹の将来は暗黒とのデータ

06年夏の甲子園大会をわかせた田中将大はプロで、斎藤佑樹は東京6大学でそれぞれ活躍している。今のところ斎藤の方が人気者で「リーグ始まって以来の1年生でのベストナイン」などと持ち上げられている。
ところで東京6大学出身の投手でドラフト指名されプロ入りしたのは何人いて、どれくらい活躍しているのだろうか。1998年から昨年までで調べてみた。なお卒業して間をあけたり社会人経由で入団した者は除いて計算した。

まず人数は20人で年に2人程度。したがって優勝投手の斎藤はこの調子でいけばドラフト指名される程度まではたどり着けそう。

大学別にみると
・早稲田……7人
・明治……6人
・法政……3人
・慶應義塾……2人
・東大……2人
・立教……0人
意外にも東大が2人もいる。ただ99年日本ハム7位の遠藤良平はすでに引退し、04年横浜9位の松家卓弘も実績を上げるにはまだまだの状態で、順位から推しても多分に話題性が大きい。ゼロの立教もスキャンダルさえなければ02年に多田野数人がドラフトされていたはずで実質1人。それでも最下位。
トップは早稲田だから6大学からのプロ入りを考えた場合に同大学へ進学するのも悪くはない。
次に実績をみてみよう。斎藤佑樹が望まれているであろう「エース」級の成績を残しているのは何といっても02年ダイエー(現ソフトバンク)自由枠の和田毅(早稲田)。次いで99年ヤクルト2位の藤井秀悟(早稲田)。どちらも早稲田だ。ここでも斎藤の選択がさほど間違っていないとわかる。
ただし20人のうち明らかな結果が出ているのはたった2人であるのも事実。つまり6大学でドラフトされる投手のうち「約5年に1人の逸材」でないと先発を任されるほどには至らないとの厳然たる事実がある。
中継ぎで活躍しているのが99年横浜2位の木塚敦志(明治)。「やっと中継ぎ」あたりで02年西武自由枠の長田秀一郎(慶應義塾)と01年日本ハム自由枠の江尻慎太郎(早稲田)。
98年中日3位の小笠原孝(明治)は年に1勝するかどうかで低空飛行中だったが07年は好調だ。似た傾向に00年ヤクルト2位の鎌田祐哉(早稲田)もある。
勝ち星こそあげたけれど現時点で戦力と呼ぶには微妙なのが00年近鉄(現オリックス)1位の山本省吾(慶應義塾)、03年横浜4位の牛田成樹(明治)、同年西武6位の岡本篤志(明治)である。
扱いに苦慮するのが04年楽天自由枠の一場靖弘(明治)であろう。入団に際していろいろあったが実力は折り紙付きのはずだったのに今シーズンは低迷。成功組となるかどうか不透明である。
悲惨なのは法政で3人のうち2人はすでに戦力外通告を受けてしまっている。残る1人は02年横浜自由枠の土居龍太郎。「横浜のドイって活躍しているのでは」と錯覚しそうだが頑張っているのは土肥義弘。ドイ違いである。
まとめると以下のようになる。

①エース級……和田毅(早稲田)
②おおよそエース級……藤井秀悟(早稲田)
③中継ぎエース……木塚敦志(明治)
④今後に期待できる……小笠原孝(明治)、鎌田祐哉(早稲田)、長田秀一郎(慶應義塾)、江尻慎太郎(早稲田)、一場靖弘(明治)

つまり6大学で鳴らしたといってもプロの壁は相当厚いとわかる。その理由は簡単に推測できる。6大学リーグのレベルがプロより相当低いということだ。斎藤佑樹はその範囲内で大学選びなどの点で最良の選択をしたとはいえるだろう。だが低レベルのリーグで勝ちまくってもプロですでに勝ち星を積み上げている田中将大とは直面する敵の格が大違いである。
もう1つ興味深いのはセリーグの人気球団である(あった?)巨人と阪神に生え抜きで活躍中の6大学出身投手が見当たらないこと。これをもって斎藤佑樹も巨人・阪神はやめておいた方がいいと判断するか、逆に6大学出身投手がやたら活躍する特定球団も存在しないので単なる偶然とみなすか、もっと進んでいないのは穴場ととらえるか。

不吉なデータもある。夏の全国高等学校野球選手権優勝チームの主戦投手で6大学へ進んだ後にプロで投手として活躍したというストーリーを歩んだ選手は皆無という点だ。
いわゆる「甲子園優勝投手」でそこそこ以上の記録を残した真田重蔵(旧制中学)、尾崎行雄、桑田真澄と大リーグでも大いに期待される松坂大輔はいずれも高卒(尾崎は高校中退)でプロ入りしている。なお池永正明は夏は優勝していないし、やはり高卒でプロ入りしている。
だいたい夏の甲子園優勝投手のプロ活躍が珍しいのに6大学を経てとなると驚くほど見当たらず戦前の野口二郎(法政)までさかのぼる。この野口でさえ大学中退でプロ入りした。「ハンカチ王子」のキャラで中退は予想しにくい。高校野球約90年の歴史で皆無というのは不吉以外の何ものでもない。(編集長)

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コメント

選手の実際の実力をちゃんとみないで、過去のデータだけで将来を予測して、いいとか悪いとか判断して言うのはくだらないと思います。確かに、プロと、プロのレベルに到底及ばない大学リーグでプレーする四年間で積み上げる力には差が出るかもしれません。でも、甲子園で優勝して、六大学からプロという経歴を歩んだ過去の選手がこうだから同じようになるだろう、とかいう予想は薄っぺらいのではないですか?そもそも“甲子園優勝投手”という母体数も少ないし…プロ注の選手でも甲子園で優勝できるとは限らないし。

投稿: 早苗 | 2007年9月 4日 (火) 18時57分

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