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2007年6月15日 (金)

安倍、サミット大活躍の大ウソ

 さすがに安倍晋三首相の必死なパフォーマンスも国民に通じなくなってきているようだ。
 サミット終了後の記者会見では、地球温暖化問題での合意について鼻息荒く語っている。
「ブッシュ米大統領に温暖化ガスの排出量削減の重要性を説明し、メルケル独首相にもコンセンサス(意見の一致)を得ることについて突っ込んだ話し合いをした。私の提案を軸として議論が行われ、日本の提案が首脳文書に盛り込まれた充実感を感じている」
 しかし新聞報道では「EUと日本と提案」が文書に盛り込まれたと表現されている。不思議に思って調べてみると、「2050年までに二酸化炭素を半減」という方針を日本が定めた2007年5月には、まったく同じ目標をすでにEUが定めていたのだ。しかも当初、この目標数値の設定に日本政府は批判的だったという。

 つまり日本は、政府の意見すら統一してなかったのに、EUの方針をパクッてサミットでも提案。それを我が国の首相は「私の提案を軸として議論が行われ」と表現したわけだ。よくもまあこんなデタラメを堂々と話せるもんだ。この日本の首相の発言をEUの面々が聞いた大笑いするに違いない。
 ちなみにこの二酸化炭素半減の提案でもっとも活躍したのはメンケル独首相である。26ヵ国の首脳に電話して説得したというのだから。これこそリーダーシップ「充実感を感じ」られる活躍である。
 ただし幸か不幸か、安倍が世界の笑いモノになることだけはない。
 ドイツ地元紙のサミット特集号では、各首相の横顔を紹介するページに赤城農水相の顔写真が誤って使われた。『朝日新聞』の取材によれば、この新聞の編集責任者は「小泉首相なら間違いは絶対にしなかった。彼は長く首相を務めていたから」と発言したという。実際、ドイツ読者からは一件も苦情がなかったから、我が国の首相がどれほど注目されていないかがわかる。おかげでサミット終わった後で大ボラを吹いても誰からも批判されることはない。
 よかったね、安倍さん。

 この程度の人物が日本の首相なんだという思いは、私だけじゃなく日本中に広まっている節がある。つい先日、麻生外相は首相になる条件として運だと強調した。そりゃ、内閣の一員として安倍を見てれば、政治家としての能力や実力が首相に必要だとは思えないだろう。
 また内閣支持率の浮揚のカギはどこにあるのかという朝日新聞の記事では、社会学者の橋爪大三郎教授は「参院選はあくまで通過点と考えればいい。ルックスや人柄を考えると、党内に後継者は育っていない」とズバリ指摘している。
 まあ、行動をともなわないパフォーマンスを繰り返す首相など俳優やタレントと同じ。「ルックスや人柄」が判断基準になるもの当然か。

 年金問題でも安倍のアピールは空回りしている。
「年金記録の問題が起こってしまった、この今の仕組みを作ったときの厚生労働大臣は誰だった?菅直人さんじゃありませんか?」と発言し、年金記録の管理問題で歴代の厚相や厚労相に責任があると、自分の責任を棚にあげて菅直人氏になすりつけようとしたが、国民からはブーイング。さらに小泉前首相の政務秘書官だった飯島勲氏からも「実務問題でなんの責任をとるのか、理解に苦しむ」と言われる始末。
 飯島氏が慌てるのももっともだ。菅氏の次の厚相は小泉前首相なのだから。基礎年金番号が実際に導入されたのも、小泉厚相の時である。ぜひ責任を追及してもらいたいもんだ。
 また「消えた5千万件の年金記録」の調査費用についても、尾身財務相が補正予算を検討するとした発言を「予算の範囲内ですべてできると思います」と打ち消した。しかし予算10億円は記録が消えた人の半分にも満たない2000万人にハガキを出すとなくなる金額である。全員に通知さえできない調査費用で何をするというのだろう。

 久しぶりに「今週の安倍」を書いてみたが、調べてみると参院選対策に走り回っている首相の空回りぶりがきわだっていた。すごいトップの下で暮らしていると、改めて感じ入ってしまった。(大畑)

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