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2007年5月 1日 (火)

「ボラセーラ」系イタリアンに引いた

 先日、イタリアン・レストランに入った瞬間、「ボラセーラ」とサービスから声をかけられた。10年近くぶりに聞いた「挨拶」だった。
 バブル期に終わりぐらいだろうか、「ボラセーラ系」と呼ばれるイタリアンが流行った。レストランに入ると、サービスの人たちが口々に「ボラセーラ」と声をかけてくれるのだ。そんな店にはたいがい白人(イタリア人かどうかは分からん)が1~2人いて、片言の日本語で客を笑わせながら給仕をしていた。

 当時は「イタリアぽくてカッコイイ」と「ボラセーラ」のかけ声に違和感などなかったはずだが、久しぶりの「挨拶」にかなり引いた。コテコテの日本人が、どうして「ボラセーラなんだ!」と。
 
 レストランで異国情緒を楽しむのはよくある。
 バブル時代には外国人客が多いというだけで評価されていた店もあったほど。バブル後期には内装で異国情緒を表現しようとした店もけっこう出現した。店内がモンゴル民族の住居であるパオを模した店なんかもあったな~。味が本格的すぎたのか、一瞬にして消えたけど。
 当時は内装で驚かせることだけを狙った数多くできた。動く橋のある居酒屋とか。人形が「紙使って~」とトイレットペーパーを持ってくるトイレとかね。水族館のようにデカイ水槽がセールスポイントの店もあった。その傾向が突き進み、98年には刑務所の雰囲気を味わえる居酒屋までできた。

 でも、もうそんなものにみんなすっかり飽きちゃった。
 かつて刑務所やら病院やらの居酒屋をいくつも作ってきた会社も、奇抜なコンセプト勝負の店は刑務所の病院が楽しめる1店舗しかない。メイド喫茶に行く人も少数派だし。異次元を味わうならディズニーランドぐらい徹底してないとダメなのだろう。

 異国情緒も、味わいたいなら大久保辺りに日本語の通じない本格的なエスニックレストランが山ほどある。また海外旅行が安い。数万で韓国に行ける時代なのだ。サービスが「ボラセーラ」と大声をあげればいいという時代はとっくに過ぎた。
 それよりも価格や味が問われる。

 イタリアンで最近流行っているのは地方だろうか。シェフが修行した地域の料理がしきりに宣伝される。これも一過性のものかもしれないが、少なくとも内装や外国人定員にこだわるよりかは意味がありそうだ。(大畑)
 

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