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2007年5月 7日 (月)

奨学金制度の現在に迫る(後編)

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 06年度、支援機構における奨学金の事業費総額は7810億円に上る。
 第1種(利子なし)と第2種(利子つき)では実は財源の質が少し違う。第1種は政府からの貸付金と返還金。第2種は財政融資資金と財投機関債、そして返還金。一般の投資家に向けた機関債が組み込まれているのは意外だ。
 大別すれば国の財源と返還金に分けられる。つまり返還金があってこそ奨学金が毎年回転していくことができる。
「奨学金は『循環運用』なんです。返還金が正常に集まらなければ、本当に経済状況が苦しくて就学が難しいという学生を支援できないという一番悪いことが起こってしまうことになりかねませんよ。ここが基本なんです。憲法でも保障されている誰でも教育を受けることができる権利を制度の面からフォローしていかなければならない、これが奨学金の根本です。私たちが適切に貸与していくためにも、なんとかして回収は行っていかなければならない。ただ、それが難しい人もいる。難しいところですね」

 日本学生支援機構が運営する奨学金以外にも、日本には数多くの奨学金制度(スカラシップという名がつけられていることも多い)がある。
 地方自治体が運営する返済の義務がない給与型の奨学金、新聞配達を続けることを条件に学費の支払いを支援してくれる新聞社の奨学金制度、中には日本とハワイの大学院生を互いに派遣し、「相互理解」と「友好親善関係の推進」が目的である皇太子奨学金などというものもある。
 一般企業が運営するものもいくらでもある。松下電器産業株式会社がアジア諸国から日本の大学院などへの私費留学生を経済的に支援する「パナソニック・スカラシップ」がその一例。
 海外へ渡るといえば、アメリカの政治家ジェイムズ・ウィリアム・フルブライト(1905-1995)が創設したフルブライト奨学金が最も名を知られている。優秀な人材の交流を目的に、日本で約6500人、全世界で約20万人がこれまでに制度を利用している。

 実に様々な奨学金があるが、多くは返還の義務があるものである。もし返済の滞納が大幅に増える日本学生支援機構のようなケースが常態なのであれば、奨学金制度そのものが危機に瀕していると言えるのではないか。

 交通事故や病気、自殺などで親をなくした子どものための奨学金制度を運営するあしなが育英会は前身である「交通事故遺児を励ます会」を経て93年に発足した。「交通事故遺児を励ます会」は共に交通事故で肉親を亡くした岡嶋信治(当時24歳)さんと玉井義臣(当時32歳)さんが中心となって1968年に立ち上げた団体だ。
 あしなが育英会の職員の方は言う。
「たしかに、以前に比べると返済が若干滞りがちなのかなという感じはしますが、それでも返還率は94%前後はあります。寄付金が中心となって運営されている奨学金へのありがたみからなのでしょうか、ちゃんと社会に出た後にちゃんと返済はされていますよ。」
 あしなが育英会の最新の収支報告(05年度)を見ると、年度収入28億円のうち20億円が寄付金収入である。さらに内訳をたずねたところ、「あしながさん」と呼ばれる支援者が8億円、同育英会が運営する阪神大震災の遺児のケアのために設立されたレインボーハウスに向けての支援者である「かけはしさん」からの寄付金が1億2000万。他に、年2回の街頭募金で2億6000万円が集まっている。意外といえば失礼なのかもしれないが、街頭募金でそんな大きな額が集まっているとは予想だにしなかった。
 寄付金収入には企業からの寄付もあるが、割合としてはやはり「あしながさん」のような会員、そして一般からがほとんどを占めるという。まだまだ世の中捨てたもんじゃない。
 ただ、やはり見通しは明るくない。高校生以下の奨学金制度が自治体に移管されたことは書いたが、06年度の神奈川県では高校生の奨学金申請が急増したため、奨学金を受け取ることができなかった学生が相次いだ。もちろん背景には低迷する家庭の経済状態があるのだろう。
 支援機構の吉田さんがこう強調していた。
「学生は、これからの日本をしょっていかれるわけですから。彼らの生活を支援するのが奨学金。奨学金が回っていくためには、その恩恵を受けた人たちがあとの世代のことを考えてしっかり返還してほしい」
 景気が回復したといえるのはまだまだ先である。(宮崎)

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