『吉原 泡の園』 第18回/「風俗店を盛り上げるのはボーイだ!!」
僕はたまたまその時日本で一番と言われるソープランド街吉原にいたのだが、街によって、行われるサービスも雰囲気も料金さえも大きく異なる。
東京近郊でいえば、もっとも近くて過激さを売りにしているのが西川口である。
料金的に高くもなく安くもなく。サラリーマンでも学生がバイトなどで稼いだ金でも十分に遊べる。遊びにも、エッチなサービスを受けるだけで終わりでなく、本番まで出来るというのが西川口流なのである。もちろんそれは非合法だ。
また、西川口は性風俗だけでなく、キャバクラやニュークラブと呼ばれる飲み屋も多数あるのだ。
一般に、風俗というと裸の女のいるお店、あるいはまたエッチなサービスを受けるところ、などと大きくまとめられがちだが、本来「風俗」という法律的な枠組にはキャバクラなども含まれるため、ここで話しているのは「性風俗」のことである。
ピーク時ほどではないが、韓国人、中国人などの学生を中心に、韓国エステなどと謳い、本番なども行っている店も多い。
ピンサロ、ヘルスはもともと法的にも元来国には認められていない。よって、警察が本腰をいれれば、いとも簡単につぶれてしまうのがピンサロ、ヘルスなのである。 今、都内で箱型(店舗型の風俗店営業)を開業しようとして許可がおりるのは、吉原と歌舞伎町くらいだろう。僕は以前、吉原では一度更地にしてしまうと2度とそこに建物は建てることができないと書いたが、それも場合によっては建築可能である。場所によっては駄目だが。
また、吉原などは一代家業で、その代が亡くなれば次の代に継がせることはできないとされているが、それもあの手この手で切りぬけているのが現状なのである。
歌舞伎町は、東京のみならず、アジア最大の風俗街と言われるが、その中で生きる風俗の住人なども、吉原は数が多すぎる、といい、またあそこは厳しいからなぁ、とため息を吐く。それくらい確かにソープランドの経営に関わるのは厳しい。
店は女の子の質の良さで繁盛するのではない。マネジャーが血管を切れそうにしながらいつもそう言っていた。(多分上からそう言われていたのだろうが)
だが、それは確かにある。女は男によって変わるなどというが、風俗店の女も、店の経営方針によって変わるのだ。
「店は女がつくるんじゃねえ、店をつくり、盛り上げるのはボーイの仕事じゃ」
とマネジャーはいつも言っていたのだ。(ただ、それを1番ぶち壊していたのもマネジャーだが)
それはさておき、R店を盛り上げ、女にやる気を出させ、客に「なんだか良いね、この店」と言わせるべく奮闘しているスタッフは、
「ハンサムで金持ち」
「高学歴で背が高い」
「女にもてる」
「イタリー製の車に乗っている」
きっとこんな奴らがやってるに決まっていると読者からは思われるかもしれない。業界の中にはたまに当てはまる人もいるが、R店の現実は違う。
R店の主力だったボーイは、
「元ヤクザのEさん」
「色恋がすきで、好き者のEちゃん」
「坊主頭のTさん」
「ヤクザの下っ端としてちょこちょこ動いているC店長」
「チンピラのマネジャーKさん」
「ソープは遊びしか知らない僕」
この面子である。ひどい、ひどすぎる。
R店が一応本店になり、Rクループなる名前まである立派なグループなのだ。実にソープランドだけで7店舗を抱える以外と大きなグループなのである。
そして、その大きなグループの使えないやつの吹き溜まりとしてR店がある。
もともとソープランドには社会での劣等生が多いのに、その中でも劣等生がR店に飛ばされるらしい。
つまり、落ちこぼれのエリート集団なのである。(イッセイ遊児)
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