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2007年4月13日 (金)

人材バンクも官僚の思いのまま

 本人が望むかどうかは別にして、冷え切っていた中国との関係改善は安倍晋三首相にとって大きなアピールポイントとなっている。「政治家としてのライフワーク」と言い切った拉致問題は動きはなく、従軍慰安婦問題で強気に出れば米国からのバッシングが強まり方向転換&ブッシュホンでの言い訳。もともと、首相になれば支持層を左のウイングに広げていかなければならないだろうとは予想されていた。といってもこんな風な「広げ方」をするとは、誰も思っていなかったことだろう。

 中国の首相としては6年半ぶりとなる温家宝首相の来日も大歓迎ムードに包まれている。さすがにここは勝負どころと首相も踏んだのだろう。来日前には「日中文化・スポーツ交流年」の親善大使・酒井法子さんと福原愛選手に会い、中国との友好ムード拡大に努めていた。
 もっとも酒井さんへの首相の質問は、「酒井さんは中国で人気が高い。前から中国でコンサートをしているのですか」と何とも締まらないものだったが……。
 まあ、まずはめでたい。

 ただし相変わらず側近は思い通り動かないようだ。
 4月4日には東シナ海のガス油田について「向こうの理屈としては、取るのが当たり前。泥棒に入って家族が黙っていたら持って行っちゃう」と、中川昭一政調会長が中国を泥棒呼ばわり。当人は「言うべきことは言っていかなければ」とも話していたようなので、来日前に是非とも「言っておかなければ」ならないと思ったのだろう。
 靖国参拝をするかどうかは明言を避ける一方で年内の訪中を検討すると中国テレビ局のインタビューに答えているのだから、首相も中国への強硬論は封印中。「中川、空気を読め」と首相も言いたいはずだ。

 我を殺した政治運営はまだうまくいくが、張り切って頑張っているときは空回りするのは安倍首相の特長なのだろう。
 新人材バンクなどはその典型。談合などの温床ともなる省庁の息がかかった民間企業や財団法人への天下りを規制しようと考え出された再就職斡旋組織の新設だが、自民党からは大反対の嵐。
 それでも徹底抗戦の姿勢を首相は貫き、とりあえずの争点となっていた「バンク職員に出身官庁職員のあっせんをさせない」「非営利法人もあっせん対象に含める」の2点は政府案通りとなったが、抜け道はバッチリつくられた。「(バンク)職員は人事当局と必要に応じて協力する」という文言が入ったのだ。結局、将来的にバンクが人事当局の言うとおり動くのがほぼ決定したわけだ。
 首相のメンツだけは保たれたと。

 4月15日には緊急時に連絡が取れなくなるという理由で使っていなかった国内線搭乗も始まった。民間機だと携帯の電源を切る必要があるため、危機管理上問題だとして、首相に就任してから飛行機での移動を控えていたそうだ。
 ただし現在でも機内で連絡が取れないという問題が解消したわけではない。『毎日新聞』(4月11日)が官邸の声として報じている通り「連絡が取れないのは短時間だし、東京には官房長官が残っているのだから、それほど気にすることはないのでは」ってこと。
 官房長官いれば対処できるでしょ、別に安倍いなくても。
 そんな空気の中で仕事をこなしている首相には同情するが、強気に出るたびに失敗する首相の行動を追っていると、首相に意見を求めたくなくなる気持ちはよくわかる。
 これでは官僚と闘うなんてできるはずもない。
 今週も日本のお先真っ暗という気分になった「安倍ウオッチ」でした……。(大畑)

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