5年以内に大間のマグロを再び食えるのか!?
2ヵ月ほど前、大間の本マグロを食べる機会に恵まれた。もちろん貧乏ライターが料亭なんぞに行けるはずもない。知人から刺身をもらったのである。
この味に本気で驚いた。トロの脂が口に入れた瞬間から香る。それまで口に入れたときとろけるのが最上のマグロだと思っていたが、本当に美味いマグロは香るのですね。38年生きて初めて知りました。
逆にこれまで絶賛してきたマグロの雑味の多さを知ってしまったわけで、まあ、それはそれで悲惨……。これまで最高の味と思っていたモノが二番手、三番手の味になってしまったのだから。もちろん大間のマグロなんて、もう滅多なことじゃ食べられないし。
とにかく小社で大ベストセラーを出すしかないだろう!
でも、ここで気になることがある。大間のマグロは僕が金持ちになるまで待ってくれるのか?
大間ではすでに「大間原発」の建設が始まっている。しかもプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を全炉心で燃やす世界初の原発。
漁場のすぐ横でこんな原発をつくのはヤバイでしょう。
事故が起こるかもしれないという不安もさることながら、事故が起こっても公表されないという不信感もある。
原発が乱立し「原発銀座」ともいわれる若狭湾では、10年以上前の新聞が奇形のハマチやアジが増えてきたようだという漁師の声を紹介している。見えない放射能に風評被害の可能性もある。
また、海水に流れ込む大量の温水の影響はどうか。
大間のマグロが美味しいのは寒流と暖流がぶつかる魚の豊富な海域で、マグロが腹一杯食べて泳ぎ回っているからだ。この複雑な潮流に温まった原発の冷却水は影響を与えないのだろうか?
東京水産大学の水口憲哉助教授が若狭湾沿岸などでブリの漁獲が減少している状況を講演会で報告している。その講演では「原発や廃温水の影響は温度が高いだけにとどまらない。配管内に注入する塩素ガスや摩耗した金気も流れ出る。国の公表資料でも海水に影響があることを認めている」と話している(『南日本新聞』2001年2月21日)。
原発の関係者は温排水の影響などあるはずないと言うだろう。しかし一連の隠ぺい工作では関西電力や東北電力などで、冷却用海水温度データが不正に改ざんされたことがわかっている。また温排水の環境影響調査についても、改ざんされたデータによって報告されたことも明らかになっている。
世界初の原発となれば成功をアピールしたくなる。原発関連会社に宿る「隠蔽魂」も燃え上がることだろう。
最近、大間では脂ののった大型のマグロの漁獲量が減っているとも聞いた。それでも漁師がマグロを追うのは大間ブランドによって、マグロが高値で取引されるからだ。原発の稼働によってマグロの値段が下がるようなことになれば、ギャンブル性の高いマグロ漁を続ける漁師も減ってきかねない。こちらも心配だ。
2012年3月には運転が開始される予定だから猶予は5年。この間に小社で大ベストセラーを出さなくちゃいかん、と強く感じている。問題は5年以内にベストセラーを出せる確率より、事故や隠蔽の発覚によってマグロの値段が下がる可能性の方が高そうなことだ。(大畑)
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