「足元がおぼつかない首相」に哀れみを感じてしまった
4月2日発売の『週刊現代』では10年前に安倍晋三首相が語った以下のような発言がトップで取り上げられた。
「(従軍慰安婦には)明らかに嘘をついている人たちがかなり多くいるわけです」
「実態は韓国にはキーセン・ハウスがあって、そういうことをたくさんの人たちが日常どんどんやっているわけですね。ですから、それはとんでもない行為ではなくて、かなり生活の中に溶け込んでいるのではないかとすら私はおもっているんです」
もともとの彼の主張を考えれば驚くべき発言とはいえないかもしれないが、従軍慰安婦問題でどうにか海外からの批判をかわそうとしているだけに、首相は頭を抱えたかもしれない。
世界各国に売春婦はいる。日本にだって合法的な売春地域「赤線」が存在していたし、現在でも吉原などのソープランドでは本番行為が行われている。だからといって「かなり生活の中に溶け込んでいる」と他国の政治家に言われたら怒る人も多かろう。
この従軍慰安婦問題については首相なりの歴史観がある。そのため米国議会に従軍慰安婦動員に対する非難決議案が提出されたと報じられた当初は、「(米下院で採決されても)我々が謝罪するということはない」と強気の発言に終始していた。ところが3日の夜にはわざわざブッシュ大統領に電話して「これまでの政府の立場を踏襲し、辛酸をなめられた元慰安婦の方々に心から同情するとともに、極めて苦しい状況におかれたことについておわびを表明している」と語ったようだ。
NYタイムズやワシントンポストなどで、かなり辛辣に首相が批判されていることを考えると火消しに走り回るしかない。米下院の決議案の共同提案者もどんどん増えているし……。
冒頭で紹介した発言のように「かなり生活の中に溶け込んでいるのではないかとすら私はおもっているんです」とは口が裂けても言えない状況だ。一部で「対米従属」となじられている岸信介元首相の「DNA」が発現したようだ。遺伝恐るべし。
内政でも問題は多い。特に党内基盤の脆弱さには頭を痛めているようだ。
2日には高村正彦元外相と会談。16人の派閥を率いる元外相から「今後の政局、政策運営について、全面的に協力していく」という言葉をもらったらしい。
読売新聞(07年4月3日)によれば、「首相が高村氏との会談内容をすぐに記者団に明かしたのも、この時期の協力表明がうれしかったため」ということだ。
クラスをまとめられない委員長に「おれが味方してやるよ」という少人数グループのリーダーが現れたと。大喜びした委員長は「おれの仲間ができたんだぜ」と自慢したわけですな。それを見ていた噂好きの生徒が「なんか仲間ができてスッゴイ喜んでいるよね、委員長」と解説したと。
そんな感じでしょうか。
うーん、党内の安倍政権批判がけっこう効いているのね。支持率も一向に上がらないし。
ついでに3月26日には首相公邸内で足をぶつけて右足をねんざしている。28日には記者団に「大丈夫ですね。皆さんもよくくじくんじゃないの?」(毎日新聞3月29日)と復活をアピールしたようだ。
って、「よくくじく」ものなのか50代ともなると! 違うだろ!?
文字通り「足元がおぼつかない首相」の活躍を今週も追ってみたが、何となく気の毒な存在に思えてしまうのは私だけか?(大畑)
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