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2007年4月20日 (金)

中川暴言で気づく安倍首相による親中政策の気味悪さ

 自民党の中川昭一政調会長がほえた。「安倍首相は日本のトップだが、温首相は中国の順列ではナンバー3だ。これは外交儀礼上おかしい」(『朝日新聞』07年4月17日)
 オイオイ、温首相が帰国して2日もたってから言うなよ、と笑った。温首相の晩餐会にもニコニコ出席したが、首相が帰ったなら声高に叫びたい。

 けっこうみっともない図である。

 ただ、そうした批判を超えて「なるほど」とも思った。
 これが安倍晋三首相のホンネだろうと感じたからだ。先週、やはり中川政調会長が中国を泥棒よばわりしたと書いたが、これまでの政治姿勢から考えれば発言自体に驚きはない。いかにも言いそうな人が、いかにものことを話しただけだ。もちろん「外交儀礼上」その発言が適当かという点は問わないでだが。

 むしろ驚くべきは、中国に対する首相の寛容さだろう。
 ナンバー3でもOK、国会での演説も歓迎。ただ安倍首相が「左ウイング」取り込みのために、このような行動しているわけじゃなさそうなところが気持ち悪い。
 今週から来週にかけて、イラク復興支援特別措置法改正案、教育改革関連3法など「安倍カラー」の濃い右よりの法案審議が目白押しになっている。14、15日に行われた内閣支持率の上昇がこの動きを後押ししているらしく、強気の政治姿勢はさらに加速していくはずだ。

 何となく温首相のパフォーマンスに目を奪われ、安倍首相の柔軟な対応に疑問を持たなかった。しかし温首相訪日中の安倍首相は、すでに強気の政治姿勢を打ち出していたのだ。同じ政治思想を持つ中川政調会長と比べると、その差が分かる。首相の方向転換の度合いがクッキリ。本来なら政調会長の代わりに、首相が同じことを吠えても不思議はないのに。

 この謎を解く鍵を与えてくれたのが、元共同通信記者で国際情勢が専門とするジャーナリスト田中宇さんのホームページだ。4月12日にアップされた「改善しそうな日中関係」(http://tanakanews.com/070412JapanChina.htm)によれば、米国からの要請により安倍首相は親中派にならざるを得なかったのだと分析している。たしかに米国からの要請と考えれば、安倍首相の対応は理解できる。

 また自衛隊と中国軍が緊急連絡を取り合うホットライン創設を日本政府が目指しているという驚きのニュースも納得できる。
 国同士のホットラインは必ずしも緊張緩和の産物ではない。緊張が高まるからこそ、偶発的な軍事衝突を避けるためにつくられるケースもある。冷戦期における米ソのホットラインはその典型だ。しかし温首相の「氷を溶かす旅」が大成功に終わったことを考えれば、このホットラインが過度な緊張から生み出されたものではない。
 
 本当に安倍首相が自身の政治信条を捨ててまでも米国の意向に従っているとするなら、政府の息がかかった膨大な政策会議の動きに注目する必要がある。省益に動く官庁や、政党や個人の利益に働く国会議員と「行動規範」が違うからだ。

 4月17日に開かれた政府の経済財政諮問会議は、約1500兆円ある国内家計の金融資産を生かせるような規制緩和が提案された。最近でも不二家事件で外資ファンドが大もうけして話題になった。生き馬の目を抜くマーケットで「ハゲタカ」が個人資産に噛みついたらどうなるかは説明するまでもない。
 
 何となくいやーな感じがしている。(大畑)

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