« 都知事麻雀――プンリー浅野感想戦―― | トップページ | The Western Music ・ Evanescence-The Fallen(前編) »

2007年4月11日 (水)

加護亜依さんはそんなに悪い子なのか

タレントの加護亜依さんがおおよそ18歳から19歳の時期、2回にわたって喫煙をしていた光景が週刊誌に報じられ、1度目で謹慎、2度目で所属事務所からの契約解除となった。

1900年成立の未成年者喫煙禁止法は第一条で未成年者の喫煙を禁じる。だから法律違反ではある。だが同法は喫煙した未成年本人の罰を定めていない。他の刑法または特別刑法にも見当たらない。すると刑罰を科すと定められていないとの一点で加護さんは「犯罪」行為をなしていない。

周知のように少年法61条は公訴を提起された少年の氏名など本人であることを推知することができるような記事又は写真の報道を禁じている。実際には公訴提起の恐れが出た時点でメディアは同法にしたがっている。だが未成年者喫煙禁止法の定めにより加護さんに公訴提起の可能性はまったくない。だから報じてもいい……そういうことなのか。
だが少年法は非行のある少年の保護を目的の1つとする。未成年の喫煙は「非行」なのか。おそらく最も近い概念は「虞犯」であろうが、そうなのか。それでいいのか。納得いく論説を私は知らない。

いずれにせよ加護さんが受けた社会的制裁は逮捕を実名で報じられるのと同等かそれ以上である。だとしたら彼女がした行為が、そうされても仕方ないほどでなければなるまい。喫煙とはそれほど悪いのか。

まず報道している側に問いたい。あなた方は加護さんのような未成年の有名人が喫煙している光景を黙認した経験が一度もないのか。後輩に囲まれている中で一服している有名高校野球選手、テレビ局の控え室でバンバン吸っている加護さんがかつて属していたアイドルユニットに似た存在を知らないとはいわせない。
加護さんは不特定多数が目撃できるような場所で吸っていたから撮られた。その点でうかつである。ただあえて「犯意」という言葉を用いるならば、うかつをもって犯意が高いとはいえない。むしろ薄いとみなすのが適当であろう。
要するにマスコミ関係者のテリトリーで行われている喫煙を、それゆえに報じず、そうでない場所だったから報じるという構図の、特に前段はおかしいといいたいのである。

次に未成年者の喫煙をことさら個人を特定して叩く意味である。道路交通法は七条で道路を通行する歩行者が信号機の表示する信号などに従う義務を科し、怠った場合は百二十一条で「二万円以下の罰金又は科料に処す」。罰則が付されている分だけ「赤信号無視」は未成年者喫煙よりも犯罪に近い。
では有名人が赤信号を渡っていたら「激写」されて該当者が謹慎だの事務所との契約解除などへ追い込まれるか。おそらく「激写」そのものにバリューがないと報道側は判断して掲載しないだろう。「その程度で悪しざまに報じても価値がない」と。もちろん報道の価値は罰の重さに比例しなくてもいい。賄賂罪の最高刑は窃盗罪のそれよりも軽いが、万引きよりもずっと大きな紙誌面が割かれる。その理由は罰の軽重以上に社会的制裁を受けるに価するからだ。
だったら加護さんは赤信号無視よりずっと重い社会的制裁を受けるべきだとなる。それが未成年者の喫煙だ。ではなぜそうなのか。喫煙に対する社会の目が厳しくなっている背景があるのは間違いない。だとすれば未成年者喫煙は信号無視よりいけない理由があるはずだ。それは何だ。私にはわからない。

赤信号無視は皆がやっているからニュース性がないが未成年者喫煙は珍しいからという点からバリューを探るのもおかしい。報道している側、それを提供されている側で未成年で喫煙した経験がないという人がどれほどいるか知りたいものだ。私は意外と法令遵守の気持ちが強く、大学に入るまで喫煙はしなかった。でも大学に入ってからは吸った。加護さんと同じ時分である。そんな人は多数いるに違いない。
高校のトイレ(「大」の方)でモウモウと煙が上がっていたので生徒指導の教師が有無をいわせず強行突破したら便器にしゃがんで一服中の同僚(教師)がいた……なんて笑い話はどこにでもあった。成人式に禁煙を誓った剛の者も珍しくなかった。私は未成年の喫煙を推奨する気なぞ毛頭ない。一方で以上のような経緯から単に喫煙していたという理由で未成年の少女を叩く風潮にも強い違和感を感じる。

国籍法は十四条で「外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない」と定めるも、実際には22歳以降も外国籍を持ち続ける日本国籍の日本人が多数いる。それを摘発したという事実を私は把握していない。それどころか誰もがペルー国籍と信じて疑わなかったフジモリ元大統領が実は日本国籍を持っていたとしてわが国は保護さえした。加護さんへの社会的制裁は明らかに行き過ぎである。

もっとも、喫煙者として……というより近年の禁煙ファシズムに対抗して喫煙を続けている私としては「加護さん。後1年我慢できなかったの?」という気もある。20歳の誕生日に記者会見して「これで堂々と吸えます」と一服したら日本中にうっ屈している愛煙家を一挙に引き寄せるアイドルになれたのにね。(編集長)

|

« 都知事麻雀――プンリー浅野感想戦―― | トップページ | The Western Music ・ Evanescence-The Fallen(前編) »

芸能・アイドル」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 加護亜依さんはそんなに悪い子なのか:

» 一条工務店評判・坪単価/一条工務店 [一条工務店評判・坪単価/一条工務店]
一条工務店評判・坪単価/一条工務店 [続きを読む]

受信: 2007年4月11日 (水) 09時58分

» 疲れを癒す黒酢もろみ★今ならお試しできます [Anibirth 〜アニヴァース〜]
液体黒酢を超えるアミノ酸がぎっしり!アミノ酸が約50倍の【特選 黒酢もろみ】 ダイエットに、生活習慣病予防に。1日2粒で健康ライフ!“通販限定”の商品をぜひお試しください! ━━━[PR]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ★朝、目覚ましがないと起きられない人に最適★ ★ぐっすり眠ってすっきり目覚める★ ★疲れを癒す黒酢もろみ★今ならお試しできます★ [... [続きを読む]

受信: 2007年4月11日 (水) 12時49分

» 元モーニング娘◎加護亜依の悲しい現実◎激似ラブホビデオ映像 [▼加護ちゃん▼Good−Bye]
あまりにも素早い事務所の対応には、普段口うるさい芸能事情通も言葉を失った。スキャンダル発覚の翌日、加護亜依(19)が所属する事務所「アップフロントエージェンシー」が発表した処分は「契約解除」、事実上の“芸能界追放”である。それほど、加護がしでかしたスキャンダルは致命的だった。今月18日、オトコと群馬の草津温泉へ1泊旅行に出かけた。その車中でたばこをふかしていたと、26日発売の「週刊現代」で報じられたのだ。... [続きを読む]

受信: 2007年4月11日 (水) 13時15分

» グラビアアイドル情報館★〜加護亜依〜 [芸能動画ブログ☆〜グラビアアイドル情報〜]
今年から来年にかけて、トップ女優の仲間入りを果たすといわれているのが宮崎あおい(21)。 2年後には、現在のナンバーワン女優・仲間由紀恵を軽く追い抜くとの声がもっぱらだ。というのも、これから公開される映画やCM、ドラマのどれもスケールがハンパではない。 [続きを読む]

受信: 2007年4月11日 (水) 23時52分

» 片瀬那奈、未成年時の喫煙プリクラ流出【画像有り】 [片瀬那奈、未成年時の喫煙プリクラ流出【画像有り】]
モデル・女優・歌手として、マルチに活躍する片瀬那奈(25)。 その片瀬那奈の19才の時の喫煙プリクラが流出した。 [続きを読む]

受信: 2007年4月14日 (土) 22時47分

» 加護亜依 解雇になった本当のワケ「最低男」の最低なクセとは? [加護亜依 解雇になった本当のワケ「最低男」の最低なクセとは?]
タレント・片瀬那奈(25)の当時19歳だった2001年に撮影された"喫煙プリクラショット"が13日発売の写真週刊誌「フライデー」に掲載された [続きを読む]

受信: 2007年4月21日 (土) 18時44分

» メタボリックなオヤジと恋人つなぎ [恋人つなぎのしあわせ]
加護亜依が事務所解雇の件。再度の喫煙発覚よりも、むしろメタボリックな(苦笑)ヒゲオヤジと恋人つなぎで温泉旅行というシチュエーションがファン心理を踏みにじり、タレントとしての価値を著しく毀損、御破算の決定打になった可能性が高いという結論に達する。http://d.hatena.ne.jp/georgew/20070403Psychic Brotherhood/冗談じゃないヤマタフhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=200... [続きを読む]

受信: 2007年4月22日 (日) 13時00分

» 辻希美と杉浦太陽が結婚。妊娠2か月だった [辻希美と杉浦太陽が結婚。妊娠2か月だった]
【辻希美が妊娠して杉浦太陽と結婚】 人気アイドルグループ「モーニング娘。」の元メンバーの辻希美(19)が、 俳優の杉浦太陽(26)と結婚することが7日、分かった。辻希美は現在、 妊娠2か月。2人は昨年から交際をスタートさせ、同年末には両家を行き来する姿が度々、 目撃されていたという。辻希美は、4月に新ユニット「ギャルル」を結成していたが、 4日に開幕した舞台「何日君再来(イツノヒカキ...... [続きを読む]

受信: 2007年5月 8日 (火) 15時07分

« 都知事麻雀――プンリー浅野感想戦―― | トップページ | The Western Music ・ Evanescence-The Fallen(前編) »