日曜ミニコミ誌・アメリカンハウスに住む/『うるま』
今年もやってきました黄金週間。
なんでも50万人以上が海外旅行に行くそうだ。たしかに彼らにとっては黄金週間かもしれないが、別に取り立ててココロ踊るイベントなどもない『記録』編集部員はなにが黄金週間だバカヤローとわめいている。ねずみ色に変色している。メッキでいいから黄金の仲間入りをさせてほしい。
今回紹介する『うるま』は、私たちを海の向こうへいざなおうとしている。沖縄からである。地域モノの刊行物はなぜか表紙から地味なものが多いが、毎号『うるま』の表紙はカラリと晴れた感じで洒落ている。
最新号の特集は『外人住宅に住もう!』。簡単に言ってくれるな!とここでもねずみに変色しそうになったが、特集が面白かったので持ちこたえた(?)。
記事によると、沖縄中部の北谷町や読谷村、沖縄市、宜野湾市には外人住宅が集まっているエリアがあるという。1972年の沖縄返還後、駐留していた家の主は一気に帰国しはじめ、後に地元の人がアメリカンハウスを借りることができるようにもなった。老朽化は激しいが、現在ではアメリカ的な家の造りやレトロ感が人気を呼んでいるのか明き物件を探すのが難しいほどだそうだ。
『うるま』は9割以上が写真つきのカラーページという贅沢な紙面で、アメリカンハウスに住んでいる人たちの生活の様子などがばっちり載せられている。どのページに掲載されている人たちも広い部屋にゆったりと暮らしているように見えてうらやましい。
バックナンバーのページで過去の特集を見ていくと、「華僑が出会った沖縄」「沖縄の装身具」「沖縄の人間国宝」「おきなわ肉自慢」など興味そそれられる題材が多い。手にした号の「外人住宅に住もう!」もそうだが、地域に住む者でなければ知ることのできない情報を、その背景や歴史にも触れ、しかも読み物としてうまくまとめられているような記事、それが地域系の刊行物の醍醐味ではないか。
加えて『うるま』は写真の多さとレイアウトの簡潔さが心地良い。ずっと眺めていると、行ったばかりなのにまた渡沖したくなるのだった。(宮崎)
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