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2007年4月26日 (木)

先日のロシア 第2回 健康法の模索でスパイラル

 前回、ロシアの死亡率が著しく低下したことについて書いた。死亡率こそ低下したものの、気になってしまうのはやはりその死因である。死亡原因の一位は食習慣からくる血液循環系の病気、これは他の先進国と同じ。しかし、次点を占めるのがアルコール中毒というのがなんともロシア的な話だ。ロシアと酒とは切っても切れない関係にある。そもそも「ウォッカ」(Водка)という名前の由来が「水」(Вода)の愛称形から来ていることからも、ことの重大さがわかってもらえるだろう。そう、ロシア人はウォッカを生活の命綱として捉えているといっても過言ではないのだ。そしてロシア語で「乾杯」と言えば「До Здоровье!」、即ち「健康のために!」であるし、「こんなことは朝飯前さ」という意味で「どんなに酒を飲んでいてもできる」というスラングまであるくらい、ウォッカは生活に密着しているのだ。むろん、日本の酒の比ではない。

 しかし、である。ロシアでは昨今、ウォッカに替わってビールが人気を呼んでいるらしい。「Новости」誌によると、2002年にはじめて、ロシア国民一人当たりのアルコール飲料消費量が減少し、ビールの消費量が増えた。また、ロシアの平均的家庭でも、アルコール類の購入に費やす金額が減少している。例えば、2001年では家計におけるアルコール飲料の購入費用は9.7%だったが、2002年には8.8%になり、0.9%の減少となった(ただし、この時点ではビールはアルコール飲料としての認可が下りていない。つまり、減少した部分がビールになり代わったという事が十二分にありえる)。古い資料で大変申し訳ないが、これ以降のデータがさしあたり見当たらない。

 この現象をどう捉えるか。医療関係者も、アルコール飲料の度数が強ければ強いほどアルコール中毒の進行が早くなるということを決して否定してはいない。確かにビール愛好家のアルコール依存性は、ウォッカ愛好家のそれよりも進行が遅いようなのだ。ただし、ビールを好むのは主に若年層であり、若者のアルコール依存症の増加が危ぶまれている。まあ、さきの死因についての統計結果を考えれば、結果的に状況は変わっていないとも言えよう。依然、アルコール依存はロシア人の国民病なのである。

 ロシア人が健康について考えるときに、アルコール摂取量と同じくらい懸念しなければならないのが様々な生活習慣病の元となる肥満だ。ロシア人の女性を思い浮かべて欲しい。はじめに18歳の、次に50歳の。想像していただけたであろうか。頭の中の二人の女性、体積が3倍は違わないだろうか。今も昔も、冬の野菜不足、油分・糖分の摂取過多、運動不足が主な原因となり、また生物学的にも寒さに対抗するために志望は必要なのか、25歳程度を境としてロシアの女性は体型が崩れてくることが多いようだ。よってダイエットにいそしむことも、永遠の流行である。このたび、前回同様に「Правда」(「プラーヴダ」)を眺めていたら、摂食についての記事が見つかった。米医学誌「Biological Psychiatry」掲載論文を追いかけているもので、ストレスレベルとカロリー摂取量の相関性についての調査について書かれている。

 自殺の防止に懸命なロシアにとって、「Biological Psychiatry」が大切な精神医学誌だということはよくわかる。このたびの5月号でも、とくに菜食主義や極端なダイエットが深刻な精神疾患を引き起こすことが示唆されている。脂肪と炭水化物は肥満の目の敵のように思われがちだが、不足すればやはり健康によろしくない。当たり前のような話ではあるが、健康のみではなく精神疾患に注目して調査を行っているところが面白いと言えば面白い。

 人に必要な栄養素というのは、体内に蓄えられないものがほとんどである(その点を考えれば、脂肪は優秀だ)。記事によると、特に菜食主義者や摂食を控えるタイプのダイエッターに不足しがちなのがビタミンB1、B2、B12、カルシウム。特に上記3種類のビタミン不足は精神疾患を引き起こしやすい。まず、ビタミンB1が不足すると神経炎を発症しやすい。めまいが起こったりと、さきに精神を蝕むというよりもストレスに抵抗する力がなくなり、実際に神経に疾患が現れる。ビタミンB12も同様に、不足すると神経障害が起こり、貧血が起こりやすくなる。そしてビタミンB2が不足するとホルモンバランスが崩れ、精神的ストレスの元となる。体の奥、神経のほうからダメになっていき、結局はそれがストレスや鬱につながるという構図だ。

 肥満から免れても鬱病になってしまっては仕様がない。鬱から自殺という最悪な結果も考えられる。ロシアにとって深刻である高い自殺率が、また上乗せされてしまうのだ。それを懸念しての記事掲載ではないか。そんな意図が感じられる。
 ちなみに、記事には出ていないが、ビタミンB1、B2、B12を手軽に効率よく採れる食物としては、第一にビールがある。
 До Здоровье!
(臼利つくし)

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