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2006年11月19日 (日)

日曜ミニコミ誌! サントリー発・バーテンダー着!/『WHISKY VOICE』

Whi  今のところ、この稿を書いている私にはほとんど縁のない存在である。
「若いうちはその良さが分からないもの」であると言う人がいる。「気の置けない仲間と楽しくやるもの」と言う人がいれば、「自宅でひとり、じっくり嗜むもの」と言う人もいる。
 今回は、そんなウィスキーに関しての小冊子である。『WHISKY VOICE』はサントリーが全国のバーテンダーに向けて、商品の情報を共有し、ウィスキー・シーンを盛り上げるために発行している。つまり、一般の人に向けて作られているわけではない。基本的に販売しておらず、ごく限られた書店でだけ手に入れることができる。ただ、バーのカウンターなどに行けば、積まれているものを手にすることはできるらしい。
 サントリーの商品を扱っているバーにだけ送る、というわけではなく、メンバーに登録すればどのバーでも置くことが出来るという。

 シブい表紙である。版画の人物は大阪北新地のバー「樽」の、この道50年の超ベテラン、つまり実在するバーテンダーである。表紙はこの通りクラシックな感じだが、『WHISKY VOICE』の内容も味がある。バーテンダーへのインタビューものが多く、そこでは彼らの知られざる声などが紹介されている。
 大阪北新地「バー・ディサイド」のバーテンダー、戸田考司さんの談話をちょっと紹介。
 ある30代のお客がシングルモルトを飲んでいる。お客は、グラスに残したまま席を立って行く。それを見た50代のお客が、「残しやがって、もったいない!」と一言。そんな場面を見た戸田さんは、
「今、20代、30代のお客様は、ウィスキーを選ぶにも、その選択肢は昔に比べればはるかに広がっています。お酒は文化。他国の文化を消費、吸収するにはいろいろなものを知った方がいい」と言いつつも、「ただそこで何かを失ってしまうのは寂しいな……」と本心を漏らしている。
 うーむ、やっぱりバーテンダーとしてはサーブしたお酒を残されるのは気になるところなんだな…。

 小冊子といえども巨大企業が発行するものだから、「なんだかんだ言って販促につなげるためのPR誌的な要素が強いんだろ?」と思われるかもしれない。
 私もそう思っていた。しかし、終わりに近いページの「バーテンダーの広場」というコーナーを読んで、そうでもないことに気付いた。
 このコーナーは、『WHISKY VOICE』のアンケートに答えてくれたバーテンダーの意見を掲載しているものだが、その意見があまりにもストレートな形を保ったまま載せられているので(しかもバーテンダーの店と名前付き!)、編集人の妙な潔さを感じてしまった(実際に編集している段階では、編集人たちはけっこうヒヤヒヤしているそうだが)。
 私が手にしている最新号のお題は「サントリーのここが嫌い、ここが好き」である。
 回答をいくつか紹介。

「当然かもしれませんが、自社製品しか飲まない」。(前文ではなく抜粋)
「言葉も態度も丁寧なのですが、何故か雰囲気が鼻持ちならない傲慢性を漂わせていたのです」。(同じく抜粋)
「やっぱりサントリーだな、と思わせてくれる新しい文化創造的なものが減ってきたように思う」。(抜粋)
「こりすぎなCM」。(抜粋)
「他社同様、発泡酒に一生懸命ですね。本物をもっと売り出して欲しい」。(抜粋)

 ここで並べたのは、多少の愛を匂わせながらもサントリーに批判的な意見ばかりだが、実際に批判的な意見ばかりが並んでいた。しかし、お客に出す商品にもっといいものを出したい!というバーテンダーの心意気と、彼らとサントリーの関係を垣間見るようでとても興味深い。
 ここ最近、ウィスキーの売り上げ自体は低迷しているそうだ。10年前に比べると、売り上げは3割~4割に落ち込んでいるという。先のバーテンダーのひとりが呟いていたように、空前の発泡酒ブームのせいなのだろうか。
 ただ、その一方で、シングル・モルトなど個性的なウィスキーが評価を高めているという。モルトとグレーン(トウモロコシなどの穀物が原料)を混ぜ合わせたブレンデッドよりも、麦のみを原料とし、ひとつの蒸留所で作られたモルトは、蒸留所の個性がそのまま反映される。それが「ウィスキーの原酒」として受け入れられている。
 例えばCMでお馴染みの「山崎」は大阪府の三島郡にある工場でのみ作られている。水が抜群にいいらしい。

 ウィスキーメーカーによるバーテンダーのための冊子なのだが、一般の人、それもウィスキー・ファンなら文句なく楽しめる1冊。下記の書店には置いてあるそうです。(宮崎)

(* 書肆アクセス、ユトレヒト(渋谷区)、ジュンク堂書店(池袋・新宿)) 
(■ B6 56P 季刊 本体500円+税 サントリー株式会社・洋酒事業部)

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コメント

宮崎様

関係ない話題で恐縮ですが。

 先日在日朝鮮人の無年金訴訟で、大阪高裁は「救済措置は韓国が
行うべきこと」という理由で原告の控訴を棄却しましたね。私は
恥ずかしながら以前の宮崎さんのエントリーで無年金訴訟の事実
関係について知った口ですが、よく覗くブログでは「掛け金も払わ
ないのに年金を要求するとはけしからん」というような事実誤認が
飛び交っていたため、訂正するコメントを書き込んでみたのです
が、見事に無視されてしまいました。ハハハ。

 ところで朝鮮新報(http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/
j-2006/02/0602j1120-00001.htm)によると、もともと原告たち
は「日本人と同じように税金を払ってきた自分たち在日コリアンが
年金をもらえないのはおかしい」という滅茶苦茶な論理で提訴を
したようです。裁判では救済措置が云々という理屈で攻めていた
ようですが、当の原告たちの意識は所詮この程度なんだなあ、と
呆れました。宮崎さんはこの原告たちについてどう考えるのでしょ
うか。

 とにかく私は、被害者意識を振りかざしてずうずしい理屈を振り
回す原告、それに群がる自称人権派の弁護士や自称市民団体、そし
てそれを賛美して報道する新聞記者(中村記者のことです)、この
どうにも醜い三角関係に激しい嫌悪感を感じるところです。

 

投稿: 国家の犬 | 2006年11月21日 (火) 03時36分

改行をしくじった。orz 読みにくくてすみません。

投稿: 国家の犬 | 2006年11月21日 (火) 03時37分

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