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2006年11月 9日 (木)

「平和主義者」中川昭一氏を激賞する

中川昭一自民党政調会長という人はわからない。例の「核論議」に関しての発言が理解不能だ。いろいろと分析していくうちに彼は機知に富んだ平和主義者だとの結論に達したので洒落がわからず反発している向きに勘違いせぬようメッセージを発したい。
発言内容は主に『週刊文春』11月2月号の特集による。補足は適宜新聞記事などで行った。
1)僕は核保有論者でもない
「非核三原則を前提にして」とも述べている。つまり核を持たないし作りもしないばかりか在日米軍が持ち込むのも反対だというわけだ。
では何を議論したいかというと「核の抑止力の議論を提言したい」そうな。「北朝鮮が」「核実験をしたとするならば、日本に対しては脅威でしょ?」とも述べているから少なくとも抑止力はあるとの立場であるのは間違いない。核兵器に抑止力はないが脅威だとのロジックは立たないから。
となると何を「提言」したいのか。核保有論者ではないし在日米軍の持ち込みも許さないが抑止力はあるに決まっている核兵器とは何か……という「議論」とは何か。「議論を封じ込めること自体がおかしい」以前に、中川氏の前提条件では議論ができない。
2)アメリカはそこまでお人好しですか
「核以前に日本は何でもアメリカに守ってもらう」「アメリカが日米同盟のもと、守ってくれているのだから」などという議論は「お笑いぐさ」で「アメリカはそこまでお人好しですか」と来た。
おっしゃる通り。アメリカはそこまでお人好しではない。北朝鮮が厳然たる核保有国になったとして日本に通常兵器を積んだミサイルを発射して国内の在日米軍の所在地以外に被害を与えたならば米軍は反撃しない可能性はある、というよりも高い。
でもそれは中川氏が語るように「核以前」の問題である。しかし氏は「核論議」がしたいのだ。
中川氏は同時に「日米安全保障条約も」「『自衛』というテーゼが前提にある」とも述べている。そうだったっけ?日米安全保障条約はダレスの再軍備提案を基本的には拒絶して米軍駐留を求めた結果だったのではなかったか。安保条約の調印時点では日本は占領下にあって「『自衛』というテーゼが前提」だったらGHQに対する自衛となってしまう。
自衛隊の前身である警察予備隊は安保条約の前からあったが在日連合国軍(ほぼイコール米軍)が朝鮮戦争に駆り出されたので被占領国たる日本の治安維持が、つまり占領状態が揺らぐ軍事的空白を埋めるために作られた。だから「テーゼが前提」の主体とはいえない。
となると中川氏は日米安保条約なぞ信用ならんと言っているのか。言っているのだ!
と思ったら「日米安保体制は大前提だ」(朝日新聞06年10月28日)というからややこしい。何の「大前提」なのだろう

3)核不拡散条約(NPT)は大前提だ(朝日新聞同)
日本のウラン輸入国のうち英米は核保有国でNPTでは保有国から日本など非保有国に核兵器材料の提供を禁じている。他の輸入国であるオーストラリアとカナダも原子力協定などで平和利用に限られている(もちろん英米も)。それ以前にNPTは非保有国の核兵器開発や保有を禁じている。
NPTを大前提とすると日本は核兵器を製造も保有もできないし、しようとすれば原材料のウランの輸入が止まる。すると原子力発電所が止まってしまう。
では日本がゴミ屋敷の住人さながら不自然なまでに貯め込んだプルトニウムでしのげるかといえば「もんじゅ」の失敗で実現性は果てしなく薄い。
つまりNPTを「大原則」とする以上は日本の核兵器保有はあり得ず、かつ中川氏は核保有論者ではないから話のつじつまはあうのだが、だとしたら何の議論をしたいのかサッパリわからん。

つまりこうではないか。中川氏は本音では日本人による軍隊だけで国を守りたい。北朝鮮ごときが核で脅すなら日本だって持ってもいい。でもそれだとアメリカが怒って元も子もなくなるからできない。できないとわかっていても癪だから話ぐらいはしようぜ……と。

要は中川氏なりに自重しているから意味不明なわけだ。「平和主義者」はここを突くといい。いやいや中川さん。アメリカに遠慮などいらない。ドンドン本音を言いなさいとそそのかして差し上げよ。そうすると日米安保は破棄され、原発は止まり、やりたかった核武装も原料がなくなって無理となる。プルトニウムで核保有しようとしても隣に福祉施設ができるというだけで反対する住民エゴの巣窟である我が国に実験場はない。
これぞ「平和主義者」の望むところではないか。(編集長)

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