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2006年10月24日 (火)

マライア・キャリーの来日コンサート

10月20日のさいたまスーパーアリーナで観てきた。

以前からMariah Careyにはある確認をしたいと思っていた。05年のアルバム“The Emancipation Of Mimi”の大ヒットでグラミーも獲得し“We Belong Together ”が14週、“Don't Forget About Us”が2週にわたってBillboard Hot 100のNO.1になったために深刻な「問題」を抱えていたのだ。
BillboardのThe Most Number OneはThe Beatlesが20曲で歴代トップ、Elvis Presleyが17曲、Mariahは前記2曲を合わせると17曲で遂に“King”Elvisと並んでしまった。
まだある。The Most Weeks at Number Oneの方はElvisが79週、Mariahが77週、Beatlesが59週とすでにBeatlesを抜きElvisに2週差と肉薄している。
Kanye Westはやる気満々だろうから次作で1曲でもNO.1が2週以上続けばWeeksで歴代1位、3曲でThe Most Number Oneでも歴代1位になる。十分にあり得る数字だ。
それで冒頭の「確認」である。Mariahとはそれほどのミュージシャンなのか、と。

確かにスーパースターは間違いない。だがElvisとBeatlesを抜く、ないしは並んで歴代1位となっていいのかとなると話は別だ。直截な表現が思いつかないのでたとえ話をするが、ボンズがルースとアーロンの通算本塁打記録を抜いていいのかというのに近い感覚である。

背景にはBillboardの集計方法の変化もある。長い間The Most Weeks at Number One by Songでは1959年の“Don't Be Cruel/Hound Dog”(Elvis)の11週がトップだった。60年代から80年代までずっと。
ところが90年代に入って92年にBabyface会心の仕掛けによるBoyz II Menの“End of the Road”が8月15日の週から13週連続トップの新記録を打ち立ててから続々と10週越えのメガヒットが生まれてくる。同年11月にはWhiteny Houstonが“I Will Always Love You”で14週の新記録を更新し95年にMariah Carey&Boyz II Menという当たるしかない組み合わせで“One Sweet Day”が出た。同年末から翌年3月までずっとこの曲がかかり続けていた。結果は16週連続。現在の最長記録だ。
Mariahを観るとは1955年にBill Haley and His Cometsが“Rock Around the Clock”でロック元年をうたってから50年以上にわたるロック史上最高のヒットメーカーを観るに等しい。少なくとも数字上は。しかもMimiのヒットは最近であり現役感バリバリである。それほどの存在なのか。

会場の入りは何と6割程度。ガラガラに近かった。奥の席の客は空いている前の方に移動が許され、当日券はガンガン売っている。おかげで開始時間は50分ほども遅れた。これが史上最高のミュージシャンのコンサートなのだろうか。
やっと出てきたMariahは日本ではもう死語となりつつある「ビキニ」風。良くも悪くもヤバイ。良いヤバイとはデビュー時に絶世の美女とされ36歳の今も美しいには違いない女性が超露出してくれるうれしさ。悪いヤバイはお腹のお肉である。私は痩せぎすが好きなわけではないので構わないが世の女性が憧れるプロポーションには遠い。それでも14キロ減量していたらしいのだが。
しかも数度にわたって「お色直し」で消えるので、その度ごとにお呼びじゃないDJやら別人の歌やらが穴埋めに挿入される。したがって正味の歌唱時間は1時間を切る。アリーナ1万円以上にしてはサービスが極度に不足していた。何のパフォーマンスもせず単に歌いまくるだけでアメリカ人には不評なoasisがサービス満点に思えてくる。
いっそのこと「お色直し」をステージ上でやってほしかった。もちろんカーテンなどで隠してだよ。消える前後からいわゆる「口パク」になるのもどうか。

肝心の歌声は予想よりも声量はあったが売りだった超ハイトーンはさすがに苦しい。悲鳴に聞こえた。ヒット曲のオンパレードなので駄作はないが工夫もない。何よりもMimi以前と以後、言い換えればリストラ以前と復活以降の乖離がこなれていない。

終了後の第一印象は「Beatlesを目撃した」「Elvisと空間を共にした」という劇的な満足感にはほど遠かった。やはり大幅な遅れが響いたのか。これはMariahの責任ではなく興行元の怠慢ないしは傲慢な予測に基づくガラガラを観客不在で辻褄合わせした結果であろうが何にせよMariahの集客力がそうだったとの事実は揺るがせにはできない。
Mariah CareyはMadonnaと並んでSean PaulあたりのHip hopにはスピードについていけない日本人には好まれるアーティストだと信じ込んでいたから不入りは意外だったが案外とそうでもなかったのか。とにかく「歴史を目撃した」という感動はなかった。(編集長

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