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2006年9月21日 (木)

「朝青龍小泉」と「白鵬安倍」そして写楽

NHKの「安倍晋三自民党総裁決定」の開票実況の後で大相撲の放送に移り大関白鵬が敗れて横綱朝青龍は勝った。別に見たくて見たわけではないが病院で例の「3時間待ち」を食らって他にやることもないので(院内ではノートパソコンも使えない)待合室のテレビを眺めていたのだ。
奇妙な連想に駆られた。朝青龍は小泉純一郎で白鵬は安倍晋三ではないかと。ついでに言えば威勢はいいけど優勝する感じがしない千代大海が麻生太郎で地味で愚直な栃東が谷垣禎一。休場した魁皇が福田康夫、大関陥落後に地位復帰に励む雅山が加藤紘一…いや加藤は出島か?
待て待て出島は「出る出る出島」と呼ばれていたから某方面に「出る出る」話題満載の山崎拓だろう。出島に女性スキャンダルはあったっけ。昔「さまよえる下半身」とあだ名された力士がいたよなあ。そういえば相撲取りに最も例えるべき森喜朗は誰だ。琴欧州?ま、まさか……と待ち時間はかようにとりとめがない。

まあ「ついでに言えば」は真からついでであってどうでもいい。ただ「朝青龍小泉」と「白鵬安倍」は案外と当たっているんじゃないか。

あまり評価されていなくて不思議なのは朝青龍が1人横綱で優勝を重ねているところだ。相撲史上で大横綱とされている人もたいていは手ごわいライバルが横綱としていた。大鵬と柏戸のように優勝回数が圧倒的に違っても相方? の横綱はいたのである。それが去ると残った強い側も急速に衰えるのが常だった。だが朝青龍は1人横綱特有の孤独も孤立も感じずにばく進する。小泉首相も孤独を好み独裁然としていて気にも留めない。
朝青龍は右四つ、左四つといった型が判然とせず押し相撲でもない。いわば「なまくら四つ」であるが速攻と反射神経が抜きんでている。異形の横綱だ。その点でも小泉首相と同じだ。顔も何となく似ている。まだまだ余力を十分に残しているのも明らかだ。

対して白鵬は血筋の良さが安倍新総裁と共通するし若い頃から「悪くても横綱」(北の富士)と嘱望されていたのも2人ともである。
ただし角界では朝青龍がまだまだ圧倒的な強さを発揮しそうであり白鵬は今場所後の横綱昇進が見送られそうだから勝負弱さは克服できていない。まだまだ綱の器には達していないようだ。ところが政界は強烈な支持率をいまだ保ちながら小泉首相は頂点から去り、彼が去るがゆえに安倍総裁は間もなく首相に指名される。

当惑の原点がここにある。私は小泉首相が嫌いだ。それを感情で表すると「不満」「反発」「反感」といったあたりで散々に書いてきた。だが安倍次期首相確実さんは「不安」なのだ。今の大相撲は朝青龍1人が強すぎてつまらないとする声がある。だからといって朝青龍が突如去ったら面白くなるだろうか。代わりに何とはなしに白鵬が横綱になれば盛り上がるか。むしろ全体のパワーダウンにつながって観客席ガラガラになる気がする。
自民党が嫌いなお前ならば大歓迎だろうと聞かれそうだ。確かにそうした面はあるのだが安倍総裁は日本の首相になり私は日本人だから困る。「不安」とは彼の勇ましい姿勢や政策に発するのではない。以前にも述べたようにそれが確固たるものならば叩き甲斐もあるから。彼を心情的には嫌う私でさえ「しっかりしてくれ」と応援?したくなる弱さを感じる。逆の側の人に聞きたい。あなた方は安心ですか?

何だか最近は安倍氏のことばかり書いているが理由はこの「不安」にあるのだ。まだ綱を張る実力のない力士が雲竜形や不知火形を示して日下開山だと称している、ないしは称されているような状態で何が起こるのかわからない。一番悪いのはブチッと辞める大横綱の小泉首相である……ってオレは小泉続投を望んでいたのか! そんなはずはない。そんなはずはないのだがしかし……と自分でも意味不明に陥る「不安」。何なんだこれは。助けてくれ。

江戸時代の角界には「看板大関」というのがいた。見た目がいかにも強そうで「さぞかし」という風体の持ち主を最高位の大関(当時の横綱は称号に過ぎなかった)に仕立てて土俵入りをさせたが相撲は取らせなかった。とっても弱かった。東洲斎写楽の浮世絵で有名な大童山文五郎は大関こそ名乗らせなかったが愛らしい顔立ちと巨体ゆえに7歳にして現在は横綱だけが許されている1人だけの土俵入りを行った。この写楽の傑作が思い出されてならない。
「看板大関」や大童山のような存在は見せ物として必要だった。ただし真に強く人気もある大関がいる時期には置く必要もなかった。安倍氏を早くも「選挙の看板として価値がある」と押す声があるのとそっくりではないか。写楽は絵画にウイットを持ち込む天才で美男役者のウィークポイントをあえて強調することで「そのウィークポイントがあっても彼はやっぱり美男だ」と再評価させるような逆説を持ちこんだ。だいたい写楽自身の存在がウイットである。
現代に写楽がいたらきっと安倍晋三総裁を一分のすきもない「彼に任せておけば日本は大丈夫」としか思えない肖像に仕立てるだろう。だから心配なのだ。(編集長)

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