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2006年6月25日 (日)

日曜ミニコミ誌! そばへの情熱が封入された一冊!

Soba 会社に近くミニコミ誌を多く取り扱う書店『書肆アクセス』をぶらぶらしていたところ、『信州そば通信』を発見した。簡潔なタイトル、飾り気のない表紙にビビビときて思わず手に取った。出会いは常にビビビなのである。表紙をめくり、1ページ目に目次。始めの項目はタイトルよりさらに簡潔な「そば通信」。さっそく見てみると見出しに「本格手打ち用ミックス粉『信州二八そば』を発売」とあり、「信州二八そば」の商品情報が紹介されている。
「本品はそば粉『八割』400グラムとつなぎ粉『二割』100グラムをミックスした手打ちそば専用粉で、そば粉は信州産100%の石臼引き粉。(中略)昔から、そば粉とつなぎ粉をミックスしたものを『木鉢下』といい、そば店ではそば粉の風味を劣化させない保存方法であったが、本品はこの手法を取り入れるとともに、脱酸素剤を封入して挽きたての新鮮さと風味を保つ工夫が施されている」。
うーん、勉強になるなぁ。そばといえば立ち食いそばで、ただ足早に通り過ぎるだけの私には新鮮な内容だ。他の項には長野の新しいそば屋、優良そば屋の紹介記事、また知られざる(ホントに知られざる)そば屋の苦悩をドキュメンタリータッチで綴る『そばの細道』と題された連載モノがあり、それらの記事からは十分に信州そば、というかそば全般に対する編集者の愛情が伺えるのだが、最もその愛が炸裂しているのが大西利光氏の講演を収録した記事。タイトルも「いま、そば屋の姿勢が問われている!」と一段高いテンション。長野の山あいで妻と野菜を作り、そばを作り、街並み保存の運動にも参加するそば打ち人がそば界の現状を語る。押し寄せるコンビニやファミレスの潮流に流されそうだと訴えるそば屋に対してのコメントが「これはそば屋が負けているのではなく、自分たちのやっている姿勢が負けているのではないか」。これは、カッコイイのか何なのかイマイチ判然としなかったが、ではそば屋はどうすればいいのか、という部分になると「メニューを増やす」「どのような客層を狙うのか」ということについて具体的な方策を述べている。
「私が上田に参りまして14年が経ちますが、14年前は天ぷらと鴨料理が中心でした。ところが最近はどうやらお客の四分の一はベジタリアンで肉や魚を食べない。」
そこで大西さんは野菜をメニューに加えたところ、原価が安いにも関わらず同じ値段のえびの10倍が今では出るようになっているという。(なんだか腹が減ってきた…)
全32ページを楽しく読ませていただいたが、なんと発行している川辺書林さんにお話を聞くと、『信州そば通信』はもう発行していないということだった。ここまで読んで買ってみようと思った方、怒らないでください。そば関係の書籍を出版している同社が県内の書店やそば屋に置いていたが、「財政的に苦しくなって」これ以上続けることが困難になったとのこと。ミニコミ誌には広告収入がない。だから売り上げのみが発行者の財源になるが、売り上げ以前に大きな広告を打つこともできないミニコミ誌は認知度を高めることも至難のわざだ。面白いだけじゃ続けることはできない、それが現実なのだ……などと考えつつそば屋へ。(宮崎)

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