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2006年6月13日 (火)

「右は反中で左は反米」は逆である

素朴な疑問である。
今の右の人はひまさえあれば中国の悪口を言っている。でもさあ。右のイデオロギーが国内で示される時には靖国神社首相参拝万歳とか東京裁判は無効だなんてパターンだよね。要するに先の大戦は悪くて自衛戦争、もしや欧米列強からのアジア解放戦争で、だから当時の指導者も祀られる靖国に首相は行くべきだし、東京裁判なぞデタラメだというわけですよね。
だったら先の大戦で右の人が「ここと戦った」と痛感しているアメリカこそ目下の敵であるべきではないか。東京裁判やサ条約がアメリカ主導だったのは間違いないのだから。
逆に中国は解放してやったんだからよかったじゃない。確かに同国は1949年から共産党による独裁体制だ。右の敵が共産主義であると知らないはずもないが今の中国は「社会主義市場経済」「貧富の差が増すばかりの平等社会」という、センテンス自体がギャグ化している、要するに「まともな共産主義」でない国家であるのも自明である。だったら敵にあらずとどうしてならないのかな。

右は「中国は北朝鮮の味方だから嫌いだ」ともいう。確かに中国が最終的には北朝鮮を救う側に立つのは歴史的経緯を考えれば正しかろう。だけどね。東アジアのあっちこっちに共産政権ができたのも元を正せば当地に影響力をもっていた我が大日本帝国をアメリカが駆逐した結果でもある。
それに中国と同じく、いや中国以上に北朝鮮を「共産主義国家」「人民民主主義共和国」と信じている人物が金正日総書記を含めて?世界で何人いるのか。昔はともかく2006年の今日に、だ。吉田康彦先生と井上周八先生(ご存命・ご健勝でいらっしゃいますか)の2人しか思い浮かばない。もしかしてこの御2人様でさえ変わっているかも(調べてないけど)。
あそこは「王国」「帝国」あたりが適当な封建国家と見なすのがどう考えても正しい。そして中国共産党はギャグであるからイデオロギー部分で右の敵ではないのではないか。

近代における「日本・右」のイデオロギーとは西郷隆盛など維新の志士あたりを源流とするというのが史学界では多数派である。それは民族主義であり、外形的には外国からの侵略への対抗意識や危機感に発する。
その外国とは中国ではない。むしろ中国を叩いていたイギリスなど欧米列強である。あの如くに蚕食されては堪らんとの危機感が幕藩体制への不信感へつながった。でないと攘夷が開国・討幕に変換した解が求められない。

維新以降、その危機感は中国や朝鮮半島を押さえて自らを強国として列強に立ち向かうとの方向になった。むろん中国人やコリアンにとっては日本の手前勝手な理屈だが民族主義とは端から手前勝手なものである。それを最終的に挫いたのが先の大戦のアメリカである。だから右本来の敵はアメリカであるべきだ。
もっといえば右は中国に恩義さえある。右が恍惚と物語れるドラマとは日清戦争、日露戦争の勝利であったり、「十五年戦争」の前半だったりする。その相手ないしは舞台は中国ではないか。これがないと右右右と集まっての酒席は決して盛り上がらないはずだ。

逆に左は反米を唱えているが、実はアメリカに恩義がある。戦前に左は弾圧された。その弾圧当事者や仕組みを叩きつぶしてくれたのはアメリカであるのは厳然たる事実だ。
確かにアメリカはもともと資本主義の塊かつ総本山であるから共産主義のライバルではある。だが左のイデオロギーは右よりは単純だ。というか左という概念自体がイデオロギーそのものだ。
その点から今の中国のイデオロギーを観察すると先に述べたように「まともな共産主義」ではなくなっている。アメリカが元からの敵だとしても中国の現状は左の人にとっては裏切り者であろう。アメリカナイズされた共産主義・・・・ワハハハハ。

マルクスだ科学的だ空想だ共産主義だ社会主義だ修正云々だ労農派だ社会民主主義だ反スタだ何とかだと左でない私には一緒に見えても左の人達にとっては大事な違いがあるのは気配として知っているが、そんなこんなが一緒になっても(と書いて怒らないくらいの度量がほしい)「社会主義市場経済」「貧富の差が増すばかりの平等社会」は裏切りでしょう。
元よりの敵と裏切り者。先に始末すべきは後者であると昔から相場は決まっているはずだ。

しかもだ。今日の左の頽勢はモデルとなる国家を失ったのが大きい。ソ連と東欧はとうの昔に消え去った。一応共産主義だと自称している国家で最大なのは中国である。ヴェトナムやキューバを例示して「ああなりたい」「こうあるべきだ」と説いても若者・・・・どころか高齢者に至るまでついてこない。どうしても「共産主義といえば中国」(北朝鮮は論外なので)とのイメージになる。
だが上記のように中国はギャグコミュニズムという新たな地平を切り開いてしまった。つまり左がいくら「社会的科学主義とは何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何だ」と長ーい説明(極左を取材すると30分は聞かされる)をしても大半の人は「要するによくて中国みたいになるってことでしょ」と聞く耳を持たないに決まっている。
これは痛い。右が一応アメリカというキラーコンテンツ?を持つ(本稿はそれを誤りだと主張しているが)に対して弱すぎる。中国が「何何何何何何何何何・・・・」を実現している国家に生まれ変わってもらわなければ左はいつまでもショーウインドーを持ち得ない。単に裏切り者に対する復讐だけではなく啓蒙そのものにギャグコミュニズムは害をなすのだ

要するに本来の姿は

「右こそ反米、左こそ反中」

のはずなのだ。

そこにどうして気づかないのか。「目覚めなさい」とのテレビドラマの決め台詞を贈りたい。
ところで誰の台詞だっけ。釈由美子だったかな? さっそく「釈由美子 決め台詞」でグーグル検索してみよう・・・・違った。「お逝きなさい」だった。右も左も逝っては気の毒だ。
だったらどうすれば・・・・ってオレもバカだな。「目覚めなさい 決め台詞」で検索すればいいのだ。あったあった。「女王の教室」で天海祐希演じる鬼教師の「いい加減目覚めなさい」だった。すいません。全然ドラマなど見ないので。(編集長)

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