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2006年5月11日 (木)

共謀罪が可決成立しそうな怖ろしさ

何が怖いといって共謀罪が成立すること自体ではない。それを大したことではないように感じている国民の感覚の鈍磨にある。
こうした問題は教育基本法改正にも共通している。米軍再編もそうだ。何をいいたいのか十分に表現できるか珍しく不安なのだが試みてみたい。

例えば歌舞伎町には交番がある。この街には明らかに違法である裏DVD店や本番オーケー風俗がある。だが取り締まりは通り一辺倒だ。東京にはさすがに見当たらないが少し地方に行けば暴力団の組の看板を掲げた事務所がある。新宿西口周辺では時折明らかなシャブの密売人がモソモソしている。いずれにも交番はある。シャブが公然と手に入ることなど今や中学生でさえ知っている。

共謀罪は「組織的犯罪集団による犯罪」を取り締まるのだという。しかしこのように現法制下でさえ明らかな違法状態があって、多くは組織的犯罪集団であろう暴力団の息がかかっている。法規はあるのに見過ごされている。
その一方で別件逮捕や微罪逮捕も横行している。今年に入って大々的に行われた耐震強度偽装事件に関わった者どもへの大捕物は誰が何といっても別件・微罪逮捕であろう。オウム真理教問題が佳境に入った際には自転車の無灯火でパクられた信者もいた。全共闘華やかなりし時代では車道を歩いたというだけで道交法違反で捕まったと聞く。

別件・微罪逮捕に賛成か反対かと聞かれれば私は反対だ。だが本稿ではこの是非は論じない。指摘しておきたいのは別件・微罪逮捕という手法で時に当局は大捕物をやってのけるし、多くの国民もそれでよしとする気風がこの国にはあるということだ。

ここまでをまとめると今の法律で十分に取り締まることができる「組織的犯罪集団による犯罪」が多数あるのにしていないという事実と違法であろう別件・微罪逮捕という手法を駆使してでも当局は時に摘発するという事実の2つである。前者を改善するか後者を用いれば共謀罪の新設など不要である。
マスコミとくに新聞記者ならば、そのことは絶対に知っているはずである。当局が熟知しているのは疑いようもない。つまり現在、共謀罪を新設する理由は新設する理由としてうたわれている理由ではないのは明白である。マスコミはそうと知っていて報じない。あくまで「新設する理由としてうたわれている理由」を前提として反対・賛成の論陣を張っているに過ぎない。猛烈な批判精神の劣化である。本当の理由は「思想・信条の取り締まり法規がほしい」に決まっている。そうでなければ相変わらずの別件・微罪逮捕でいつでも誰でも拘束できるのだから。だから国会審議で「あり得ない」と答弁されている事例を狙っているも明白だ。

ではマスコミが悪いのか。当ブログでも再三書いていることだが政治家と同じくメディアのレベルもまた国民のレベルを超えて存在することはない。だからメディアの劣化は国民の権利意識の劣化に合わせてのダウンサイジングなのである。表現の自由の大切さ・・・・では弱いな。表現の自由の擁護義務を欠くバカ者ばかりになっているといっていい。島国根性改めて奴隷根性が列島を覆っているのである。

第二次護憲運動は第一次に比較して宮廷革命的な要素が強かったが、その結果成立した加藤高明護憲三派内閣は大正デモクラシーの精華の1つと評価されている。その加藤内閣が成立させたのが1925年の治安維持法だ。国民が良かれとする内閣が悪名高き思想取り締まり法を生んだ。1910年の大逆事件で幸徳秋水は多分容疑事実に挙げられた程度のオダは発したかも知れぬ。だが彼らを取り巻いた環境を考えればオダ以上にならぬのは明々白々であった。オダを共謀とするのが共謀罪の狙いであるに決まっている。
国家総動員法は事実上の授権法であったが反対する国民などほとんどいなかった。戦前は元より表現の自由が制約されていたという議論がある。だがこうした経緯を見れば反対してもいい状況で黙っていたり逆にエールを送って取り締まりに拍車をかけさせたともいえるのだ。その結果が「大本営発表」とボロ負け敗戦だったのだ。

教育基本法に盛り込む「国を愛する」に統治の主体は含まれないと法案提出者はいう。だが本心は統治の主体を愛せよと強制したいに決まっている。ここが共謀罪と同じだ。さらに似ているのは仮に「統治の主体は含まれない」としても現時点で多数の国民が「統治の主体」に熱狂的な愛情を注いでいる。それは昨年の総選挙で大いにわかった。だから法文化など不要である。それを求めるのは「統治の主体」を愛させた希代の魔術師である小泉純一郎のような「個人技」を持ち合わせていない「ポスト小泉」の脅えであろう。

奴隷根性に染まった阿呆に目覚めよと促すのは荒馬を乗りこなすより難しい。阿呆に限って自分が阿呆だとは思っていないからだ。それがどうやら有権者の5割近くはいるらしい。どうせこうした物言いをしても目覚めぬであろうし全国で10人ぐらいしか読んでもくれまい。だが黙っていてはみっともなさ過ぎるから叫んでおく。私は平凡な頭脳しか持っていないが、それでも気づく奴隷への道への警鐘は鳴らしておかねばならない。気づいてほしいのは本心だ。だからいくらムダだとわかっても書く。阿呆は自身と孫子の代への犯罪である。(編集長)

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受信: 2006年5月11日 (木) 17時24分

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