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2006年2月 4日 (土)

松下電器好決算への困惑

「参ったな」。朝から数人の広告代理店勤めからメールやら電話やら。松下電器産業の第3四半期の連結が売上で前年同期比4%増で営業利益が同じく約5割増と四半期の売上としては過去最高だったことだ。

何で広告マンが松下の好決算で参るのかというと第3四半期は例の石油温風器事故対策で年末商戦に販促のCMも新雑広告も打てず、逆に「ご迷惑をおかけして・・・・」CMなどの温風器回収のための広報活動に100億円以上の巨額な出費を強いられた点による。
「代理店としては行って来いだからいいんじゃないの」と私が意地悪をいうと相手はみな色をなす。とんでもないとね。
会社の不幸で儲けるのも代理店の大切なお仕事である。ウソか本当か知らないが(マスコミ人の話はネタが多いので)例えば「火事だ」とわかったら、つまりサイレンが鳴って災害先が企業らしいとの情報が入ったら真っ先に車で飛び出してお詫び広告取りに走ったそうな。
火事の際にはたいていの人は火元から逃げるが突っ込んでいく者もいる。消防士と新聞記者と火事場泥棒だ。実は広告マンも混じっていたのか。
119ないしは110の速報を記者クラブで受けて火事場に着いた時に炎がメラメラと上がっていたら本物の大火災。たいていは消火が進んでいて煙ばかりである。しかたがないから煙を写す。つまらない写真になる。

閑話休題。「行って来い」と私がいったのは販促の広告自粛の代わりにお詫び広告が入ったからいいじゃないかとの揶揄である。だが予想通りそうではないらしい。多少大げさにいえば広告の存在意義を問われる出来事であるようなのだ。
かき入れ時の年末商戦で販促広告が打てなかったにも関わらず過去最高の売上が記録できたということは「そもそもばく大な広告費に費用対効果があるのか」との疑いを今後スポンサーに入れられる恐れがあるんだって。
そこで言い訳をさっそく考えていた。以下のような内容である

1)広告を打っていたらもっと売れていた
好決算の理由はプラズマテレビやデジカメの売上が堅調だったからとされる。だがそれは石油温風器云々に関わらずブームとして売れただけであり広告をジャンジャン打っていたらもっと売れたはずだ。

2)お詫び広告が好感された
石油温風器とプラズマテレビおよびデジカメは商品としての関連がない。後者は命に関わる危険が最初からないからだ。昔のブラウン管テレビは古くなると煙を噴いたりしてたけどね。あそこまで低姿勢で詫びる姿に顧客は松下の誠実さを感じた。だから企業価値の決定的な毀損にはつながらずに済んだ

3)SP広告が補った
マスコミ4媒体や大がかりなチラシでも販促はできなくとも販売店がPOPなどさまざまな工夫をして店内での広告活動は普段よりもしっかりとやった。代理店も十分にその点をサポートした

何だか本当っぽいような嘘くさいような。ふだんから入れ稿出し稿あとは白浪。さあ終わった六本木だ!の人達が真面目に分析している内容はどうも信が置けない。といって間違っていると明白に指摘できる根拠もない。

1)に関しては飽くまでも仮説である。それを証明したらしき分析もできようが私はそもそもマーケティングや波及効果なるものをあまり信じていない。
文字通り入れ稿出し稿でやっていた時代にある代理店が「うちは科学的にマーケティングできる」と言い出したので他社も追随した。多分そんな経緯であったように記憶する。しかし今もって広告の効果測定はできない。広告を打って商品が当たったとする。しかしそれは広告がよくて商品もよくて売れたのか、広告のよさが商品の悪さを覆ったか、広告は悪くとも商品がよかったからか、広告の悪さがかえってインパクトを生んで商品の良し悪しに関わらず売れたのか。わからんといえばわからない。
えっ、そんな姿勢だからお前の会社の本は売れないんだって? 南無。

2)にしても石油温風器の不具合は昨年中から指摘されていたのに経済産業省からリコールの緊急命令を受けた年末にあわてて始めたドタバタであった。本来ならば企業理念を厳しく問われてしかるべきであろう。
しかしテレビはやらないんだね。大スポンサーだから。ライブドアはCM出稿が少ないから散々に叩ける。こういうのもやっぱり不公平の一端である。

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コメント

二酸化炭素を発生する暖房器具は、今後、無くなってしまいそうですね。 安全第一です。

投稿: オイルヒーター | 2009年10月19日 (月) 11時09分

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» 広告と報道の関係 [Independents' Weblog]
最近、朝のTBSラジオを聞いていると、 「明るいナショナル」 のジングルの後、石油暖房機の回収のお知らせが流れる。 有る時期に販売した機種で、火災の恐れがあるため、回収して いるのだろうが、この件が、報道として流れるのを残念ながら 聞いた事が無い。 以下、関西の某半導体メーカーの話 幕張メッセで、数年前、その会社の旧知の友人に会い、馬鹿高い ラウンジで昼飯を食いながら、世間話をしていた。 「あの事件でなあ、散々叩かれたんだよ。」 「あの事件」とは、食堂での食中毒事件である... [続きを読む]

受信: 2006年2月 4日 (土) 02時31分

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受信: 2006年4月23日 (日) 18時36分

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