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2006年1月13日 (金)

私は日本の人口は多すぎると教わった

くわしいことはわからないが少なくとも私の世代の前後、かなり広い範囲で子どもの頃、以下のように教わったはずである。

「日本国は狭い。その上に平地や平野が少ない。ところが人口は1億人以上いるので人口密度が高い。また地下資源にも乏しい。食糧自給率も低い。よって加工貿易で生きていく以外の術はない」

ウソだったのか。

この論理によると諸悪の根源は「日本は人が多すぎる」である。ただ小学生の頃でさえ「だったら殺せばいい」とは思わなかった。と同時に多すぎるならば減ればいいとも感じた。そしてそれが05年度から始まったという。いわゆる人口減少だ。
もしあの時の教育が正しければ人口減少社会は願ったりかなったりのはずである。ところが現実には大問題と騒がれる。いろいろな根拠を持ち出すが要するに減るのはまずいという。
人口密度の問題は諸外国との比較まで教わった。国土が広がらない以上は人口減でしか過密を和らげる方策はない。そして現に減り出した。万々歳でないのはなぜだ。
江戸時代後期の人口は約3000万人で推移している。それで何とか食ってきたのみならず多くの文化も生み出した。今の約4分の1まで減っても本来はどうってことはないのではないか。

地下資源に乏しいという話は歴史を学んでいくうちにウソだとわかった。正確にいえば日本列島は豊富な地下資源が埋蔵されていたが先人が目ぼしい物資を掘りまくって蕩尽してしまったために現代はなくなったのであった。
ここで2つの教訓を得る。一つは先人も基本的には「我が亡き後に洪水は来たれ」の姿勢であるだけを好き放題に使いまくってきたこと。だったら我々も後世のことなど考えずに好き勝手をすればいい。
もう一つはプレートに押し上げられた列島に地下資源がないはずはないこと。確かに金銀などは掘り尽くしたかも知れぬが先人が価値を見出さなかったり現代の科学技術で新たな意味を吹き込める資源はきっとあるはずだ。

加工貿易しかないという刷り込みに至ってはマンガである。確かその方法について「原材料を海外から輸入して付加価値をつけて外国に輸出し、そのサヤを稼ぐ」といった論理だった。
確かにその方法は一部、または一時期成功したが、だからといって唯一の成功方程式とはいえない。たまたま当たっただけかもしれないのである。日本と同じく資源がなくとも観光や金融、待遇などで生き抜いている小国はたくさんある。例えばなぜ日本は観光立国にはなれないのか。答えを聞いたことがない
また世界一の長寿国であるのはそれなりの理由があろう。長寿は人間の憧れである。だったらメカニズムを解明するだけで大発見である。ゲノム解析などは逆立ちしてもアメリカにはかなわないが、その行き着く先は結局は長寿の獲得である。まさか不老不死ではあるまい。だったらすでに実現している日本にヒントがあるに決まっている。

食糧自給率は本当にそんなに低いのか。農林水産省の統計はあてにできない。統計によるとブタは食糧だがブタの餌は食糧ではない。だが食糧の自給が本当に問題になるのは飢えが国を覆った時であろう。その場合でも人はブタの餌はブタの餌と見向きもしないのか。
そんなはずはない。その時にブタの餌は食糧になる。なるもならぬも食って生き延びようとするに決まっている。だから現在の自給率計算は信用できない。

何にせよ戦後の世代はかなり長い間「日本は人が多すぎる」と教わってきたのだ。したがって子を産まぬという選択をするのは教育に正しく反応した結果である。それが間違っていたというならば、どこがどう間違っていたかを改めて教示されたい。ウソを教えた責任も取ってもらわなくてはなるまい。

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コメント

 確かにそう教わりましたね。今日の新聞には出産費用を無料にすると言う記事が載っていましたが、「年寄りを養うために子供を産め」と言われているようで、意地でも産みたくなるのではと心配になってきます。貧乏してても子や孫の世話にならずに一生を終えたいと思っている人は多いはずなのに。

投稿: hide | 2006年1月13日 (金) 11時15分

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