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2005年12月25日 (日)

鈴木宗男が個人情報保護法改正を訴える理由

小誌新年(06年)1月号に「私が個人情報保護法改正を訴える理由」と題して鈴木宗男衆議院議員の見解が掲載される。
以前にも紹介した通り彼の主張は「個人情報保護法から国会議員と指定職の公務員を除外すべき」という実に真っ当な内容である。

天下の悪法を小泉内閣が通して以来、その改正や廃止を求める声が徐々に小さくなっていった。今ではほとんど聞こえない。事業会社は今年4月の施行に合わせて「ああだこうだ」と対応に追われたが法自体には羊のように従順である。
小誌は断固として個人情報保護法反対である。ぶっつぶすのみである。この1点だけで小泉政権は最低最悪のレッテルを貼って何らおかしいとは思わない。
だが失礼だが「疑惑の総合商社」とまでいわれて逮捕され、いまだ刑事被告人でもある鈴木議員が個人情報保護法改正を訴えるのは当初いささか奇異に感じた。小誌へ見解を寄せてもらいたかったのも私のこうした疑問に端を発したといって過言ではない。

鈴木議員は小誌での記事で
「私は平成14(2002)年に皆様ご承知のようにマスコミから激しいバッシングを受けました。もしあの時に個人情報保護法があれば私はあれほどまでには叩かれなかったでしょう」
と同法が自身に役立つ効用は認めている。しかしここからが並みの展開ではない。「しかし、そうした経験があるからこそ私は反対するのです」と意外な論理を繰り出す。

「いわれなき報道やバッシングに遭って、ご存じのように収賄罪で逮捕・起訴されて拘置所に保釈もかなわず長い間入れられ、私はつくづく考えました。それは『マスコミ、メディアも結果的には権力に使われていたのだ』ということです」(小誌06年1月号より)
拘置所で権力の座にあった者が通常「つくづく考」えるのは一刻も早く暖房も冷房もない檻から脱出することであろう。傲然と構えていた政治家も大半は検察官の前にひれ伏すものだ。だが鈴木議員は別のことを考えていた。大した胆力だと驚かざるを得ない。

その結果、次のような結論に達する。
「権力の立場にある者(私の場合は外務官僚)が情報を誘導してマスコミが利用され、さらにそれに検察などの捜査当局までが加わり、『鈴木をやるぞ、やるぞ』とヒートアップしていく。そして次第に何がもともとの争点だったのかさえもわからず仕舞いのままに、ただ単に『鈴木排除』だけで盛り上がっていってしまいました」(同)
当時のムネオ騒動に情報操作があったのは今では公然の秘密である。与党の国会議員であるだけでなく、当時の鈴木議員は旧橋本派の要職にあって場合によっては総理総裁の目もあった有力者であった。
それほどの位置にあっても「やるぞ、やるぞ」のムードには抗しがたく「盛り上がってい」った結果を鈴木宗男本人は保釈さえ許されぬ拘置所のなかにいる自分というヒリヒリするような実存によって痛感した。
ありうることではある。だが奇跡的な邂逅でもある。

見解には私の方が「痛い」指摘もある。
「この法律では新聞社や報道機関、政治団体などは適用から除外されることになっていますが、出版社はその中に含まれていないという点も大問題です。週刊誌に散々叩かれた私が言うのだから間違いありません」
「逆に出版社などに聞きたいのは、なぜもっと法律が成立するまでに本気で反対の声をあげなかったのか、ということですよね。もっと本気になっていれば変わっていた部分もあるかもしれません」(同)
形なしである。自分を「やるぞ、やるぞ」の尻馬に乗って散々叩いた週刊誌などの出版メディアを彼は守るために戦うというのだ。そういう自由がなくてはならないと主張する。挙げ句の果てに出版社は何やっていたんだと疑問視される我らが体たらくは恥じ入るばかりである。

鈴木宗男は本気である。個人情報保護法を「法律をかくれみのとして使い、情報隠しや操作で国民をだまし、陥れようとする悪法」と切り捨てている。小誌のようなミニコミにまで意見を発信してくれた。
彼が問われている罪は罪であろう。しかし論告求刑通りの判決が仮に確定したとしても、その罪よりも今に至るも個人情報保護法改正を訴える功に比べれば小さいというのが私の思いだ。だから明け透けに応援する。頑張れ!鈴木宗男。

【お知らせ】
明日より6日間、休載の予定です。何とか年越しのメドを立てて年末年始に再開したく存じます。気高き読者の皆様。申し訳ありません

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