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2005年12月19日 (月)

「ウザい」「クサい」「ヤバい」「キモい」攻撃

青少年男子を凶行に走らせるに刃物は要らない。「ウザい」「クサい」「ヤバい」「キモい」との言葉の攻撃を浴びせればいいのである。「ヤバい」にのみ若干いい意味も含まれるがたいていの青少年は傷つく。そして「キレる」との逆襲に転じるのである。

こうした言葉に苦悩している青少年よ。心配するな。私もそうであるが全然気にしていない。それどころか堂々としている。
だから結婚できないんだとか、それ自体が逆ギレだとか、お前がそうであっても全然励ましにならないとの意見もあろう。すべて却下する。

要するに私はブタなのだ。太ってはいないけれども「イメージはブタ」なのである。

ブタが寄ってきたらウザい。ブタのくせに人語をしゃべったり意見を言ってもウザい。それが正論だったり人様に恋をしたりすればキモい。
ブタは本当はきれい好きだがイメージとしてのブタはクサい。そんなこんなを全部ひっくるめてヤバいというわけ。

誰も期待していないだろうがさらに詳細に分析する。
最大の原因は容姿が醜いという点である。見場が悪いから少しでも動くとキモいのだ。それは認める。私の容姿は間が抜けている系だと以前に書いた。ところが口は達者である。
ボサッとした間抜け面から速射砲のような発言がよどみなく続けば正常な人は「あり得べからざる事態」と警戒し、そのずれをキモいで片づける。
ほめてくれる人でさえ「見かけとのギャップが大きいね」という。それがキモさの正体だ。私は水泳が得意であるが「えーっ!泳ぐんですかあ」と以前にバイトの女子大生から驚かれた。確か昔の東京スポーツの見出しに

ジャイアント馬場激怒 俺の趣味が読書でどこがおかしい!

というのがあったとの記憶があるがこれに近い。近くないって?近いのだ!

次にウザいである。これは前述のように「寄るな」ということだ。私の平均の体温は36.5度だ。ところが最近の若者は35度台が主流となっている。
実はこの変化は基本的に衰弱なのだ。体温の高さはウイルスなどへの抵抗を高める。バカ親がインフルエンザにかかった子どもに解熱剤を与えて脳症が続出している。人は体温を高めて戦うのである。
しかし低体温で衰えている者は頭も衰えていて自分より基礎体温が高い生命体が寄ってきたら文字通り暑苦しいとだけ感じてウザいとなる。暑苦しい男は生命力が強いのだ。それをウザいと感じる側は死にかけているのだ。
かてて加えて私は以前は多汗であった。醜悪な容姿の男が汗をかいていると実にウザいらしい。ちなみに美男子の汗は青春の象徴だそうな。もう一つちなみにいうと両者の汗の成分に違いはない。汗が無臭である点も同じであるはずだ。
しかし今は本当に汗をかかなくなった。ただしこの変化は多汗から「老い」に入れ替わっただけである。老いぼれてきたオッサンはウザくて当然だ。

さてクサいである。人は皆くさいのだ。しかし格好悪い男はダイレクトにクサいと嫌われ、美男子はフェロモンとか呼ばれる。同質なのにこの扱いの差は何だ。
クサいに関しては時代の変化も感じる。私が子どもの頃は本当にくさい子がいた。私とて小学校低学年までは銭湯通いの身分であったが、その子らは本気で貧しかった。
家を訪れてビックリした覚えがある。川べりにウナギイヌ夫妻の家のように建っていたり「家と呼べというならば家」と表現するしかない拠点に起臥していた。着るものも銭湯代にも事欠くようで文字通りくさかった。その点でいじめられてもいた。
クサいとはすなわち貧しいの転化である。「手前は貧乏くさい」のクサいである。ならば一向に気にすることはない。資本主義社会は貧富の差を容認するが貧しいから人権を制限されるわけではない。クサいを連発して有卦に入っている者はそれさえわからぬバカである。貧しい方がバカより数段人間としてはマシである。いわせておけばいい。

ヤバいは先述の通り良い意味も含む。私を「アナーキー(無政府主義的)な雰囲気ですね」と称する方がいらっしゃった。これなぞヤバいを遠回しに表現した結果だろう。良い意味も含むならば良い意味だと解釈すれば終わりなのだ。

「ウザい」「クサい」「ヤバい」「キモい」の逆は清潔で透明感があって階調を刻んでマッチョな人物像となる。やなこった。少なくとも私はゴメンである。そういうタイプが敵空母に特攻せよと命じられると迷いなくハイというのだよ。それで死んで英霊になってもつまらない。
「ウザい」「クサい」「ヤバい」「キモい」攻撃に悩む者よ。あなた方はどうなんだ。やっぱりゴメンならば気にする道理がそもそもないから言わせたいだけ言わせればいい。

【お知らせ】
明日から3日間休載させていただきます。毎日読んで下さる一握りの、しかし気高き読者の皆様すいません。書きたいことは山ほどあるのですが年末年始に片づけるべきこともまた山のようになり後者の山を越えないと前者の山に挑戦する前に息絶えてしまうとの切実かつ情けない理由によります。どうかご容赦。

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