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2005年11月24日 (木)

祝日の無意味さをめった切り

今日(11月23日)は勤労感謝の日であった。うかつにもまったく知らずに出社した私は何だ。何が悲しくての勤労感謝なのだ。法律では「勤労を尊び、 生産を祝い、 国民互いに感謝しあう」日だそうな。もともとは戦前の新嘗祭である。皇室祭祀を無理矢理祝日にしたわけだ。
「勤労を尊ぶ」というが誰が誰を尊ぶのかわからない。「国民互いに感謝しあう」ということはお互いに誉めまくる日ということか。だとしてもそんな風景は見たこともない。現に私は一度も誰にも感謝されたことがない。「生産を祝い」はブラックジョークか。出版社における生産とは在庫である。あれを祝うのか?

勤労感謝の日に限らず日本は祝祭日が多い。合計で15日+1日だ(+1日については後述)。たぶん世界一多いのではないか。有給休暇を任意で取れず、お休みまでお上に決めてもらって一斉に休まないと気がすまないとは情けない国民性である。
そもそも15日+1日の休みそれぞれに休んで祝うほどの意義があるのだろうか。年初から順に追っていくと次のようになる。なおハッピーマンデー(この言葉も何とかならんか)で月曜日に移動する日も取りあえず本来の日付で紹介する

◎1月1日 元日・・・・戦前の四方拝。ここから3日間は休む通例になっている。出版社にとっては年末進行という苛酷なスケジュールを作る元凶

◎1月15日 成人の日・・・・荒れ狂う若者を無理矢理式典に参加させる浪費を官民挙げて行う日。20歳以外の人が祝う必然性なし

◎2月11日 建国記念の日・・・・戦前の紀元節。記紀の初代神武天皇即位日の「辛酉年正月元日」。どうやら太陽暦に置き換えると紀元前660年2月11日になるらしいが、そんな計算はでっち上げ。神武帝即位自体は既に神話にすぎないと広く知られているが換算もでっち上げということは意外と知られていない

◎春分日 春分の日・・・・戦前の春季皇霊祭。農業的な意味合いでの暦法がすたれた今日では何が面白くて昼と夜との長さがほぼ同じになる日を敢えて祝うか不明

◎4月29日 昭和の日・・・・昭和天皇の誕生日で昭和戦前の天長節。実は明治維新後の天皇で今上を除く3人のうち大正天皇の誕生日(12月25日)だけ戦後は祝日になっていない。これって差別じゃないの

◎5月 3日 憲法記念日・・・・日本国憲法の施行日。まあこれは祝う価値があるでしょう。ただ制定日ではなく施行日にしたのには無理矢理感あり。その理由は後ほど

◎5月 4日 みどりの日・・・・季節の中で一番緑が萌える日・・・・ではもちろんない。5月は3日と5日が休みで「どうせならば4日も休んじゃえ」との不純な動機のみで作られた。当初は「国民の休日」という意味不明な祝日にふさわしい?名がついていた。本来は4月29日の昭和天皇誕生日が薨去によって「みどりの日」となったが、それを昭和の日に書き換えたので移動?してきた。無意味の極み

◎5月5日 こどもの日・・・・宮中宴会の「端午の節会」の日。習俗としては男の子の初節供であるから男子長男のみの祭りであるはずだ。それを次男以降および女子にまで広げて「子どもの日」とは大げさな。3月3日の桃の節会は祓いの人形と女子の遊びとが関連づけられて主に女の子の初節供(雛祭り)となっているから少なくともこちらも祝日にしないと男女差別である

◎7月20日 海の日・・・・「1876年に明治天皇が東北に巡幸した時に軍艦以外の船で初めて航海して横浜港に着いた日」だって。覚えましたか? こんな程度で休んでいたら365日すべて祝日になる。「7月にも祝日を作ろう」との魂胆ありあり

◎9月15日 敬老の日・・・・日本書紀や続日本紀の片言から無理矢理(この言葉を使うのは何度目だ)にこの日が高齢者を敬うにふさわしいと決めた。由来すら謎の祝日で高齢社会に維持する理由もわからない

◎秋分日 秋分の日・・・・戦前の秋季皇霊祭。意味のなさの説明は春分の日と同じ

◎10月10日 体育の日・・・・1964年の東京五輪開会の日。なぜオリンピックが開かれた日に毎年休まねばならぬのだ

◎11月3日 文化の日・・・・戦前の明治節(制定時は天長節)。何で大正天皇だけが・・・・は昭和の日と同じ。なお憲法記念日のところで書いたことだが制定日はこの日だ。どうやら明治節を吉日としてわざわざ選んだらしいが祝日をもうけることまでは考えていなかったのだね

◎11月23日 勤労感謝の日・・・・冒頭に説明

◎12月23日 天皇誕生日・・・・今上天皇の誕生日。国民統合の象徴の生誕日だから祝うのに異論はない。ただ大正天皇だけを・・・・はある。出版社にとっては元旦と並んで年末進行を加速させる元凶ではある。畏れ多いことだがお隠れになった後の扱いを案じもする。ハゼの日とか魚の日なんてしないでよ

そして+1の「国民の休日」である。敬老の日がハッピーマンデーで月曜日に移動して秋分日が水曜日になると火曜も休んでしまえ!という改正祝日法が03年にひっそりと制定された結果生じる。最初の年は2009年だ。究極の理解不能祝日である。だって何の祝意もない祝日って言語矛盾しないか

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コメント

これはこの国の「近代化」の歴史を反映しています。

1.自然界の現象をもとにした日
2.農業に関わる日
3.奇数を縁起がいいとする陰陽道の日
4.近代政治の日程に関わる日
5.無意味な日(経済政策としての日)

1、2、3は関連しあっています。たとえば節句。2は天皇の祭祀のバックボーンです。要するに背景由来の全く異質なものが、明治維新以後つぎはぎされてきた日本の近代化をそのまんま反映したものですね。ある意味、節操がないこの国の正直な姿でしょう。

2は戦後日本が農業を捨てたことで無意味になりました。
3も節句は明治政府が旧暦を捨てたので無意味になりました。
4は大日本帝国に戦後が接ぎ木された日本を表しています。
5はエコノミックアニマルな戦後日本の笑うべき反映です。

わたしは農家ですので、旧暦復古が地球の破壊を救うと考えています。

投稿: 渡部 | 2005年11月24日 (木) 08時18分

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