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2005年11月18日 (金)

9条改正は「45歳」でかわせ

10月28日に発表された自民党新憲法草案の第9条2項の4「自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める」が徴兵制度をねらっているのは確実である。

私はこの11月で43歳になった。45歳まで後2年である。

何の関係があるかって? 大ありなんですよ。
徴兵は戦前にならえば満20歳の全員(戦前は男子のみ)の検査に加えて召集による兵役がある。戦前の兵役法は1943年の改正で上限年齢を満45歳とした。
43年といえば敗色が漂い始めた頃である。それでさえ45歳を上限とした。つまり私はもう少しで兵隊に取られないですむのである。今後どんな戦争をするかはわからないが、まあ3年後ぐらいまでは1943年より切羽つまることもあるまい。逃げ切り間近というわけだ。ハハハハハ。
この計算は私とタメで軍事オタクの前原誠司民主党代表も当然しているだろうな。

では誰が戦場に赴くかというと私よりずっと下の世代となろう。募兵制の現在の自衛隊でではまかなえなくなれば必ず徴兵するが「若者から」との原則は変わるまい(でないと負ける)。後輩よ。お国のために頑張ってくれたまえ。靖国が待ってるよ。

さて自民党の草案なのだが9条1項は変えないから「国際紛争を解決する手段として」の戦争はしない。つまり戦前のような植民地拡大の侵略戦争を露骨にやることはまずない。

改正する2項の1は「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保する」「自衛軍」とある。現在の日本国の領土=我が国の「平和と独立」を脅かす、つまり戦前でさえもやらなかった本土決戦の時は自衛軍が出てくるわけだ。
何の心配もない。この国に攻めてくるアホはいない。何しろ米軍がいるからな。そして私は2年後以降は確実にそこで命を長らえる。万一攻めてくるアホがいたら「自衛軍」も何もなく私でさえ戦わなければ明白なので結局心配しても仕方がない。

2項の3によると「自衛軍」は「国際的に協調して行われる活動」も「行うことができる」とある。イラク戦争は国連の決議なしに行われたが日本は自衛隊を出した。ということは「国際的に協調」とは国連決議の有無に関わらずアメリカがやるといったら該当する「活動」であろう。
戦後例外的に激しく出兵してきたアメリカ。平均して3年に1回はどっかに首を突っ込んだアメリカ。それと一緒に見知らぬ土地で若者は徴兵されて死んでいくわけだ。
ある意味でこの事態は戦前以上にひどくはないか。戦前の特に「15年戦争」は少なくとも主観的には多くの日本人は「自存自衛」と思っていた。もちろん戦場とされた地域の、とくに民間人にとっての日本兵は自衛どころか悪鬼であったに違いない。
だが日本兵は「先達が血で築き上げた成果を守るのだ」という動機付けができた。それが「国際的に協調して行われる活動」でも持てるか。イラクやイランや北朝鮮に米軍とともに戦って死んだからといって何を守り何を得たとなるか。
北朝鮮に日の丸持って日本の軍隊が来たら金正日体制を憎んでいる庶民も、餓死寸前の若者も、寝たきりの高齢者でさえ将軍様のもとに団結して戦うであろう。あそこは忘れられた大日本帝国であるから、大日本帝国の末期のごとくに抵抗するであろう。
みーんな犬死にである。靖国の英霊のように少なくとも国のために死んだという思いさえ持てないであろうから。アメリカのために死んだとして何だというのだ。もっとももうすぐ45歳の私には関係ないが。

何でこんな自分勝手で冷淡な物言いをするかというと9.11で自民党を勝たせたのは多くは若者と彼らの親でもあるオバハン達であるからだ。
草案2項の2には「内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍」とある。その「内閣総理大臣」は純ちゃんだ!と熱狂した当事者であるから「最高指揮権者」の指揮の下で死んでもいいという選択をしたわけだよね。だったら死んでらっしゃい。私は小泉首相の下で軍人として見知らぬ土地で何のモチベーションもなく殺されたり殺すのはゴメンである。でも支持した人は違うのだ。
憲法改正は究極の「改革」で同時に自民党の党是である。だからそうなったとて同情しない。私は役立たずの45歳以上として安全なこのこの国で見守るのみである。

米国国防総省などの統計によると米軍の約4割は貧困層という。小泉「改革」はこの貧困層をドンドン作り上げてきた。とくに若年失業者は増えていて就業していても不安定なフリーターが多い。「貧困=若者」の図式はできた。後は「若者=兵隊」を作れば完成だ。20代で小泉自民党に入れた方々よ。そういうことなのだよ。

同時に中高年の賃下げやリストラも小泉時代にドンドン進んだ。その妻の座にあるオバハンのうち自民に入れた方々よ。あなたには不甲斐なく写っている夫に代わって溺愛している我が子を戦場に送ろうとしている党を勝たせたのだよ。

などと書いたら懲罰召集されたりして。ヤバイ。自民党ゴリゴリの実力者の方々よ。上記は冗談だととらえて下さい。私は戦場では年老いていて何の役にも立ちません。

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コメント

トッラクバックします。記事を読んでいます。考えさせられる内容です。
かつて、私は徴兵を65歳以上としたことがあります。どうせ、しぬのだから。
今後とも宜しくお願いします。

投稿: ichiro | 2005年11月19日 (土) 16時19分

別にむきになってるわけではないが。姑息な考えはやめるしかない。兵隊さんに行ってる方が現地でええもん食ってる場合もあれば
国内で餓えたり原爆にやられてる場合もありで徴兵だけが戦争でもあるまいし戦争のなかにもいつもふつうの日常があるわけだ。いや
日常のなかに戦争があるともいえようか。
まあ ここは 言うってみただけです。

投稿: かものはし | 2005年11月25日 (金) 09時10分

 「徴兵制度をねらっているのは確実である。」というのは、いくらなんでも無茶苦茶じゃないかと思いますよ。50年前ならいざ知らず、近代戦争において世界の流れは徴兵による人海戦術ではなく、志願者による少数精鋭部隊へと確実に移行しているわけです。事実、大半の国は徴兵制を廃止して志願者のみの軍隊構成になっています。

 武器や装備の確保、補給や設備などを考えると徴兵制っていうのは無駄が多くて役に立たないというのが世界の常識。そもそもジェット機による制空権の取り合いとミサイル攻撃が近代戦争のスタンダードですから、兵士の数が多くても費用がかかるだけで勝利には結びつかないんです。

 ただでさえ税収が減って国家財政がピンチなのに、役に立たない徴兵制を実施して莫大な予算をつぎ込むなほど政府はバカじゃないっすよ。そもそも同盟国のアメリカに「おまえアホか?」って笑われちゃいますわ。

投稿: Dr,Y | 2005年11月26日 (土) 05時46分

>>Dr.Yさん
>募兵制の現在の自衛隊でではまかなえなくなれば必ず徴兵するが
この辺がポイントなんじゃないですか。
徴兵=人海戦術ではなく、必要な人員をまかなう為の徴兵だと。
自分も、(例えば今の英軍程度にでも)積極的に米軍に同伴して紛争地域に出兵し活動する状況になった場合に、現行の自衛隊程度の志願者数が維持できるのかどうかというのは大いに疑問です。
祖国存亡の危機となれば話は別でしょうが、今の日本の若者が(米国の志願兵の多くがそうであるような、低所得者層の若者であっても)、好き好んで他所の戦場に血を流しに行くかどうかって事です。

投稿: ヌカ次長 | 2005年11月30日 (水) 08時18分

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» 徴兵制と憲法改正ーー国民共同体 [田村伊知朗政治学研究室]
また、この国民共同体は、共同体として現象するのは、危機的な状況だけではない。むし [続きを読む]

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