QUEEN+Paul Rodgersを観てきた
本日(10月30日)午後5時から横浜アリーナで開催された「QUEEN+Paul Rodgers」に行ってしまった。その感想から
聞き終わって最初の感想は「やっぱり懐メロだなあ」である。冒頭にエミネムの曲が流れたのは不可解だったが後の構成はライブアルバム「RETURN OF THE CHAMPIONS」とほぼ同じ。新曲ゼロ。QUEENのファンは泣きながら聴いていたようだが私はいかなオヤジバンドでも新味がないとつまらない。
あれではFreddie Mercuryの死で彼のヴォーカルを聴けなくなった後にQUEENファンになった人と「何が何でも」のガチガチファン以外には懐メロ以上の何物でもない。にしてはS席12000円は高すぎだ。フジテレビにしてやられたか。
ただ間近に観られる席だったので一度じっくり見てみたかったBrian Mayの指の動きまでつぶさに観察できた。それで驚いたのだが若い頃は天才ギタリストの一角と信じていたBrianも今の基準で判断すると、あの程度の弾き手は今やいくらでもいるとわかって愕然とした。「速い!」と思っていたのだけどね。
といって彼の先達であるJimmy Pageのように腕そのものが衰えたわけではない。だから一層、古今の隔たりを感じてしまった。
「RETURN OF THE CHAMPIONS」がそうだったから覚悟していたが途中のQUEEN残党コーナーは不要ではなかったか。Brianが「桜」を織り込んだソロを披露したが「ヘビメタさん」のMarty Friedmanの方が数倍面白い。
Paul Rodgersはよかった。といっても私は初めて実物を見たので、その価値はあったというぐらいだ。ただあの年にしては抜群の声量なのは称賛に値するが若い頃のような伸びやかさが若干薄れていたのは仕方がないか。
小田和正が最近よくやるようなカット唱法を時折見せたのは残念。全体にQUEENの曲を自家薬籠中のものにしているとは言い難かったのも企画が企画だけにやむを得ないのかなあ。
ただしAll Right Nowだけは良かった。さすがに自分の曲だけあって群を抜いたパフォーマンスだった。この1曲だけは聴く価値があったが、それで1万円超はCP高過ぎと友里征耶風。
日本公演に合わせたらしいI Was Born To Love YouはBrianのアコーステックでRoger Taylorとともに歌ったがイヤイヤな感じだった。まああの曲は元々はFreddieのソロだったからね。でも2人で苦笑いしながら歌うのはどうかなあ。
Teo Tori AtteもBrianが歌って日本語パートが終わったところでPaulがウオーと巻き上げて終了。私はこの曲をまったく評価していないが日本で先行して売れた御礼として作られたといういきさつがあるからあってもいい。でも同時に、それゆえにこの曲だけはFreddieじゃないと意味をなさないと実感。
Bohemian RhapsodyはFreddie存命中からライブではガッカリスポットとされていたから驚きはしなかったが巨大なスクリーンにFreddieが映されて彼の歌声が流れるというのはどうかしら。熱狂して泣いている人も大勢いたが私は薄気味悪かった。
最後に主催者に苦言。アリーナは新日本プロレスみたいに花道を作り、観客席に延びる形の凸型の舞台を用意した。そのアイデアはよかったのだが観客席と花道の間の通路に、つまり最もQUEEN+Paul Rodgersの演奏者に近い位置となる通路が恐らくは立ち見席を買ったと思われる客で埋め尽くされていた。これではS席を買った人への詐欺行為である。埋まった後に排除しようとしていたが一旦そうなったらできないのは常識。結局そのまま始まって正直者がバカを見る羽目となった。
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