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2005年10月25日 (火)

DEATH NOTEのキラと小泉純一郎

少年ジャンプの人気連載マンガに「DEATH NOTE」がある。主人公はイケメンの少年で今は警察庁に勤めている。彼がもつDEATH NOTEとは死神から渡されたもので基本的にはそこに顔を知った者の名前を書けば書かれた相手は死ぬという設定だ。

主人公は最初DEATH NOTEが本当に機能することに煩悶したが、やがて生かしておいても仕方がないと主人公が判断した犯罪者の名を次々に書き込んで犯罪のない清潔な未来を創造しようと思い立つ。善意ではあるが単純な二元論で犯罪者の名を書き込む主人公はやがて「キラ」と自称する。

最近になってこの「キラ」と小泉純一郎首相が二重写しになって仕方がない。単純な二元論を持ち出すところといい逆らう者の名前もまた次々とDEATH NOTEに書き込むところといい。先の総選挙の造反組はさしずめ小泉首相の手にするDEATH NOTEに名前を書き込まれた口だ。刺客を送られて落選したり、当選しても除名をちらつかせたりと殺そうとしているのがありありとしている。

「キラ」がその存在感を増していくにしたがって捜査当局もまた主人公(キラとは知らない)のイエスマンになっていてキラ自身が「ぬるい」と感じるほどである。ついでにいってしまえば小泉首相の面立ちは永田町ではイケメン(爺さんだが)側にいると同時に死神のようでもある。造反議員はあの容姿が絶対に死神と写ったに違いない。
まだあるぞ。キラの回りにはミサという美しい女性がいてキラのためならば何でもする。キラもまたそれを上手に操っているがミサを愛している様子はない。「マドンナ」を並べ閣僚への女性登用をこだわり、といって愛しているわけでも男女平等を推し進めている風でもなく単に利用しているだけという点でよく似ている。

世論はどうか。マンガの方ではキラに賛同する世論がどんどん高まってきてアメリカ政府さえ屈しかねない勢いである。小泉首相はアメリカにはかなわないが世論を味方につけている点は同じだ。単純な善悪二元論に世論はついて行っている。いいなりになって踊っているメディアもマンガには登場する。もうこうなると恐いほど似ている。

ただ一つだけ、でも決定的に違っている点がある。「DEATH NOTE」はキラを憎んでとことん追いつめていくキラと同等の頭脳と策略を持つLという探偵が出てきて迫真の対決をする。L自身は最後に敗れて死ぬが現在はその後継者がキラを追っている。このLが政界にはいないんだ。
「DEATH NOTE」はキラとL(およびその後継者)が対決していくからストーリーになる。しかし政界にはLがいない。立ち位置としては民主党とその代表ということになろうが、民主党は先の総選挙で数十名の名前を小泉DEATH NOTEに書かれて大敗した。前原誠司代表と小泉首相との党首討論を見る限りでは前原代表がLになれるとは到底思えなかった。かくして今ではキラ・・・・じゃなくて小泉首相のやりたい放題である。これではストーリーが成り立たないぞ。

もっとも「DEATH NOTE」の筋立てはマンガだから仕方がないがマンガ的ではある。牽強付会がところどころにあるし荒唐無稽でもある。そこはマンガゆえの面白さである。だが現実の社会が牽強付会と荒唐無稽で流されては堪らない。そのマンガと現実とがそっくりさんで、ただ一つキラに対抗する者がいない点だけが違うというのでは最悪である。

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