戦後60年8月15日靖国神社24時(1)
さて今日から4日間にわたって小誌が今年の8月15日に24時間態勢で張り付いた靖国神社の様子をお届けしよう。結果「小泉来たらず」だったのはご承知の通り。でも24時間のドキュメントは右も左も英霊もマスコミも入り乱れての騒ぎだった。以前の靖国レポートと同じく文中で「私」と出てくるのは編集部の奥津裕美。では今日は午前0時から開門の6時まで
●小誌以外メディアはゼロの未明
2005年8月15日。去る8日に衆議院が事実上小泉純一郎首相によって解散されており終戦記念日に靖国神社に参拝する危険性?大との判断から24時間張り込みの愚挙を編集長の命令で決行した。社の総力を挙げて(といっても4人)の愚挙である。
午前12時00分。さあ始まった。小泉よ。来るなら来てみろ。目に物をみせてやる……って別に何もみせるものはないか。駐車場に大型バスが4~5台止まっていた。もう参拝客かと思ったら、バスのフロントガラスには、「巨人VS阪神観戦ツアー」なる文字が。運転手に「大型車はここの駐車場を使うんですか?」と聞くと、「そうですね」と解答。
午前12時22分。ベンチにはホームレスの男性2人と、携帯電話で電話をしているガードマンが一人。報道関係者は誰一人としていない。どうやら『記録』編集部が一番乗りである。パンを食べながらあたりを見回すと、夜中にもかかわらず靖国を訪れる人が結構多いことがわかった。夏休みのせいもあるだろうが、中高生あたりのグループがやってくるのである。次いでカップルも訪れては去っていくのだ。
午前12時46分。違う若者グループがまた訪れ、神門前でウロウロしている。さらに、私たちのベンチ付近には猫が3匹集まり集会を開く。猫の姿に癒される私。
午前1時30分。若い男の子2人組がジュースを買い、ベンチで喋りはじめる。さらにカップルも現れジュースを買いベンチで飲んでいる。
午前2時10分。売店からおいしそうなにおいが漂ってくる。なんのにおいだろうと考えながら癒されていると、売店横の道路に赤いランプを回したままのパトカーが止まった。駐車場にも別のパトカーが止まっていたし、護送車も止まっていた。準備万端いつでも来い! というような体制である。夜中から騒ぎがはじまると思って警備しているのだろうか。どの日よりも8月15日は靖国にとっても重大な日なのだろう。
午前3時39分。一度去ったパトカーが売店脇の道路に再び駐車する。小誌以外のメディアはいまだゼロ。これまでに首相が来てくれていたら大スクープを世界中に放てたのに。小泉なんて大嫌いだ。
午前4時10分。神門前でカメラマンが三脚をセット。小誌取材陣に次ぐ、2番手メディアの登場だ。Tシャツ姿の小太りの男性に近づくと、背中に「チャンネル桜」の文字が!「日本の伝統文化の復興と保持を目指し、日本人本来の『心』を取り戻すべく創立された」と標榜する衛星報道だけに、意気込みが違う。つまり靖国への「愛」が他社とは違うと。もっとも我々よりは4時間ほど「愛」が足りないが……。
午前4時35分。「駐車場はどこにあるの?」とパトカーの警官にたずねる色い車が登場。「静岡から来たんだ」と大声で警官に説明していた。地方からの参拝客を本日初めて確認。
午前4時48分。濃紺の背広姿の男性が到着し、神門前で参拝を行う。正装の参拝者は本日初。神妙な面持ちで頭を下げた後、静かに靖国神社を去る。
午前4時50分。白い街宣車到着。パトカーの後に停車し、警官と話し合いをしている模様。数分停車ののち、九段下方面に靖国通りを下っていった。本日初の街宣車は、5時前の到着であった!
午前4時51分。黒塗りのハイヤー到着。地味であか抜けない服装は、いかにも新聞記者のいでたち。映像系メディア以外としては、我が取材陣の次に到着したことになる。
午前5時01分。青山からタクシーに乗って参拝に来たという老女(81)に、「いつ開くのかしら?」と声をかけられ、そのあと世間話をする。
午前5時31分。「労農党」のはちまきを締めた老人が、巨大な日本国旗をささげ持ち神門前に現れる。横幅2メートルはあるかと思われる国旗を、3メートル以上ある国旗棒で支える。地面に付けないよう両腕で支える姿に「大丈夫かな、あのおじいさん」という声がマスコミ陣から上がっていた。数分後には仲間と思われる男性が海軍旗を持って登場する。2人で旗を掲げる姿にカメラマンが動く。今日初めての人気被写体は旗を掲げた参拝者だった。
午前5時35分。カメラ8台が神門前に集結し、開門を待つ。主要テレビ局は全てそろっていた。
午前5時41分。神社側よりアナウンスが入る。午前6時開門であること、境内の参拝者には取材しないこと、など放送する。靖国が少しずつ話題になり始めたころから取材規制の看板を出すなど、このところの靖国は取材に対してピリピリしているのだ。
午前5時51分。チャンネル桜が神門前の参拝客にうちわを配り始める。表に日本国旗、裏には「草莽崛起」「日本文化チャンネル桜」の文字が。この「草莽崛起」とは、吉田松陰が唱えた変革の組織論のことだそうだ。
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