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2005年8月11日 (木)

総選挙と小泉レトリック

解散・総選挙のことばかり書いていて気が引けるが今はそのことで頭が一杯なのでお許しを。もう止めるつもりです。

小泉支持派からは「郵政解散」と反対派からは「自爆解散」「ヤケクソ解散」などと呼ばれているが全部違う。郵政民営化のみを争点とする総選挙などありえないから「郵政解散」はそちらへ持っていきたい小泉支持派の思惑である点はすでに多くの識者が述べているが一方で小泉首相の「自爆」でも「ヤケクソ」でもなさそうだ。よくよく考えてみると小泉という人の独特のレトリックは冷徹であり「ヤケクソ」とは正反対とさえいえる

1)実は思い切り低い「潔さ」
小泉首相の「自公で過半数を割ったら退陣する」という発言を潔いと支持する声がすでに出ている。でもこの方法は負けを勝ちにすり替える巧妙な手段なのだ。
現時点で自民は過半数を握っていて公明と合わせると絶対多数である。結束の堅い公明が大敗を喫するとは考えにくいから「自公で過半数」とは自民党単独では過半数を大きく割り込んでもいいということになる。

長い間の自民党の常識は「単独過半数割れ=メロメロの敗北」だった。「自公で過半数」とはこのメロメロの敗北でも勝ちだといっているのだ。先の参議院選挙でも同じ手口で小泉政権は何となく勝ったようにみせかけた。
志だけで比較すれば「民主党単独で過半数を取れなければ代表を辞める」といった岡田克也代表の方が実は高い。でも世間はそうみなさない。それを小泉首相は分かっているから低レベルの目標設定をあたかも「潔い」ようにすり替える。この辺は本当にうまい。皮肉ではなく文字通り舌を巻く

2)「郵政法案に反対した議員は公認しない」は別に大したことではない
37人が反対して14人が棄権・退席した郵政民営化関連法案の衆議院採決は、それでも可決した。なのに参議院で否決されたから解散するのはおかしいという論調がある。違うって。合わせて51人が造反しても勝てた衆議院だからこそ解散できたのだ。
つまり反対37人が消えてなくなっても自公は過半数を悠々と維持できる。棄権・退席組まで公認しないとなれば話は別だがそうは言っていない。14人は次々と切り崩されよう。つまり現状維持でも「自公で過半数」なのだ。

37人のうち多くを占める亀井派は元々旧福田派から三塚-森-小泉(本人は領袖でないと言っているがこれもレトリック)と続く系譜から飛び出した亀井グループと旧中曽根派で山崎派に加わらなかったグループの連合体である。つまり小泉-山拓ラインの敵である。次いで多かった旧橋本派はYKK時代からの敵である。要するに敵を叩き出しただけだ。

3)「反対派に対抗馬を立てれば民主に漁夫の利」とは言い切れない
問題は比例代表がある点だ。もし単純小選挙区ならば「漁夫の利」論は正鵠(せいこく)を射ているが衆議院の選挙は比例を合わせた2票制だ
無所属になった反対派と自民公認と民主公認が争った場合、選挙区では確かに民主が得するかもしれない。しかし比例の票を選挙民はどう使うだろうか

・無所属造反-比例は自民
・自民公認-比例は自民
・民主公認-比例は民主

の3パターンは変わらない。問題は自民・民主対決になっていた選挙区で

・自民公認-比例は民主

の二股をかけていた人たちはどう動くのかである。
例えば造反組に小選挙区は入れた選挙民はこれまで比例で民主に入れてバランスを取ってきたが今回は自民を応援する片方がない。となると比例を自民にする可能性がある。しかも自民の危機となればなおさら「民主にも入れておくか」という意識が薄らぐ。

理由はまだある。自民が比例で民主に負けた理由は「コスタリカ方式」などで比例単独候補が名簿上位に鎮座していて名簿下位の小選挙区重複立候補者が比例に力を注ぐ気になれなかったことが大きい。ところが今回は比例単独だった小池百合子議員を東京の選挙区に立たせるという報道が象徴するように「鎮座」を消して重複競争を激化させて比例区を活性化させることができる。比例復活のパイが広がれば「同じ選挙区で当選2人」が増えて民主にはさしたる漁夫の利は回らない。

4)「惰民」が決起しても・・・・
選挙権がありながら棄権する惰民がわが国には約4割もいる。今回の総選挙が盛り上がるかどうか現時点で不明だが投票率が上がるとなればイコール「惰民の目覚め」ということになる。さて惰民が決起したらどこに投票するか。「純ちゃん」のような気がしてならない。

2005年7月2日付『東京新聞』によると民主党の五十嵐文彦衆議院議員が「郵政民営化に関する特別委員会」に提出した資料が紹介されている。それは郵政民営化の広報を契約した企業から政府へのプレゼン資料で冒頭「ターゲット戦略」と打たれたものだ。そこには「主婦層、シルバー層、具体的なことは分からないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」は「IQ軸」では低いと見える配置になっている。
これが差別に当たるかどうかが委員会では問題視されたが図らずも郵政民営化推進に期待される支持層が浮き彫りになっている。ここではIQ云々の議論はあえてしないで書き進めることを了承願いたい。

もしその通りだとしたら「愚直に政策を訴える」岡田代表の戦略は「具体的なことは分からないが、小泉総理のキャラクターを支持」する惰民・愚民には無に等しい。彼らは分析では郵政民営化を支持する。そこに小泉ワンワン絶叫がワンフレーズ加わる。さあ普段は行かない選挙だが今回は・・・・なんてならないか

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