中国の方が実は困ってないか
靖国神社参拝や東シナ海の資源開発問題などで揺れる日中関係だが実は困っているのは中国の方ではないかとの気もするのだ。
根拠1)貧鉱が中心の鉄鉱石
中国の鉄鉱石といえば1909年に当時の南満州鉄道株式会社が鞍山で鉱床を見つけて植民地化で発展させた鞍山製鉄所がある。ただし後の満州国建国以後もいわれたことだが中国は驚くほど地下資源がない。正確にはたくさんあるが質が悪い。鉄の含有量が約30%の「貧鉱」が中心である。
根拠2)石油は使い勝手の悪い重質油
では石油はというとドッサリ眠っているらしいのだがサウジアラビア原油を代表に吹き出す精製しやすい軽質油はほとんど見当たらなくて使い勝手の悪い重質油ばかりである
根拠3)東シナ海のガス田の将来性は悲観的
そこで日中の懸案となっている「春暁」などの東シナ海のガス田だが本当に有望なのかは謎である。まずここを採掘しはじめたというのは前述の通り石油が期待できないからであろう。だがこのガス田の開発に当初携わっていた国際石油資本のロイヤル・ダッチ・シェルと米国のユノカルは04年9月に「商業上の理由」から撤退してしまった。この行為をシェルやユノカルが日本と中国およびアメリカとの緊張が高まるのを嫌った政治的配慮とする見方があったがハゲタカのごとき歴史を誇る国際石油資本がそんな配慮をするとは思えない。文字通り「商業上」利益がないと踏んだに違いない。
シェルとユノカルと共同でプロジェクトを進めてきた中国海洋石油(CNOOC)がユノカル買収に動いたのもガス田の悲観的な将来を暗示する。そんなことをしたら米中関係が悪化するに決まっているし現に05年8月には正式に断念せざるを得ない状況だ。それでもゴリ押ししたのは良く考えても「中国に掘る技術がない」で悪く考えれば「ユノカルがいないと何も進まない」という解しか出てこない。
感情的にガス田が中間線のあっちだこっちだと揉めているのはとんだ見当違いで実は「あそこには何もない」可能性が高い。日本には何の被害もないが中国はショックであろう。
根拠4)厳しい自然条件で進まぬ内陸開発
中国の平野や盆地は国土の3割ほどしかない。内陸は山岳と砂漠が中心で大雨か乾燥かという気候である。これは中華人民共和国政府がいかに強権を振るってもどうしようもない事実である。
根拠5)人民元の切り上げは案外と深刻である
皆が楽観論を唱えているが私は案外と深刻な事態を中期には、もしかしたら短期のうちに中国経済に大打撃を与える可能性があると思えてならない。スミソニアン合意で1ドルを308円に約14%も切り上げさせられた日本に比べて小さいとはいえる。
しかしブレトン・ウッズ体制で1ドル360円の単一為替レートを1949年に決めてから22年ある。朝鮮戦争特需から計算すれば約20年の経済成長期間があり現にその間に日本は世界第2の経済大国になれた。それに比べると人民元の試練と果実の程度は案外と厳しい。
スミソニアン合意の2年後に日本は変動相場制に突入した、というかさせられた。あの時も「近いうちに固定相場にまた戻る」と多くが信じていたが変動のまま30年以上たって今日も続行中である。いったん相場を動かすとアッという間にグローバルスタンダードに引きずり込まれてしまう可能性大である。
考えてみれば満州国というロボット国家を作って満足できていたら日中戦争や仏印進駐などしなくてよかったわけで裏返せば満州国では十分な経済的果実を得られなかったから戦線を拡大したともいえる。その地と今の中国はいうまでもなく同じ場所にある。
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