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2005年8月13日 (土)

Kelly Clarksonとロック40年史

Avril_LavigneやHilary Duffといったガンガンロックする若手女性ボーカリストが続々登場の米国ポップス界だがKelly Clarksonのセカンドアルバム“Breakaway”には心底驚いた。
Kellyといえばオーディション番組『アメリカン・アイドル』初代優勝者のアイドルというイメージが強くてファーストもブルース色を織り込んだ歌自体はうまいけれども商業っぽいなと感じていた。
ちなみに『アメリカン・アイドル』は日本でいうならば「モーニング娘。」を生んだ「ASAYAN」みたいなもの。もっとも娘。は平家みちよに敗れた残党の寄せ集めであったが・・・

ところがアイドル然としたイメージは“Breakaway”で全面的に覆される。HeartのAnn WilsonとJanis Joplinを足し合わせたような本格派に変容していた。もっともこのことはライナーノーツにも書いてあったが写したわけではない。誰だって思い浮かぶはずだ。さらにBruce Springsteenを女性にしたような一種のすごみと暗さを加えたといってわかるかどうか。
1982年4月生まれというから23歳と私よりも20歳も若い。子どもの世代なのだがむしろ私の子どもの頃に爆発的に人気があった人達を想起させる。そういえばHeartも出てきた頃はLed Zeppelin女性版と言われていた。あのころの音楽が23歳によって歌われている。しかもほぼ完璧に。

唯一違うのは当然のことながらスタイルやルックスがすっごく可愛いこと。Ann WilsonやJanis Joplinには教祖とかカリスマという言葉は向いていてもアイドルとは言いにくい。今の20代はかつての私がそうだったようにそれが当然として聞いていて違和感もなかろうが40代から眺めると「そんな可愛い顔で何でそんな声が出るの」と不思議になってしまう。Hilary Duffにもそれはいえなくもないが“Breakaway”の出来はその落差を感じずにはいられない。

ただ意図的な演出ではないかとの疑念は残る。アルバムにあるSINCE U BEEN GONEという曲からHeartを、MISS INDEPENDENTのライブバージョンのエンディング部分(国内版のみ)にJanisを連想するなという方が無理だ。しかし「Janisをパクる」という行為自体が超人的な能力を有するので演出であったとしても価値を減じるものではあるまい。やってのけた方が偉いのである。そういえばどちらもテキサス出身なんですね。

それにしても・・・・と考える。リスナーの実年齢とミュージシャンの実年齢の関連はいったいどういう関係でとらえればいいのか。私はKelly Clarksonでさえ20歳年下の女の子という感覚が持てない。Gwen Stefaniだって7つ年下だが何やらお姉様のような気がする。
ただしルックスは全然別。自らと比較しても20以上年下に見える。視覚と歌声の落差が今回のテーマである。
逆に約20歳年上のJanis Joplinがうんと年上だと歌声では感じなかった一方で彼女の生きた映像をみているとその最高齢が27歳(この年齢で死亡)であったということもまた信じられない。もっとずっと年上だと感じていた。いまだにそうだ。上とも感じず下とも思えないという不思議な感触。年齢を超越した何かが歌声にはあるのだろうか。

余談になるが“Breakaway”を聞いて宇多田ヒカルが何故全米デビューに失敗したか深ーく理解できたような気もした。もともとネイティブ並の英語力を持つ宇多田ゆえにネイティブそのものの世界で勝負すること自体がハンディではないかとの逆説を抱いていたが問題はそんな些事を大きく超えている

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