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2005年7月21日 (木)

福知山線事故は東日本では大丈夫か

いうまでもなく社員同士がいがみあっていては公共交通機関の乗客は安心してはいられない。ところが1987年の国鉄分割民営化以来、JR各社の労働組合は闘争を続けている。4月25日に発生して死者107人を数えたJR西日本管内の福知山(宝塚)線事故の背景にそれをみることはできないだろうか。

労組とは本来、労働者1人と経営者1人では前者の立場の方が圧倒的に弱いために、労働者の要望などを経営者に聞いてもらうために組合を作ることを許し(団結権)、その組合が団体として経営者と交渉する権利を法的に認め(団体交渉権)るといった合法的な存在だがJR労組は肝心の団結に問題がある。

現在、全国のJR各社および貨物など旧国鉄職員が加盟している組合は約6万人程度の「全日本鉄道労働組合総連合会」(JR総連)と「日本鉄道労働組合連合会」(JR連合)があり、ついで分割民営化以前は最大の組織だった日本国有鉄道労働組合(国労)が2万人程度で続く。他にもいくつかある。

分割民営化は結果的に当時あらゆる産業のなかで最も強力な組合の1つといわれた国労を弱体化させた。一方で運転士の所属していた国鉄動力車労働組合(動労)を中心に新しいJRの時代を経営者とも協力して作っていったのがJR総連の原型で国労以外の少数組合や国労の「断固反対」方針についていけなくなった国労組合員を吸収して一時は巨大な組織となった。

ところがやがてJR総連のなかに警察などの公安当局が「極左暴力集団」と認定している革マル派が混じっていることが問題となる。公正を期すために両者の言い分を併記するが、公安調査庁(法務省外局)の『内外情勢の回顧と展望』(1999年)にはJR総連傘下の「東日本旅客鉄道労働組合」(東労組)に「過激派組織」「多数が組合執行部役員に就任」と記述されている一方で東労組は事実関係を否定している。そんなことも影響したのか、JR総連から離れていく組合員もやがて増えてきて代わってJR連合が大きくなりはじめた。その結果現在ではJR総連とJR連合がほぼ拮抗(きっこう)する勢力となる。

こうした経緯があるために国労とJR総連は当初から激しく対立して今に至る。特にJR東日本ではJR総連傘下の東労組が最大勢力なので国労側が「国労組合員が東労組に比べて職場差別を受けている」と訴えている。ところが西日本では一転してJR総連傘下の「JR西日本労働組合」(西労)が圧倒的少数派でJR連合傘下の「西日本旅客鉄道労働組合」(西労組)が数的に優勢。そこで今度は「西労は西労組に比べて職場差別を受けている」と訴えるという構図が生じた。福知山線事故の運転手は西労組の、車掌は西労の所属だった。あの「日勤教育」はJR総連傘下の西労が主に叫んだ内容だ。

要するにJR総連の立場からいうと東日本では国労に「差別を受けている」と反発される立場であると同時に西日本では「差別されている」と訴える側にいるということになる。

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